ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

成相ダム

2017-11-30 01:29:57 | 兵庫県
2017年11月24日 成相ダム 
 
成相ダムは兵庫県南あわじ市八木馬回の三原川水系成相川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川右支流の成相川では本流と支流の北富士川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1999年(平成11年)に成相ダムと北富士ダムが竣工しました。
成相ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、北富士ダムと連絡水路で結ばれ一体運用され、成相川及び北富士川の洪水調節を行うほか、成相川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
 
南あわじ市の国道28号線鳥井交差点を南に折れ、市道を南西に進むと正面に北富士ダムと成相ダムが見えてきます。
二股を右手にとると成相ダムに到着します。
まずはダム下から
北富士ダム同様ダム下は親水公園になっています。
 
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが2門、常用洪水吐としての自然調節式のオリフィスゲート1門、訪問時はオリフィスから越流していました。
天端高欄や洪水吐上部のアーチ、導流壁のカーブなどR(円)が多用されたデザインは非常に柔和な印象を与えてくれます。
 
右岸ダムサイトに管理棟と竣工記念碑があります。
 
堤頂部はいわゆる『襟』がなく堤頂からバケットカーブが続きます。
 
天端高覧は山をイメージしたデザイン。
 
天端はシンプルな北富士ダムと異なり石製のベンチや展望スペースが設けられています。
 
天端からは播磨灘が見えます。
 
導流面と減勢工
右手は利水放流設備です。
導流壁は断面が三角になった独特のデザイン、これは北富士ダムと共通です。
 
ダム湖は総貯水容量405万立米
上流500メートルあたりに成相池堰堤があります。
 
上流面
ゲート右手に取水設備、左手はエレベーター棟
管理事務所裏手にインクラインと艇庫があります。
 
1525 成相ダム(1182
兵庫県南あわじ市八木馬回
三原川水系成相川
FNW
61メートル
223.5メートル
4050千㎥/3950千㎥
兵庫県土木部 
1999年


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