ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

「元素戦略/希少金属代替材料開発 第8回合同シンポジウム」を拝聴しました

2014年02月28日 | イノベーション
 今週、東京都内で「元素戦略/希少金属代替材料開発 第8回合同シンポジウム」という材料系のシンポジウムが開催されました。

 主催者は“元素戦略/希少金属代替材料開発 合同戦略会議”という組織です。



 「希少金属」という言葉よりも、実際には“レアメタル”という言葉の方が新聞紙などではよく使われています。直感的には、地球上にあまりない金属元素(実は非金属元素も含まれています)という意味と感じますが、正確には当該金属元素の原料となる鉱石などが地球上で偏在し、その産出国・輸出国が市場価格をコントロールする可能性があり、日本が入手困難になる可能性がある元素を意味します。

 具体的には、希少金属元素は中国や南アフリカなどに偏在しています。例えば、パソコンのハードディスク駆動装置(HDD)を動かす高性能モーターを構成している高性能磁石のネオジム・ホウ素・鉄磁石の耐熱性を高めるディスプロシウム(Dy)という元素の鉱石は、主に中国で産出されます。

 ディスプロシウム鉱石は、以前は米国の鉱山でも産出していたのですが、中国が安値で輸出した結果、採算がとれなくなり、閉山しています。こうした状況で、2011年に中国政府は自国の磁石メーカーを保護するなどの目的で、ディスプロシウムなどのレアメタル鉱石や原材料の輸出許可枠量を絞りました。

 この結果、ディスプロシウム元素の材料価格は2011年には10倍ぐらい跳ね上がりました。他のレアメタル元素も数倍から10倍ぐらいまで跳ね上がりました。レアメタル元素の市場は輸出国の行動を、欧米などの市場関係者が読み取り、投機的な動きをするために、乱高下するようです。

 高性能磁石のネオジム・ホウ素・鉄磁石は、ハイブリッドタイプ(トヨタ自動車の「プリウス」など)の乗用車の駆動用モーターにも使われています。このモーターは耐熱性が必要なために、ディスプロシウムの添加が不可欠です。

 経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はレアメタル元素の市場価格が不安定になるリスクが高いと読み、平成19年度(2007)年度から希少金属代替材料開発プロジェクトを始めました。例えば、ネオジム・ホウ素・鉄磁石の耐熱性向上のために添加するディスプロシウムを30パーセント削減する、液晶テレビの透明電極材料であるインジウム・スズ酸化物のインジウム(In)添加量を半減させるなどの開発テーマを進めました。

 各テーマは5年間の研究開発プロジェクトでした。その研究開発成果はほぼ達成され、各レアメタルの使用量は削減しつつあります。

 主催者は“元素戦略/希少金属代替材料開発 合同戦略会議”という組織ですが、その実態は内閣府、文部科学省、経済産業省、科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構です。

 特に「文部科学省と経済産業省は平成18年度(2006年度)から府省の枠を超えて相互に連携し、希少元素の使用量を大幅に低減又は代替する技術について、基礎研究から実用化開発まで合同で推進してきた」と自賛しています。

 鉱山資源が少ない日本は、研究開発成果によって、製造立国としての課題を乗り越えていることを示す事例のようです。

「日経ビジネス」2014年2月10日号の特集「働き方革命」を読み終えました

2014年02月27日 | 日記
 3週間前に発行された週刊誌「日経ビジネス」2014年2月10日号の特集「働き方革命 『超時間労働』が日本を救う」をやっと拝読しました。持ち歩いていながら、読むのを忘れていて、やっと読み終えた次第です。

 この特集は「体力の限界まで長時間労働を続けて成果を上げる――そんなあなたが、会社の労働生産性を沈ませている。この先、働き手が減る中、それは従前の労働時間の概念を超える新しい担い手による働き方革命を、日本に起こそう」と訴えます。



 日本企業の従業員は長時間労働している割には、労働生産性が低く、付加価値をつけられないとよくいわれています。特集「働き方革命」では、日本生産性本部と厚生労働省が作成したデータに基づくとして「就業者一人当たりの労働生産性」を各国比較した折れ線グラフを載せています。このグラフによると、2012年の日本人の就業者一人が産み出した付加価値は、米国人の63.4パーセントに過ぎないと、付加価値生産性が低いことを示しています。日本人は、約0.6人分しか付加価値をつくり出していないようです。

 また、日本では1週間に60時間以上働く人が18.2パーセントもいることを示しています。

 この特集の中では、オランダと韓国での労働時間改革の事例が出てきます。先進国の中では、欧州のオランダが一番、労働時間が少ないそうです。そのオランダの人材派遣業企業のランスタッドホールディングスの日本法人でCOE(最高経営責任者)を務めている経営者は、毎日午後6時に適時退社していると伝えます。そして、「オランダでは、授業員・経営者の約9割は午後6時に帰宅する」と伝えます。さらに「オランダでは、管理職であっても週休3日が普通」といいます。驚きの連続です。

 休みは単なる休息ではなく、仕事をするための活力維持になっているようです。まさに“ワークライフバランス”を活かし、効率的に仕事をし、人生に生き甲斐を感じ、やる気を出しているようです。

 さらに、オランダでは正社員も派遣労働者も同じ仕事内容であれば、賃金はほとんど同じだそうです。日本では、信じられないことです。

 特集の最後に「2014年版 働きがいのある会社ランキング」が載っています。Great Place to Work Institute Japanという調査機関が毎年発表しているランキングだそうです。大規模部門(従業員1000人以上)の第一位は日本マイクロソフト、中規模部門(同100人から999人)の第一位はグーグル、小規模部門(同25人以上99人以下)の第一位はトリプルグッド税理士法人です。

 この3社をみても、ランキングの会社名をみても、カタカナ表記の企業が多いです。外資系企業は米国などの親会社の労働の仕方を基に、就業時間や仕事のやり方を決めているからでしょうか。小規模部門は純粋な日本企業ですが、比較的新しい企業です。

 カタカナ表記の比較的新しい企業群は、在宅勤務や残業削減などの働き方を導入し、効率良く働く環境づくりに励んでいるようです。柔軟な勤務態勢によって、人材活用と業務の効率化に成功している企業が出始めているようです。

 大規模部門第二位のワークスアプリケーション(東京都港区)は独自の新卒採用制度を導入していることで有名なソフトウエア開発会社です。同社の牧野正幸CEO(最高経営責任者)は「当社の社員は『成果』を求めるプロフェショナルな方々で、レイバーではなくワーカーだ」といいます。労働裁量制かつ年俸制をとり、毎月50時間相当の残業代を支払っているそうです。

 「ワーカーは働きたいだけ働き、成果を上げる人であり、レーバーは労働時間に対して対価を受け取る人だ」といいます。仕事もプライベートな時間もどちらも大切にする人が労働生産性が高いようです。そして、人生を楽しんでいるようです。

静岡県伊東市のお菓子処の石舟庵が販売する桜饅頭をいただきました

2014年02月25日 | グルメ
 静岡県伊東市に本店を構える石舟庵(せきしゅうあん)の「桜饅頭」(さくらまんじゅう)をいただきました。

 サクラ色の饅頭の上に、桜花(さくらばな)の塩漬けがのっています。



 この桜花の塩漬けは満開になる前の「ボタンザクラ」と呼ばれるヤエザクラ(八重桜)を塩でつけたものでそうです。おめでたい席で、桜花湯として飲むものです。



 饅頭の中のあずき餡(あん)が品よく滑らかです。このこし餡の中には「塩漬けしたサクラの葉を丹念に塩抜きし、細かく刻んで練り込んである」とのことです。餡の中にサクラの葉が入っているとは感じないほどなめらかです。非常に細かく刻んだためと想像します。このサクラの葉は「伊豆松崎産」のオオシマザクラの若葉だそうです。サクラモチを包むサクラの葉です。

 饅頭の皮にはヤマイモを使って、しっとり感を出しています。

 1月下旬から販売され始めた桜饅頭は見た目ほどには、日持ちせず、5日間です。

 実は石舟庵は、熱海市から三島市に向かう道路の途中にある、目立つ石舟庵の看板のお店が以前から気になっていました。調べてみると、三島店のようです。今回は伊東市の海岸沿いの道路で目についた石舟庵に立ち寄りました。

 いまの季節は、桜饅頭に、桜しぐれ、桜カステラなどと桜づくしの品ぞろえです。

 アタミザクラ(熱海桜)やカワヅザクラ(河津桜)などが咲き始めた現在、伊豆半島ではサクラのお菓子を楽しむようです。

 石舟庵によると、伊豆桜暦では約40種類以上のサクラの木が花を咲かせるそうです。5月のヤエザクラで開花は終わるそうです。

 季節の移ろいを大切にする日本らしい和菓子の楽しみ方です。

静岡県熱海市伊豆山の急斜面の生け垣で、メジロの群れに出会いました

2014年02月24日 | 旅行
 静岡県熱海市の北東部に当たる伊豆山付近は厳しい斜面の地です。その厳しい斜面上部の生け垣に、メジロの群れが来ていてさえずっています。

 その生け垣から、そのすぐ側にある木に下りたメジロです。



 メジロの身体のうぐいす色(オリーブ色)の羽根の色がよくみえます。





 伊豆山付近の海岸線沿いを通る国道135号線に、アタミザクラの並木が何カ所あります。それぞれ花をよく咲かせています。





 このアタミザクラの花は、カワヅザクラ(河津桜)の花に比べると、少し小振りで、ややくすんだ桃色です。正確には、カワヅザクラの花が大振りで、明るい桃色です。

 このアタミザクラの並木はだいぶ前に植えられたようで、背の高い木に成長しています。その背の高い木の上部にたくさんのメジロがいます。

 メジロはアタミザクラの花の蜜を吸っています。残念ながら、メジロたちは背の高い木の上部にいるために、逆光になり、うまく撮影できませんでした。

 アタミザクラは熱海市で最初に咲くサクラの木です。開花期は早咲きで有名なカワヅザクラよりも数週間早く、“寒桜”としてはかなり早く花を咲かせます。今年は1月半ばには花を咲かせたそうです。アタミザクラの名所は熱海市の市街地の糸川遊歩道沿いです。

 熱海市観光協会のWebサイトによると、アタミザクラは「明治4年にイタリア人によって、インドから持ち込まれた寒桜の一種だ」とのことです。

 実は、熱海梅園の上側にもアタミザクラの木が数本植えられていて、花を咲かせています。



 熱海梅園に植えられ、花を咲かせているアタミザクラの木の側で、メジロの群れの飛来をしばらく待ちましたが、残念ながらメジロは来ませんでした。

 今年も自宅近くでもメジロの群れを時々見かけます。数羽がさえずりながら飛んで行きます。しかし、例年だとメジロの群れが来るツバキの並木に飛来して来て、ほとんど留まりません。この理由は不明です。 

静岡県熱海市郊外の熱海梅園では、早咲きのウメの花がよく咲いています

2014年02月23日 | 旅行
 静岡県熱海市郊外の熱海梅園では、早咲きのウメの花などがよく咲いています。ウメの花の薫りが辺りに漂います。

 この熱海梅園は日本一早く咲く梅林を実現させるために、“早咲き”の種類のウメの木を程よく植えてあるそうです。ウメの花の開花に合わせて、1月初旬から3月初旬まで梅祭りが開催されます。

 熱海梅園の上部の香浮橋の周辺の梅林です。白梅と紅梅が程よく並んでいます。



 鮮やかな紅梅(コウバイ)の花です。





 白梅(ハクバイ)の木の花は木の種類によって花の大きさなどが微妙に異なります。



 しだれ梅の木も多数植えられています。程よい大きさに木は剪定されています。



 熱海梅園の真ん中を流れる初川には、キセキレイが川の上下方向に何回も飛んでいました。メジロを探したのですが、サザンカやツバキの木の側で、鳴き声が少し聞こえただけで、姿は見つけられませんでした。

 初川には、一番下の漸佳橋を初めとする五つの橋が架けられ、周囲のウメの木などを観賞するポイントになってます。

 熱海梅園の下側の入り口近くには、ロウバイやマンサクなどの木が植えられていて、花を咲かせています。その木などの根元にはラッパスイセンが植えられていて、そのラッパスイセンがよく咲いています。



 フクジョソウもわずかですが花を咲かせ始めていました。

 この熱海梅園は、横浜市の豪商の方が1885年に造園したのが始まりです。熱海で温泉につかり、梅園などで散策して健康を保つという考えが造園の発想の原点だそうです。

 熱海梅園は秋の紅葉も美しいとのことです。