ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

人気ミステリー作家の原りょうさんの単行本「それまでの明日」をやっと読み終えました

2018年11月07日 | 
 人気ミステリー作家の原りょうさんの最新作の単行本「それまでの明日」をやっと読み終えました。

 原りょうさんは寡作作家です。この単行本「それまでの明日」は、2018年3月10日に早川書房から発行されました。



 この単行本の価格は1800円プラス消費税です。

 この意味不明の表題の単行本を、購入後にすぐに読み始めたのですが、途中で旅の支度の中に入れて、その存在を忘れてしまいました。最近、発見し読み終えました。

 単行本の冒頭では、50歳半ばの男が、渡辺探偵事務所のドアをノックして入って来ました。そして、「赤坂の料亭の女将の私生活を調査してもらいたい」と要件を述べて、調査費用を前払いして帰って行きました。

 この男性は、金融機関(消費者金融)のミレニアム・ファイナンスの新宿支店長でした。

 この調査を始めると、その調査対象の赤坂の料亭の女将は既に亡くなっていました。このため、その報告をするために、ミレニアム・ファイナンスの新宿支店を訪問すると、かなり“乱暴な”銀行強盗の侵入現場に出会います。

 この乱暴な銀行強盗は、主犯の男が消えて、誘われた男が現場に残ります。そして、誘われた男だけが警察に捕まります・・。本当の問題は、そのミレニアム・ファイナンスの新宿支店の責任者である、依頼主の支店長が帰って来ないことでした。

 原りょうさんはハードボイルド派の探偵作家として高い人気があります。まず、表現としては「戦力外通告を受けたスポーツ選手のように覇気のない薄曇りの日ざしの中を」とか「水道の元栓を誰かが勝手に閉めてしまった蛇口の水のように、私のまわりの動きがピタリと止まった」などのハードボイルドファンを喜ばす表現が散りばめてあります。

 この探偵小説の物語の流れは、予想以上に複雑です。まず、手堅い消費者金融の一翼を担うミレニアム・ファイナンスは、裏では暴力団の隠し財源を運用して、脱税などを手助けしていました。

 実は、探偵事務所を訪れた“ミレニアム・ファイナンスの新宿支店長”を名乗った人物は偽物でした。その後は、怪しい銀行強盗事件に巻き込まれ、複数の暴力団から行動を監視されます。

 複数の暴力団から行動を監視されます。複数の暴力団は、本物の“ミレニアム・ファイナンス新宿支店長”の行方を追っていたからです。

 以上が、この単行本の話の大枠ですが、肝心な部分はまだ説明していません。よく考えると重層的な複雑なストーリーです。

 キーパーソンは、自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性です。

 物語の全貌が見えてきて、この自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性が、父親と再会したその時に、再開の地となった仙台市郊外の別荘に辿りついた時に、2011年3月の東日本大震災が起こり、この二人は行方不明になります。この幕切れには、不満が残りました。安易な幕引きだからです。

 人気ミステリー作家の原りょうさんは、この単行本「それまでの明日」を書き上げるために、7年ほどかかったようです。

 実は、この単行本「それまでの明日」の前作の単行本「愚か者死すべし」は、2004年11月に早川書房から発行されています。原りょうさんは「われながら困惑するほどの遅筆ぶり」であると、あとがきで書いたこともあります。

宮城県登米市と栗原市にある伊豆沼で、マガンが目の前を埋め尽くして飛ぶ姿を観察しました

2018年11月07日 | 旅行
 宮城県登米市と栗原市にまたがって位置する、大きな池の伊豆沼は、冬鳥などの飛来地・観察地として有名です。特に、マガンの飛来地として有名です。

 この伊豆沼は面積369ヘクタール(水面面積289ヘクタール)と広大です。



 冬鳥のマガンは、主翼を広げると1.4メートルぐらいになる大型の水鳥です。





 伊豆沼とその周辺には秋から早春まで、数万羽のマガンが冬鳥として飛来します。日本に渡ってくるうちのマガンの70パーセントが、伊豆沼・内沼の周辺で冬を過ごすそうです。

 伊豆沼・内沼の東側にある稲刈り後の田んぼには、マガンは見た感じでは全部でたぶん1000羽ぐらい休んでいました。このマガンの群れが次々と上空に飛び上がりました。





 一時は目の前の空間が、飛び上がったマガンの群れに埋め尽くされました。





 目の前の空を埋め尽くすマガンの群れに、ただただ驚きました。たぶん1000羽ぐらいの群れの飛翔です。





 冬期の早朝に伊豆沼では、数万匹のマガンが飛び上がり、また夕暮れに数万匹のマガンが飛び下りて来るそうです。この飛翔シーンは想像もできないことです。

 今回はたぶん1000羽ぐらいの群れの飛翔でも迫力がありました。数万匹のマガンの飛翔は・・

 この日の変わりやすい天気の際には、小雨の後に、虹も出ました。



 この虹に向かって、飛ぶマガンの群れもいました。

 なお、日本に飛来したマガンの約70パーセント以上が伊豆沼・内沼に集まる理由としては、池が大きく、かつ冬でも凍結しない点と、その周囲に稲刈り後の田んぼが広大に広がっていて、冬でもエサが採りやすいためと推定されています。