ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

芦別ダム(北海道電力)

2021-07-25 14:04:35 | 北海道
2021年6月16日 芦別ダム
 
芦別ダムは左岸が北海道芦別市北7条西3丁目、右岸が同市常盤の石狩川水系空知川中流部にある北海道電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令で誕生した北海道電力は戦後の電力に対処するため各所で電源開発を進めます。
芦別ダムもそんな発電施設の一つで、既設の野花南ダムの下流6キロ地点に1952年(昭和27年)に建設され、併設する芦別発電所で最大出力1万キロワットのダム式水力発電を行います。
 
芦別市奥芦別の芦別川には国交省北海道開発局建設部が直轄管理するもう一つの芦別ダムがあり、上流の野花南ダムともども同名のダムが至近に複数存在する珍しいケースとなっています。
 
空知川に架かる道道4号線空知川橋からダムと正対できます。
ローラーゲート4門装備のいかにも発電ダムと言った造りで、右岸にはダム式発電を行う芦別発電所が隣接しています。
 
ちょっとアングルを変えて。

ダムおよび発電所は立ち入り禁止ですが、右岸から近接できます。
半地下式の発電所で有効落差14.1メートルを稼ぎます。
 
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ピアにはアーチ状の鉄骨トラス。
 
(追記)
芦別ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0042 芦別ダム(1653)
左岸 北海道芦別市北7条西3丁目
右岸 北海道芦別市常盤
石狩川水系空知川
16.5メートル
90.8メートル
6250千㎥/1400千㎥
北海道電力(株)
1952年
◎治水協定が締結されたダム

野花南ダム(北海道電力)

2021-07-25 01:32:18 | 北海道
2021年7月16日 野花南ダム
 
野花南ダムは北海道芦別市上芦別町の石狩川水系空知川中流部にある北海道電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。。
初代野花南ダムおよび発電所は、1918年(大正7年)に当時の富士製紙(のちに王子製紙に吸収)により日本初のダム式水力発電所として建設され、最大5100キロワットの発電を行っていました。
当時は物珍しさで見物人が殺到し絵葉書の題材にもなったそうです。
日本発送電による接収ののち、1951年(昭和26年)の電力事業再編令で北海道電力が事業継承しました。
その後、老朽化に加え1967年(昭和42年)の金山ダム完成で空知川の流量が安定したことで再開発が行われ、1971年(昭和46年)に2代目野花南ダム・発電所が竣工、発電能力は従来の約6倍の最大3万キロワットまで増強されました。
 
当ダムの南約5キロには芦別市土地改良区が管理する灌漑目的の野花南ダムあります。
同名のダムが近接するのは珍しく、混乱を避けるため農業用の野花南ダムは『丸山ダム』の通称で呼ばれることが多いようです。
 
空知川に架かる泰山橋からダムと正対できます。
洪水吐ローラーゲート5門と土砂吐ローラーゲート1門が並ぶいかにも発電ダムと言った体。
右岸(向かって左)の白い建屋が野花南発電所です。
 
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発電所。
 
右岸発電所前の看板。
 
発電所は立ち入り禁止。
 
変電施設。
 
右岸からフェンス越しの撮影。
左手は除塵機、右手はピア。
 
 
(追記)
野花南ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0082 野花南ダム(1652)
北海道芦別市上芦別町
石狩川水系空知川
30メートル
215.5メートル
4800千㎥/2600千㎥
北海道電力(株)
1971年
◎治水協定が締結されたダム