ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

風連ダム

2021-08-02 19:29:25 | 北海道
2021年7月18日 風連ダム
 
風連ダムは北海道名寄市風連町東生の天塩川水系風連別川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
天塩川水系風連別川流域では稲作技術の向上により戦前より農地開発が進められていましたが、灌漑期の降水量が少ない上に灌漑設備も未熟で用水不足が恒常化していました。
1969年(昭和44年)に国営かんがい排水事業風連地区が着手され、その灌漑用水源として1986年(昭和61年)に御料ダムとともに完成したのが風連ダムです。
事業全体も同年竣工し1000ヘクタールを超える農地への灌漑施設が整備されました。
現在は天塩川土地改良区が管理を受託し、風連地区ではもち米を主体に水田の畑利用による大豆、小麦生産が広く行われています。
 
ダム下へ通じる道路はダム手前にゲートがありますが、堤体の階段でダム下へ降りられます。
堤高33.6メートル、堤頂長294メートルの横長ダム
北海道らしくロックフィルの下流面には凍上対策として芝が張られています。
 
ダム下の放流ゲート。
 
右岸から
見た目はアース
ダム下ともども青々としたが芝が美しい。
 
てしおがわ土地改良区のダムは制限が多いのですが、ここは珍しく天端の車両通行も可能。
 
水利使用標識。
 
ダム湖の総貯水容量は298万1000立米。
 
フローティング方式の取水塔。
 
上流面はコンクリ―で護岸。
 
洪水吐導流部
完成から30年以上経過し各設備で老朽化が目立つため、各所で機能保全事業が進められています。
風連ダムでは導流部側壁の改修工事中でした。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐脇の竣工記念碑。
 
 (追記)
風連ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0097 風連ダム(1670)
北海道名寄市風連町東生
天塩川水系風連別川
33.6メートル
294メートル
2918千㎥/2387千㎥
てしおがわ土地改良区
1986年
◎治水協定が締結されたダム

御料ダム

2021-08-02 10:16:27 | 北海道
2021年7月18日 御料ダム
 
御料ダムは北海道名寄市風連町日進の天塩川水系風連別川左支流長根川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
風連別川流域では稲作技術の向上により戦前より農地開発が進められ、その灌漑用水源として1931年(昭和6年)に道営事業で貯水容量42万立米の日進貯水池が建設されました。
戦後の農地開発の進展により1969年(昭和44年)に新たに国営かんがい排水事業風連地区が着手されます。
そして日進貯水池を取り込む形で新ダムの建設が進められ1986年(昭和61年)に御料ダムが完成、同時に建設された風連ダムと併せて1000ヘクタールを超える農地への灌漑施設が整備されました。
現在は天塩川土地改良区が管理を受託し、風連地区ではもち米を主体に水田の畑利用による大豆、小麦生産が広く行われています。
 
ダム下から
堤高は23.9メートルながら堤頂長は農業用ダムとしては屈指の606メートルに及び、カメラのフレームに全景が収まりません。
また北海道のロックフィルダムらしく凍上対策としてリップラップに芝が張られています。
 
右岸ダム下の洪水吐導流部
左手は利水放流ゲート。
 
右岸ダムサイトに建つ竣工記念碑。
ダム湖畔はキャンプ場として整備されましたが、現在は活用されていません。
 
国営風連かんがい排水事業の説明板。
 
こちらは同事業の竣工記念碑。
 
ダム下流面
高さはありませんが600メートルを超え釣堤頂長は圧巻。
 
上流面と洪水吐。
 
日進湖と取水塔
取水塔はフローティング式です。
 
ダムサイトには高さ15メートルの展望台
ドリームタワーと命名されていますが、現在は立ち入り禁止。
ダム建設に合わせて作られたんでしょうが、当時はバブルの入り口。
余計なものを作る余裕があったんですねえ。
 
右岸の横越流式洪水吐
 
ダム湖は旧貯水池の名前を継承し日進湖と命名されています。
総貯水容量は578万立米。
 
天端は徒歩のみ開放されており片道600メートルを歩いて左岸へやってきました。
対岸が遠い!

0146 御料ダム(1669)
北海道名寄市風連町日進
天塩川水系長根川
23.9メートル
606メートル
5780千㎥/5575千㎥
てしおがわ土地改良区
1931年旧御料ダム竣工
1986年竣工

忠烈布ダム

2021-08-02 05:04:07 | 北海道
2021年7月18日 忠烈布ダム
 
忠烈布ダムは北海道名寄市風連町池の上の天塩川水系忠烈布川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1930年(昭和5年)に道営事業で建設され、戦後のため池等整備事業で改修が行われ現在に至っています。
管理はてしおがわ土地改良区が受託し、279.63ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また湖畔のふうれん望湖台キャンプ場は、公営の廉価なキャンプ場としてキャンパーの人気を集めています。
 
名寄市東風連から道道758号線を東進すると忠烈布ダムに到着します。
ダム右岸の道道脇に建つ記念碑。
 
水利使用標識。
 
ちょうど草刈りが終わったばかりですっきりした堤体。
堤高は18.5メートル。
 
右岸の横越流式洪水吐
越流頂が長く緩やかに湾曲しています。
 
堤頂長310メートルの天端は徒歩のみ開放。
 
総貯水容量240万5000立米の貯水池。
かつてはダム湖周辺が自然公園として遊歩道などが整備されていましたが、今は湖畔のキャンプ場以外は荒れてしまいました。
 
左岸の斜樋。
 
ちょっとわかりづらいですが、上流面はコンクリートブロックで護岸。
 
底樋。
灌漑期ということで結構な水量。
 
底樋の先の分水ゲート
 
こちらはダム下中央のドレーンからの排水路。
 
(追記)
忠烈布ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3351 忠烈布ダム(1668)
北海道名寄市風連町池の上
天塩川水系忠烈布川
18.5メートル
310メートル
2405千㎥/2186千㎥
てしおがわ土地改良区
1930年
◎治水協定が締結されたダム