ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大谷池

2018-01-19 03:07:29 | 香川県
2017年12月23日 大谷池
 
大谷池は香川県観音寺市大野原町丸井の柞田川水系右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
池の起源は足利中期の1470年(文明2年)まで遡ります。その後度重なる改修を経て戦後を迎えますが1946年(昭和21年)に副堤が決壊し6名の死亡者と800名を超える被災者を出す大惨事となりました。
しかし地域住民と受益者の熱意と労力により1949年(昭和24年)に復旧され、1971年(昭和46年)、1990年(平成2年)と2度の県営事業による改修で現在の姿となりました。
また1975年(昭和50年)からは香川用水からの補給が開始され、大谷池の水事情は大きく改善しました。
池の管理は観音寺市大谷池土地改良区が行い160ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
観音寺市中心部から県道8号を南下、観音寺市大野原町萩原で交差する県道241号線を東に折れると南に大谷池の堤体が見えてきます。
主堤は大きく湾曲しており、ここから見えるのは230メートルの堤体のほんの一部です。
 
萩の丘公園の案内標識に従って坂を登ると総合福祉会館に出ます。
池周辺は萩の丘公園として整備され市民の憩いの場となっています。 
会館東側に副堤があり、1941年(昭和21年)にここが決壊して大惨事を起こしました。
副堤は堤高15メートル未満のためダム便覧には未掲載です。
 
右岸から見た主堤
延長230メートルでV字状に屈曲しています。
 
右岸右端にある洪水吐
ラビリンス型です。
 
 
洪水吐導流部。
 
主堤天端と貯水容量928万立米の貯水池。
古くから『大谷池に不作なし』と謳われ受益農家の貴重な水源となってきました。
 
天端からの眺め
海が見えるか?見えないか微妙。
 
右岸の斜樋
右奥は副堤。
 
1990年(平成2年)の改修記念碑。
 
 
底樋は確認しませんでした。
 
2139 大谷池(1233)
ため池コード
香川県観音寺市大野原町丸井
柞田川水系右支流
16.9メートル
230メートル
1000千㎥/1000千㎥
観音寺市大谷池土地改良区
1949年


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