2016年10月15日 高根第二ダム
高根第二ダムは岐阜県高山市高根町下之向の一級河川木曽川水系飛騨川にある中部電力が管理する発電目的の中空重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成により新たに誕生した中部電力は戦後の電力不足に対処するため各地で新規電源開発に邁進、包蔵電力豊富な飛騨川では1953年(昭和28年)に朝日ダムと秋神ダム、1962年(昭和37年)に久々野ダムを建設します。
一方1960年代より発電の主力は火力に移りますが、電化製品の普及による電力需要の日量格差拡大受け余剰電電力の有効利用が可能な揚水式発電が着目されます。
中部電力も飛騨川最上流部への新規揚水式発電所建設に着手し1968年(昭和43年)に竣工したのが高根第二ダムです。
当ダムを下部調整池、翌年に完成した高根第一ダムを下部調整池とする高根第一発電所で最大34キロワットのの混合揚水式発電を行うほか、高根第二発電所で最大2万5100キロワットのダム水路発電を行います。。
高山市から国道361号を東進、道の駅『飛騨たかね工房』を過ぎ下之向橋で右手の側道に入ると高根第二ダム直下に到着します。
クレストは2門のラジアルゲート、減勢工はジャンプ台式。
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堤体頂上部まで傾斜が付いているのが中空式の特徴です。
向かって左に高根第2発電所があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/a5/f17b0722045d7e829ac9ceb7b5fdce84.jpg)
堤体下流面。
堤体左岸が緩やかに湾曲しています。
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天端は立ち入り禁止。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/fc/7f0bf864447c70cccbe342b079081110.jpg)
上流面。
ラジアルゲートはブラックゲート。
水位が低ければ中空式特有のダイヤモンドヘッドが見れるのですが・・・。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/15/af140226c560ea4cfd0f8fecab68fee5.jpg)
ゲート右手の二つの窪みの下には取水設備が2基隠れています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/5b/3d79d1403aa733e3cdd4a46ce053fe89.jpg)
(追記)
高根第二ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1106 高根第二ダム(0645)
岐阜県高山市高根町下之向
木曽川水系飛騨川
P
HG
69メートル
232メートル
11927千㎥/5875千㎥
中部電力(株)
1968年
◎治水協定が締結されたダム