ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

活込ダム

2021-08-12 13:33:51 | 北海道
2021年7月19日 活込ダム
 
活込ダムは北海道中川郡本別町美里別の十勝川水系美里別川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し1955年(昭和30年)に同社として北海道初のダムとして完成したのが活込ダムです。
ここで取水された水は約5.2キロの導水路で足寄発電所に送られ最大4万キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
活込ダムは天端のみ開放されています。
右岸から。
 
ダム上流面の河川維持放流用取水ゲート
河川法改正により維持放流が義務化されたのに対応して後付けされました。
 
河川維持用の放流設備
いかにも後付けというのが見て取れます。
 
ラジアルゲートを2門装備。
こちらは右岸側の導流部と維持維持放流用設備。
 
左岸の導流部
ゲートが開放されています。
 
足寄湖と命名されたダム湖
総貯水容量1741万立米。
 
天端は車両通行可能で、昭和20年代設計のダムらしくゲート部分がクランクしています。
 
 
ダム湖左岸にある取水設備。
ここから足寄発電所に導水されます。
 
水利使用標識。
 
(追記)
活込ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0046 活込ダム(1678)
北海道中川郡本別町美里別
十勝川水系美里別川
34メートル
185メートル
17410千㎥/8530千㎥
電源開発(株)
1955年
◎治水協定が締結されたダム

屈足ダム

2021-08-12 01:20:35 | 北海道
2021年7月18日 屈足ダム
 
屈足ダムは北海道上川郡新得町屈足の一級河川十勝川本流上流部にある国交省北海道開発局農水部と電源開発(株)が共同管理する灌漑・発電目的のロックフィルダムです。
1984年(昭和59年)に着工された北海道開発局農水部による国営十勝川左岸かんがい排水事業に発電事業者として電源開発(株)が事業参加し、1988年(平成元年)に竣工しました。
ここで取水された水は約6.3キロの導水路で熊牛発電所に送られ最大1万5400キロワットのダム水路式発電を行うほか、2015年(平成27年)には河川維持放流を利用して最大470キロワットの小水力発電を行うくったり発電所が完成しました。
灌漑については、清水町・芽室町・音更町・帯広市にまたがる十勝川左岸のやく6000ヘクタール超の農地に灌漑用水を供給しています。
また1994年(平成6年)にダムとしては初めてグッドデザイン賞を受賞しました。
 
せっかくのグッドデザイン受賞ダムですが、残念ながら天端を始めダムの敷地は立ち入り禁止。
 
ロックフィルダムですが、凍上対策として芝が張られています。
 
天端も立ち入り禁止。
 
 
上流面はロック材で護岸。
 
ゲートをズームアップ。
『宇宙戦争』に出てくる火星人のようなゲートピアですがグッドデザイン賞を受賞するほどのものとは思えません。
25年前には斬新だったのか?
 
ダムの説明板。
 
小水力発電所であるくったり発電所の説明板。
 
(追記)
屈足ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

2912 屈足ダム(1677)
北海道上川郡新得町屈足
十勝川水系十勝川
AP
27.5メートル
220.1メートル
3130千㎥/844千㎥
電源開発(株)・国交省北海道開発局農水部
1988年
◎治水協定が締結されたダム