ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

堀河ダム

2020-10-02 13:40:25 | 大阪府
2020年9月26日 堀河ダム
 
堀河(ほりご)ダムは大阪府泉南市信達童子畑の男里川水系金熊寺川右支流堀河川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
大阪府泉南地域は瀬戸内海式気候に属し年間降水量が少ないうえに大河がなく、古くから灌漑用水源を溜池や中小河川に依存するなどし、安定した水源確保が農家の悲願となっていました。
1956年(昭和31年)の町村合併で誕生した泉南町(現泉南市)も同様で、地元による陳情の結果1962年(昭和37年)に農林省の補助を受けた府の事業として農業用ダム建設が採択され1970年(昭和45年)に堀河ダムが竣工しました。
運用開始後は泉南市が受託管理を行っています。
なおダム便覧では竣工年度を1971年(昭和46年)としていますが、ここでは竣工記念碑の1970年を採用します。
 
阪和自動車道泉南インターから府道63号泉佐野岩出線を和歌山方面に南下し信達童子畑集落を過ぎると左手に堀河ダムが姿を見せます。
府道からダム下へ続く道路を進みますが、木が茂りダム下には近づけません。
 
いったん府道を北に戻り信達童子畑集落入口で左手の旧道に入り、さらに直後の分岐を左に採ると堀河ダムに到着します。
こちらはダム左岸から
昭和40年代のダムということで農業用ですがクレストにはローラーゲートを装備しています。
 
堀河ダムで注目すべきは堤体に書かれた文字(黄色のマル)
どうやってこんなところに落書きを?と思われますが、たぶん測量か調査の際に書かれたものじゃないかと思います。
 
右岸から。
 
右岸ダムサイトの竣工記念碑。
 
右岸の山側擁壁は地元の風景を描いた壁画になっていましたが、見るも無残な落書き多数。
全国のダムを回っていますが、大阪のダムや溜池はどこに行っても落書きや不法投棄が多いのには驚かされます。
土地柄と言えばそれまでですが、民度の低さは同じ関西出身者として恥ずかしい限りです。
 
上流から
農業ダムとしては立派な取水設備とゲート。
 
天端は車両通行可能
左岸にも道路があり府道63号に通じています。
 
天端から
樹木に覆われているのでわかりづらいのですが、どうやら減勢工の両側に放流設備らしいものはありません。
取水された水は堤体下部のコンジットから放流されるようです。
 
左岸から府道へ通じるトラス橋。
2枚目と3枚目の写真はここから撮ったものです。
 
総貯水容量279万5000立米と農業用ダムとしては結構大きな貯水池。
 
湖岸には桜の木が多く『大阪みどりの百選』に選ばれ、春には多くの人出があるようです。
 
1432 堀河ダム(1559)
ため池コード 272280037
大阪府泉南市信達童子畑
男里川水系堀河川
45.4メートル
130メートル
2795千㎥/2519千㎥
泉南市
1970年