ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

二級ダム

2017-04-14 00:31:06 | 広島県
2017年4月8日 二級ダム
 
二級ダムは広島県呉市の黒瀬川にある広島県および中国電力が共同管理を行う工水・発電目的の重力式コンクリートダムです。
呉市および呉海軍工廠への上水道及び電力供給を目的に1940年(昭和15年)に広島県・日本発送電・帝国海軍共同の河水統制事業として建設着手され1942年(昭和17年)に竣工しました。
河水統制事業によって建設されたダムとしては山口県の向道ダムに次ぎ2例目のダムとなっており、河川総合開発事業の初期例となっています。
戦後二級ダムの水道事業は呉市水道局に移管され、当初は上水道用水及び工業用水の供給を行っていましたが1997年(平成9年)に黒瀬川の水質悪化を理由に上水道事業は休止(実質的に廃止)しています。
発電事業は日本発送電の分割民営化により中国電力が継承し、広発電所で最大4800キロワットの発電を行っています。
二級ダムは河川法17条の『兼用工作物』による多目的ダムで、規定により現在は中国電力が管理業務を代行しています。
 
ダムの下流は花崗岩の巨岩が点在する二級峡という渓谷になっており、ダムからハイキングコースが続いているほかダムの堤体も中国自然歩道のコースになっています。
 
国道375号を南下し、二級峡トンネル手前で右の旧道に入ると二級ダム左岸に到着します。
車止めのゲートのすぐ先に管理事務所があります。
 
クレストには4門のローラーゲートが並びます
ゲートピアには管理橋はなくワイヤーが張られているのが特徴です。
 
天端は中国自然歩道のハイキングコースになっています。
 
ローラーゲートを上から。
 
ダムの下流は花崗岩がむき出した二級渓谷が続きます。
 
発電所の取水口。
 
右岸から。
 
左岸の管理所脇を下るとダムの直下に下りることができます
導流面左岸側がいかにも戦前戦中のダムらしい作りになっています
またコンクリートの打継面も時代感ありあり・・・。
 
濃霧のためくすんだ写真になっているのが残念、できれば青空のもとで見たかったなあ・・・。
 
1941 二級ダム(0918)
広島県呉市郷原町
二級川水系二級川
IP
32メートル
89メートル
広島県・中国電力
1942年
◎治水協定が締結されたダム


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