ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

武徳ダム

2021-08-01 21:47:54 | 北海道
2021年7月18日 武徳ダム
 
武徳ダムは北海道士別市武徳町の天塩川水系タヨロマ川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では1929年(昭和4年)竣工となっていますが、現地記念碑では当初の堤高は12.1メートルと刻されており、河川法上のダムの要件は満たしていません。
戦後1961年(昭和36年)に竣工した嵩上げ事業により初めて堤高が15メートルを超えたことから、武徳ダムの竣工年度は1961年が妥当と思われます。
その後の道営ため池等整備事業により現在の姿となり、管理はてしおがわ土地改良区が受託し237.6ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
堤高21.5メートル、堤頂長358メートルと北海道らしい横長の堤体。
 
右岸ダム下の底樋。
 
左岸ダムサイトにある道営ため池等整備事業説明板
水利使用標識も兼ねています。
 
天端
堤頂長は358メートル。
 
上流面はコンクリートブロックで護岸。
 
右岸の取水設備を遠望
多孔式斜樋です。
 
貯水池は総貯水容量275万2000立米。
 
天端からの眺め
緑色はジャガイモ、黄金色は本州ではほとんどお目に掛かれない小麦畑。
 
右岸にある古い斜樋の遺構。
 
同じく右岸の横越流式洪水吐
 
洪水吐導流部。
 
(追記)
武徳ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0024 武徳ダム(1667)
北海道士別市武徳町
天塩川水系タヨロマ川
21.5メートル
358メートル
2752千㎥/2569千㎥
てしおがわ土地改良区
1961年
◎治水協定が締結されたダム

江丹別ダム

2021-08-01 11:10:44 | 北海道
2021年7月17日 江丹別ダム
 
江丹別ダムは北海道旭川市江丹別町富原の石狩川水系江丹別川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1974年(昭和49年)に農林省(現農水省)の補助を受けた道営かんがい排水事業江丹別地区によって建設され、運用開始後は江丹別土地改良区が管理を受託し241.35ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

江丹別中心部の道道72号線から江丹別川沿いの市道を北上すると江丹別ダムに到着します。
ダム下に立派な竣工記念碑が建ち、奥に堤体が望めます。
 
底樋と呼ぶには立派すぎる取水設備からの放流口。
灌漑期ということで水が囂々と流下してゆきます。
 
 
放流路越しに
堤高17.4メートル、堤頂長220メートルの横長の堤体。
白い管理橋の先は立ち入り禁止です。
 
この下流で右岸の洪水吐導流部と合流し江丹別川となります。
 
堤体は犬走を挟んで2段構成。
手前の電柱はかなり傾いていますが大丈夫?。
 
天端は立入禁止。
総貯水容量98万1000立米の貯水池に取水塔があるようですが、残念ながら目にすることはできません。
 
この建屋はたぶん放流ゲートの操作室ではないかと?
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
水利使用標識
 
山中に佇むため池ですが、夕暮れ時の訪問となり何やら野生の気配も??
立ち入り制限も多くそそくさと退散しました。
 
(追記)
江丹別ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3363 江丹別ダム(1666)
ため池コード
北海道旭川市江丹別町富原
石狩川水系江丹別川
17.4メートル
220メートル
981千㎥/886千㎥
江丹別土地改良区
1974年
◎治水協定が締結されたダム

愛別ダム

2021-08-01 03:52:45 | 北海道
2021年7月17日 愛別ダム
 
愛別ダムは北海道上川郡愛別町協和の石狩川水系狩布川にある北海道建設部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、狩布川の洪水調節(最大毎秒430立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、周辺5町への上水供給、北海道中央部への工水の供給を目的として1986年(昭和61年)に竣工しました。
また河川維持放流を利用して管理用発電(最大290キロワット)を行っています。
 
愛別町中心部から道道101号を下川方面に向かうと、協和地区のはずれに愛別ダム建設記念碑が建っています。
 
記念碑の先で左手の枝道に入るとダム下に到着します。
道営ダムとしては珍しく減勢工の真下に立ち入れます。
洪水吐はクレスト自由越流頂と自然調節式オリフィスを装備。
 
ダム下は小さな公園になっています。
堤高39メートル、堤頂長370メートルと北海道らしい横長の堤体。
19門の自由越流頂が並びます。
 
道道101号線沿いのダムサイトから。
 
天端は徒歩のみ開放。
 
上流面
コンクリートの色が変わっているところが常時満水位で、訪問時は降雨不足により水位は低め。
 
左岸の艇庫とインクライン。
 
貯水池は『狩布(かりっふ)湖』と命名され、総貯水容量は950万立米。
 
天端から見た減勢工
1枚目の写真はエンドシルの下流から撮りました。
 
白い建屋は管理用発電所を兼ねた放流設備。
電気系の整備工事中で作業用のプレハブが建っています。
 
右岸から下流面
個人的に堤趾導流壁のこういうアングル好きです。
 
(追記)
愛別ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0131 愛別ダム(1665)
北海道上川郡愛別町協和
石狩川水系狩布川
FNW
39メートル
370メートル
9500千㎥/8000千㎥
北海道建設部
1986年
◎治水協定が締結されたダム