ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

新区画ダム

2021-07-28 13:56:40 | 北海道
2021年7月17日 新区画ダム
 
新区画ダムは北海道上川郡美瑛町新区画の石狩川水系ニタチパウマナイ川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
美瑛町から旭川市にかけての美瑛川沿岸では良好な気候、豊かな地味を活かし古くから農地が拓けていましたが水利に乏しく用水不足が恒常化していました。
1962年(昭和37年)に国営かんがい排水事業美瑛川地区が着手され、その灌漑用水源として1970年(昭和45年)に完成したのが新区画ダムです。
事業全体も1974年(昭和19年)に竣工し約1500ヘクタールの水田への灌漑施設が整備され同地区は上川盆地屈指の稲作地帯となりました。
現在の管理は旭川土地改良区が受託しています。
 
ダム下から
ロックフィルダムですが北海道ではおなじみ、凍上対策として芝が張られています。
左岸(向かって右手)に洪水吐導流部が伸びています。
 
ダム下の放流ゲート。
 
堤体中央の階段で天端に登ります。
美瑛らしいパッチワークの農地の一端が見えます。
 
総貯水容量560万立米の貯水池。
 
フローティング方式の取水塔。
 
長く伸びる洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部脇から見上げます。
 
右岸から
堤高32.3メートル、堤頂長274.7メートル
下流面はきれいに草が刈られています。
 
上流面はコンクリートで護岸
右岸から天端への立ち入りはできません。
 
水利使用標識。
 
(追記)
新区画ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0078 新区画ダム(1658)
北海道上川郡美瑛町新区画
石狩川水系ニタチパウマナイ川
32.3メートル
274.7メートル
5600千㎥/5223千㎥
旭川土地改良区
1970年
◎治水協定が締結されたダム

しろがねダム

2021-07-28 01:54:31 | 北海道
2021年7月17日 しろがねダム
 
しろがねダムは北海道上川郡美瑛町白金の石狩川水系オヤウンナイ川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
美瑛町から上富良野町、中富良野町一帯では広く田畑が拓けていますが、灌漑期の降水量が少ないなど水利に乏しく用水不足が恒常化していました。
1970年(昭和45年)に国営畑地帯総合土地改良パイロット事業しろがね地区
が着手され、その灌漑用水源として2002年(平成14年)に完成したのがしろがねダムです。
事業全体も2005年(平成17年)に竣工し約8000ヘクタールにわたる広大な農地への灌漑施設が整備されました。
ダムの管理は美瑛町が受託しています。

貯水池は『四季彩湖』と命名され、十勝岳をバックに美しい眺望が広がる景勝地として知る人ぞ知る絶景スポットとして人気を集めていました。
ところが2016年の『平成28年北海道豪雨』により堤体下流法面の一部が崩壊、国営災害復旧事業により2018年(平成30年)に同事業は竣工しましたが、以来ダムに通じる管理道路は立ち入り禁止が継続されています。
 
現在は道道353号線からダムを遠望するしか手立てはありません。
 
堤高63.5メートル、堤頂長611メートルと農業用ロックフィルとしては屈指のスケールを誇ります。
背後は富良野岳。
 
せっかく四季彩湖と命名された絶景ポイント。
できれば早期の立ち入り制限解除を期待したいところです。
 
(追記)
しろがねダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0109 しろがねダム(1657)
北海道上川郡美瑛町白金
石狩川水系オヤウンナイ川
63.5メートル
611メートル
6800千㎥/6766千㎥
美瑛町
2002年
◎治水協定が締結されたダム