人気ミステリー作家の原りょうさんの最新作の単行本「それまでの明日」をやっと読み終えました。
原りょうさんは寡作作家です。この単行本「それまでの明日」は、2018年3月10日に早川書房から発行されました。
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この単行本の価格は1800円プラス消費税です。
この意味不明の表題の単行本を、購入後にすぐに読み始めたのですが、途中で旅の支度の中に入れて、その存在を忘れてしまいました。最近、発見し読み終えました。
単行本の冒頭では、50歳半ばの男が、渡辺探偵事務所のドアをノックして入って来ました。そして、「赤坂の料亭の女将の私生活を調査してもらいたい」と要件を述べて、調査費用を前払いして帰って行きました。
この男性は、金融機関(消費者金融)のミレニアム・ファイナンスの新宿支店長でした。
この調査を始めると、その調査対象の赤坂の料亭の女将は既に亡くなっていました。このため、その報告をするために、ミレニアム・ファイナンスの新宿支店を訪問すると、かなり“乱暴な”銀行強盗の侵入現場に出会います。
この乱暴な銀行強盗は、主犯の男が消えて、誘われた男が現場に残ります。そして、誘われた男だけが警察に捕まります・・。本当の問題は、そのミレニアム・ファイナンスの新宿支店の責任者である、依頼主の支店長が帰って来ないことでした。
原りょうさんはハードボイルド派の探偵作家として高い人気があります。まず、表現としては「戦力外通告を受けたスポーツ選手のように覇気のない薄曇りの日ざしの中を」とか「水道の元栓を誰かが勝手に閉めてしまった蛇口の水のように、私のまわりの動きがピタリと止まった」などのハードボイルドファンを喜ばす表現が散りばめてあります。
この探偵小説の物語の流れは、予想以上に複雑です。まず、手堅い消費者金融の一翼を担うミレニアム・ファイナンスは、裏では暴力団の隠し財源を運用して、脱税などを手助けしていました。
実は、探偵事務所を訪れた“ミレニアム・ファイナンスの新宿支店長”を名乗った人物は偽物でした。その後は、怪しい銀行強盗事件に巻き込まれ、複数の暴力団から行動を監視されます。
複数の暴力団から行動を監視されます。複数の暴力団は、本物の“ミレニアム・ファイナンス新宿支店長”の行方を追っていたからです。
以上が、この単行本の話の大枠ですが、肝心な部分はまだ説明していません。よく考えると重層的な複雑なストーリーです。
キーパーソンは、自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性です。
物語の全貌が見えてきて、この自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性が、父親と再会したその時に、再開の地となった仙台市郊外の別荘に辿りついた時に、2011年3月の東日本大震災が起こり、この二人は行方不明になります。この幕切れには、不満が残りました。安易な幕引きだからです。
人気ミステリー作家の原りょうさんは、この単行本「それまでの明日」を書き上げるために、7年ほどかかったようです。
実は、この単行本「それまでの明日」の前作の単行本「愚か者死すべし」は、2004年11月に早川書房から発行されています。原りょうさんは「われながら困惑するほどの遅筆ぶり」であると、あとがきで書いたこともあります。
原りょうさんは寡作作家です。この単行本「それまでの明日」は、2018年3月10日に早川書房から発行されました。
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この単行本の価格は1800円プラス消費税です。
この意味不明の表題の単行本を、購入後にすぐに読み始めたのですが、途中で旅の支度の中に入れて、その存在を忘れてしまいました。最近、発見し読み終えました。
単行本の冒頭では、50歳半ばの男が、渡辺探偵事務所のドアをノックして入って来ました。そして、「赤坂の料亭の女将の私生活を調査してもらいたい」と要件を述べて、調査費用を前払いして帰って行きました。
この男性は、金融機関(消費者金融)のミレニアム・ファイナンスの新宿支店長でした。
この調査を始めると、その調査対象の赤坂の料亭の女将は既に亡くなっていました。このため、その報告をするために、ミレニアム・ファイナンスの新宿支店を訪問すると、かなり“乱暴な”銀行強盗の侵入現場に出会います。
この乱暴な銀行強盗は、主犯の男が消えて、誘われた男が現場に残ります。そして、誘われた男だけが警察に捕まります・・。本当の問題は、そのミレニアム・ファイナンスの新宿支店の責任者である、依頼主の支店長が帰って来ないことでした。
原りょうさんはハードボイルド派の探偵作家として高い人気があります。まず、表現としては「戦力外通告を受けたスポーツ選手のように覇気のない薄曇りの日ざしの中を」とか「水道の元栓を誰かが勝手に閉めてしまった蛇口の水のように、私のまわりの動きがピタリと止まった」などのハードボイルドファンを喜ばす表現が散りばめてあります。
この探偵小説の物語の流れは、予想以上に複雑です。まず、手堅い消費者金融の一翼を担うミレニアム・ファイナンスは、裏では暴力団の隠し財源を運用して、脱税などを手助けしていました。
実は、探偵事務所を訪れた“ミレニアム・ファイナンスの新宿支店長”を名乗った人物は偽物でした。その後は、怪しい銀行強盗事件に巻き込まれ、複数の暴力団から行動を監視されます。
複数の暴力団から行動を監視されます。複数の暴力団は、本物の“ミレニアム・ファイナンス新宿支店長”の行方を追っていたからです。
以上が、この単行本の話の大枠ですが、肝心な部分はまだ説明していません。よく考えると重層的な複雑なストーリーです。
キーパーソンは、自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性です。
物語の全貌が見えてきて、この自分の父親を知らないネットビジネスの中年男性が、父親と再会したその時に、再開の地となった仙台市郊外の別荘に辿りついた時に、2011年3月の東日本大震災が起こり、この二人は行方不明になります。この幕切れには、不満が残りました。安易な幕引きだからです。
人気ミステリー作家の原りょうさんは、この単行本「それまでの明日」を書き上げるために、7年ほどかかったようです。
実は、この単行本「それまでの明日」の前作の単行本「愚か者死すべし」は、2004年11月に早川書房から発行されています。原りょうさんは「われながら困惑するほどの遅筆ぶり」であると、あとがきで書いたこともあります。