ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

旧成相池堰堤

2017-11-30 13:10:26 | 兵庫県
2017年11月24日 旧成相池堰堤
 
旧成相池堰堤は兵庫県南あわじ市八木馬回の三原川水系成相川の成相ダムの上流500メートルのダム湖に保存されている重力式粗石モルタル工の石積堰堤です。
灌漑を目的として1937年(昭和13年)に着工され、戦時中の中断をはさんで1950年(昭和25年)に竣工しました。
戦後に竣工した石積堰堤は珍しく、確認はできませんが最後に建設された石積ダムと言えるかもしれません。
しかし1999年(平成11年)に下流500メートルに成相ダムが竣工したことで上部5メートルを残してダム湖常時満水位以下に水没し、現在は安定上問題ない形状で保存されています。
2021年(令和3年)に土木学会選奨土木遺産に選ばれました。
 
成相ダムから湖岸を上流に進むと旧成相池堰堤が見えてきます。
 
左岸下流から。
 
右岸下流から
切石が奇麗に布積みされています。
 
写真は神戸市の山田池です。
ゲートの数は異なりますが、ゲート、半円形の取水設備、天端高覧の造りなどは山田池に非常によく似ています。
 
 
 
右岸上流から。
 
上流から新旧競演。
 
 神戸の石積堰堤に比べれば小ぶりな堰堤ですが、緩やかに円弧を描く堤体は柔和で上品な印象を受けました。
 
S511 旧成相池堰堤(参考掲載)(1183)
兵庫県南あわじ市八木馬回
三原川水系成相川
G(粗石モルタル)
33メートル
113.3メートル
1950年竣工
1999年廃止


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