ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本最大のソーシャルネットワーク・サービスのmixiについて伺いました

2011年02月23日 | 汗をかく実務者
 英語で「SNS」(Social Network Service)、日本語で「ソーシャルネットワーク」「ソーシャルメディア」などと呼ばれるIT(情報技術)サービスの現状について伺いました。まだ良く理解できていません。

 最近「○○さんからFacebookへの招待が届いています」という電子メールを時々、受け取ります。Facebook((フェイスブック)に登録するには、実名などを登録すると聞いていたので、せっかくですが、そのままにしてありました。Facebookは世界最大のソーシャルネットワーク・サービスです。これに対して、日本で一番多くの方が利用しているのは、mixi(ミクシィ)と呼ばれるソーシャルネットワーク・サービスです。


 「ユーザー数は2102万人(2010年7月31日時点で)を超え、日本最大の規模のSNSで、最近はコミュニケーションのインフラストラクチャーにまで成長を遂げています」とのことです。

 ミクシィ(東京都渋谷区)の代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)を務める原田明典さんは「近々、電子メール利用者よりも、SNS利用者の方が多くなる。電子メールの代わりに、これからはSNSを利用する人が増えるからだ」と説明します。実際に、SNSを使っていないので、この発言内容の真偽を判断する能力を持っていません。これまでは、電子メールで十分と、単純に考えてきたからです。

 原田さんによると、mixiに自分の友人情報、メールアドレス、電話番号などを登録しておくと、もしメールアドレスや電話番号を変えた時でも、いちいち友人に伝える必要がないそうです。自分の個人情報(ミクシィは「ソーシャルグラフ」と名付けています)を修正すると、その変更が友人には見えるそうです。自分の個人情報のメンテナンスを自動的に済ませることができるそうです。

 世界最大のSNSであるFacebookの利用者は、日本では、mixiに比べて大幅に少ないそうです。その理由の一つは、mixiはスマートフォンに対応していることが効いているのだそうです。そして、Facebookなどのライバルとの競合に打ち勝つために、ミクシィは「2010年9月に、新プラットフォームを発表」し、大きな勝負に出たのだそうです。mixiは、国内最大のSNS会員数という地位を維持していますが、日本でのライバルであるDeNAなどがゲームなどを中心とする「モバゲータウン」などによって、日本市場で攻勢を強めているからです。

 mixiというSNSを構成する要素は「ソーシャルグラフ」と、その上で動く「アプリケーション」「クライアント」の3層に分けることができるそうです。現在、「ミクシィが力を入れているのは、土台となるソーシャルグラフの部分だ」とのことです。ユーザーにとって、使いやすく、居心地がいいSNSをつくり、ソーシャルグラフを拡張し管理していくとのことです。「その上で動くアプリケーションやクライアントソフトウエアなどのソフトウエアは、外部企業などに面白いものをどんどん開発してもらいたい」といいます。オープン化する部分と、自分たちで守るコアと分け、Facebookなどのライバルに対して、優位を守り続ける戦略だそうです。

 ミクシィは2010年11月末に、郵便事業株式会社(東京都千代田区、日本郵便)と連携して「今年も『ミクシィ年賀状』を開始する」と発表しました。ミクシィ年賀状は、ソーシャル・ネットワーキング サービスのmixiを通じて、日本郵便が発行するお年玉付き年賀葉書を指定した友人や知人向けに作成し郵送するサービスです。


 2009年のお正月向けから始めたミクシィ年賀状のサービスは、2011年の正月向けでは、友人とのコミュニケーションを楽しめる機能を加えて展開したとのことです。友人・知人がmixiに個人情報(住所など)を登録していれば、その友人・知人の名前を指定するだけで、ミクシィが相手の個人情報から住所を探し出し、印刷して年賀葉書を発送してくれます。今回は1枚当たり98円としたそうです。年賀葉書の元々の50~55円より、少し高い点がポイントです。十分に儲かると同時に、mixiの使い方の幅を広げる戦略的な事業です。

 重要なことは、「mixiというバーチャルな世界のサービスを、年賀葉書の印刷、発送というリアルな世界と結合したことだ」そうです。今後も、バーチャルな世界とリアルな世界の結合を増やしていきたいといいます。バーチャルな世界のサービスは、紙を使わない”エコ”な世界ですが、ここを補償するために、「年賀葉書1枚につき、1本の植林をすることで、バランスをとっている」そうです。

 原田明典さんは、以前はNTTドコモで「i モード」ポータルや検索分野で優れた仕事をし、2007 年12 月にミクシィに転職されました。DeNAの代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の南場智子さんが「うちに来てくれなかった」と、悔しがった人物です。日本のIT業界は、原田さんのような、起業家魂を持った傑出した人物が大勢います。この点では、日本は何とかなりそうです。