ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

淀原大堤

2021-06-08 14:16:06 | 島根県
2021年5月24日 淀原大堤
 
淀原大堤は島根県邑智郡邑南町岩屋の江の川水系山田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地案内板によれば池の起源は1820年(文政3年)頃に遡りますが、その池は数年後に流出、1935年(昭和10年)に当時の出羽村村長の肝入りで今の淀原大堤が完成しました。
その後1998年(平成10年)にかけて大規模改修が行われ、ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
池の管理は淀原大堤水利組合が行っています。
 
池の堤体直下を町道が通っています。
道路部分が盛土されており堤高18.6メートルもあるようには見えません。
 
町道から左に折れると池の右岸に到着します。
天端への車の進入も可能ですが対岸で突き当り。
 
池の由来が記された説明版。
こういうのはありがたいですね。
 
上流面はコンクリートで護岸
右岸に洪水吐があります。
 
洪水吐をズームアップ。
 
左岸の斜樋。
 
大堤と言いつつも貯水容量はわずか7万5000立米。
 
斜樋を遠望。
 
堤体は右岸が湾曲しています。
 
洪水吐導流部。
 
底樋は確認できませんでした。

1716 淀原大堤(1647)
ため池コード 324450042
島根県邑智郡邑南町岩屋
江の川水系山田川
18.6メートル
100メートル
75千㎥/75千㎥
淀原大堤水利組合
1935年淀原大堤竣工
1998年大規模改修竣工

第二浜田鞍部ダム

2021-06-08 14:06:43 | 島根県
2021年5月23日 第二浜田鞍部ダム
 
第二浜田鞍部ダムは2016年(平成28年)に浜田川水系浜田川本流に建設された島根県土木部が管理する第二浜田ダムの副堤の重力式コンクリートダムです。
第二浜田ダムがサーチャージ水位まで貯留した際に貯水池右岸から水が溢れてしまうため、高さ22.8メートル、全長202.5メートルの重力式コンクリートの鞍部ダムが建設されました。
 
第二浜田ダムと鞍部ダムの位置関係
赤が第二浜田ダム主堤、青が鞍部ダム。
 
鞍部ダム左岸から下流側は公園として整備され遊歩道が設置されています。
これは下流から。
 
左岸から下流面。
堤頂長は200メートルを越えます。
 
 
 
 
左岸から上流面。
 
右岸から上流面。
 
天端は車道。

3677 第二浜田鞍部ダム(1646)
島根県浜田市河内町
浜田川水系浜田川
FN
22.8メートル
202.5メートル
15470千㎥/14220千㎥
島根県土木部
2016年

第二浜田ダム

2021-06-08 13:57:02 | 島根県
2021年5月23日 第二浜田ダム
 
第二浜田ダムは左岸が島根県浜田市三階町、右岸が同市河内町の二級河川浜田川水系浜田川本流にある島根県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1958年(昭和33年)の豪雨災害を契機に1962年(昭和37年)に島根県初の補助ダムとして治水・発電目的の浜田ダム(元)が建設されました。
しかし1983年(昭和58年)7月豪雨いわゆる山陰大水害及び、1988年(昭和63年)7月豪雨により浜田川流域で大きな洪水被害が発生したことを受け、県は新たに『浜田川総合開発事業』を採択します。
具体的には既存の浜田ダムをゲートレス化・治水専用ダム化とする再開発と、浜田ダム下流1キロ地点に新たに第二浜田ダムを建設し浜田川の洪水調節能力を大幅にアップさせるというものです。
事業は1990年(平成2年)より着手されまず2016年(平成28年)に第二浜田ダムが竣工、ついで2020年(令和2年)に浜田ダム再開発事業が竣工し、両ダム併せて従来の4倍強にあたる1689万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
洪水時には浜田ダム(再)で最大毎秒300立米、第二浜田ダムで最大毎秒530立米の洪水カットを実施し両ダム連携して浜田川の洪水調節を行います
また第二浜田ダムには安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給を目的とした不特定利水容量も配分されています。 
 
第二浜田ダムは重力式コンクリートの主堤と、同じく重力式コンクリートの鞍部ダムで形成されており、ダム建設によって付け替えられた県道179号黒沢安城浜田線が第二浜田ダム天端を通っています。
赤が第二浜田ダム主堤、青が第二浜田鞍部ダム
 
下流から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲート2門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート2門を装備
オリフィスは左右で越流高が異なっています。
ダム手前の囲い部分にはかつて浜田ダム(元)を取水ダムとする島根県企業局浜田川発電所がありましたが、浜田ダム再開発事業に伴い廃止撤去されました。
 
左岸から下流面
2016年(平成28年)竣工の新しいダムで、コンクリートの白さが目立ちます。
 
上流面
有効貯水容量1422万立米のうち1357万立米を洪水調節容量が占めるため、オリフィスゲートの位置がずいぶん低くなっています。
またオリフィスは左右で越流高が異なっています。
 
天端は県道179号線が通ります。
 
減勢工と副ダム。
左岸には低水位放流設備に加え、河川維持放流を利用した小水力発電所が建設中。
 
ダム湖は『いわみおろち湖』と命名され総貯水容量は1547万立米。
 
右岸からの天端。
 
天端高欄親柱は再開発事業で切り出した浜田ダム(元)のコンクリ―トが使用され、岩見神楽の『スサノオノミコト』を描いた装飾が施されています。
 
右岸から上流面
堤高から見るとずいぶん水位が低く見えますが、貯水容量の大部分を洪水調節容量が占めるためこれで常時満水位。
 
斬新なデザインの管理事務所
ここで浜田ダム(再)と第二浜田ダムを管理します。
 
(追記)
第二浜田ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

3087 第二浜田ダム(1645)
左岸 島根県浜田市三階町
右岸 島根県浜田市河内町
浜田川水系浜田川
FN
98メートル
218メートル
15470千㎥/14220千㎥
島根県土木部
2016年
◎治水協定が締結されたダム

浜田ダム(再)

2021-06-08 11:26:54 | 島根県
2021年5月23日 浜田ダム(再)
 
浜田ダム(再)は左岸が島根県浜田市三階町、右岸が同市河内町の二級河川浜田川水系浜田川本流にある島根県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1958年(昭和33年)の豪雨災害を受けて1962年(昭和37年)に島根県初の補助ダムとして治水・発電目的の浜田ダム(元)が建設されました。
しかし1983年(昭和58年)7月豪雨いわゆる山陰大水害、1988年(昭和63年)7月豪雨により浜田川流域で壊滅的な洪水被害が発生したことを受け、県は新たに『浜田川総合開発事業』に着手します。
浜田川の治水能力増強のため浜田ダム(元)を再開発し治水専用ダム化する一方、下流1キロ地点に新たに第二浜田ダムを建設するというものです。
事業は1990年(平成2年)より着手され、2016年(平成28年)に第二浜田ダムが竣工、ついで2020年(令和2年)に浜田ダム再開発事業が竣工し、両ダム併せて従来の4倍強にあたる1689万5000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
再開発された浜田ダム(再)は有効貯水容量すべてが洪水調節容量となる治水専用ダムで、流入量はそのまま放流する流水型治水ダムとなっています。
洪水時には浜田ダム(再)で最大毎秒300立米、第二浜田ダムで最大毎秒530立米の洪水カットを実施し両ダム連携して浜田川の洪水調節を行います。
 一方再開発事業により従来浜田ダムに取水口のあった島根県企業局浜田川発電所は廃止されました。
 
ダム建設に合わせて道路が付け替えられた県道179号黒沢安城浜田線に浜田ダムを示す標識があり、これに従い旧道を進むとダムが見えてきます。
既存のゲートが撤去され非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂自由越流式が設けられる一方、常用洪水吐は河床部に設置され平時は流入量をそのまま放流する流水型治水専用ダムとなっています。
ゲートレス化により付加されたクレストゲート周りの白いコンクリートが目立ちます。
ゲート下の正方形の点は再開発の際に設置した足場の跡をモルタルで埋めたものです。
 
左岸ダム湖畔にある円形のコンクリート
浜田ダム(元)の島根県企業局浜田川発電所取水口跡です。
 
ダム右岸下流側のコンクリートの遺構
こちらは浜田ダム(元)建設の際のプラント跡。
 
天端から導流部と減勢工を見降ろします。
常用洪水吐からの水が流下しています。
 
減勢工は左にカーブ、副ダムにはスリットが2本入っています。
第二浜田ダム満水位の際には副ダムや減勢工すべてが水没します。
 
『桜湖』と命名されたダム湖
総貯水容量412万5000立米ですが、流水型治水ダムのため堆砂容量80万立米分だけ貯留されています。
 
右岸から
天端は車道で右岸が屈曲しています。
こちらにも足場跡がたくさん残ります。
 
3枚目写真のプラント跡。
 
再開発で追加された導流壁
白いコンクリートが際立ちます。
 
こちらは浜田ダム(元)の昭和38年の竣工記念碑。
 
山陰大水害を契機として既存の多目的ダムを治水専用ダムとして再開発するとともに下流に新ダムを建設し従来の4倍強の洪水調節容量を確保するという珍しい河川総合開発事業です。
旧県道をもう少し下流に進めば浜田ダム(再)の下流面をきれいに見れるのですが残念ながらゲートが設置され立ち入りできません。

1743 浜田ダム(元)
左岸 島根県浜田市三階町
右岸 島根県浜田市河内町
浜田川水系浜田川
FP
58メートル
184メートル
5000千㎥/4350千㎥
島根県土木部
1962年
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3133 浜田ダム(再)(1644)
左岸 島根県浜田市三階町
右岸 島根県浜田市河内町
浜田川水系浜田川
58メートル
184.369メートル
4125千㎥/3325千㎥
島根県土木部
2020年 浜田ダム(再)竣工