2019年7月11日 野々川ダム
野々川ダムは長崎県東彼杵郡波佐見町の川棚川水系野々川川にある長崎県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、川棚川上中流域の洪水調節と、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的として1972年(昭和47年)に竣工しました。
一方、野々川ダム完成後も川棚川中下流域では洪水被害が続き、さらに慢性的な水不足に悩まされていた佐世保市水道事業の水源確保を目的として左支流石木川へのダム建設事業が採択されました。
しかし同事業は近年では珍しく激しい反対運動が続いておりいまだ本格的な建設着手には至っていません。
野々川ダムは県道104号線沿いにあります。
ダム下への門扉は閉じられ車での進入はできませんが、ダムサイトからの歩道伝いに歩いてダム下に行けます。
堤高24メートルの小ぶりなダムで、非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲートが2門、常用洪水吐として自然調節式のオリフィスゲートが1門あります。
手前の建屋は利水放流設備。
堤体の大きさこそ違いますが、同時期に建設された佐世保の猫山ダムとゲートの配置が酷似しています。
ラジアルゲートをズームアップ。
堤体に直接触れられます。
程よく生した苔が年代感を醸し出しています。
右岸ダムサイトの銘板。
竣工記念碑が見当たらなかったのでこれがそのかわりになるんでしょうか?
諸元が記された銅板プレート。
長崎県営ダムではおなじみ。
導流部と減勢工。
長崎と言うことでゲートは佐世保重工製。
貯水池は総貯水容量105万立米
折からの雨でずいぶん水位が上がっています。
天端は車両通行可能ですが、左岸はダートのため一般車の通行はほとんどなさそう。
ゲート部分だけ上流側に張り出しクランクになっており、このあたりはいかにも昭和40年代のダムと言った風。
同じ川棚川水系の石木ダム建設事業はいまだに激しい反対運動が繰り広げられておりニュースソースとしてたびたび登場しています。
そのため同じ水系の野々川ダムも折に触れて注目されることが多くなっています。
(追記)
野々川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
2642 野々川ダム(1465)
長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷
川棚川水系野々川川
FN
G
24メートル
86メートル
1050千㎥/980千㎥
長崎県土木部
1972年
◎治水協定が締結されたダム
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