ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩松ダム

2021-08-11 12:57:00 | 北海道
2021年7月18日 岩松ダム
 
岩松ダムは北海道上川郡新得町屈足の一級河川十勝川本流にある北海道電力(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1939年(昭和14年)に誕生した日本発送電は、戦時色が濃くなる中全国各地で電源開発を進めます。
岩松ダムもそんなダムの一つで1941年(昭和16年)に完成し、ここで取水された水は岩松発電所に導水され最大1万5000キロワットのダム水路式発電を行っていました。
1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により岩松ダムおよび発電所は北海道電力が事業を継承します。
2016年(平成28年)に老朽化した岩松発電所に変わり新岩松発電所が稼働し、出力も1万6000キロワットに増強されました。
岩松ダムは戦時中の貴重な土木遺産として2019年(令和元年)に土木学会選奨土木遺産に選定されました。
 
岩松ダムは十勝清水とトムラウシ温泉を結ぶ道道718号線沿いにあります。
ダム下から
クレストに7門のラジアルゲートが並びいかにも発電ダムと言った風。
 
ゲート部分をズームアップ
ゲートと扶壁は戦後改修工事が施されています。
 
左岸側の排砂ゲート。
 
減勢工
シュート部分の下流に副ダムがあります。
 
天端は立ち入り禁止。 

水利使用標識。 
 
 
右岸の取水口。
 
取水口の除塵装置。
 
ダム湖と上流面
総貯水容量は902万6000立米となかなかのスケール。
 
上流面をズームアップ
夕日を浴びてゲートが金色に輝きます。
寒冷地で結構な積雪があるはずですが、ゲート巻き上げ機は裸のままです。
 
上流から遠望。
 
(追記)
岩松ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0038 岩松ダム(1676)
北海道上川郡新得町屈足 
十勝川水系十勝川
37.2メートル
190.5メートル
9026千㎥/4131千㎥
北海道電力(株)
1941年
◎治水協定が締結されたダム 

幌加ダム

2021-08-11 00:43:48 | 北海道
2021年7月18日 幌加ダム
 
幌加ダムは北海道河東郡上士幌町幌加の十勝川水系幌加川にある電源開発(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し、1965年(昭和40年)に音更川に建設されたの幌加ダムです。
ここで取水された水は幌加発電所に導水され最大1万キロワットのダム水路式発電に供されます。
 
国道273号線から幌加川沿いの林道を西へ約2.5キロ進むと幌加ダムに到着します。
天端入り口に厳重な門扉がありこの先は立ち入り禁止。
 
幌加ダムの標識。
 
水利使用標識。
 
ロックフィル下流面。
 
天端
堤体は緩やかなアーチ状。
 
右岸の横越流式洪水吐
ダム湖は総貯水容量49万3000立米。
洪水吐の奥からは河川維持放流の水が流れています。
 
ゲート付近にはフェンスがあるため、樹林をかき分けて湖畔へ。
堤体上流面。
 
上流から。
 
取水設備。
 
(追記)
幌加ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0067 幌加ダム(1675)
北海道河東郡上士別町幌加
十勝川水系幌加川
32メートル
135.5メートル
493千㎥/239千㎥
電源開発(株)
1965年
◎治水協定が締結されたダム