ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

東原調整池

2021-10-23 17:06:17 | 宮崎県
2021年10月16日 東原調整池
 
東原(ひがしばる)調整池は宮崎県西都市穂北、右岸が同市茶臼原にある灌漑目的のアースフィルダムです。
農水省による国営一ツ瀬川かんがい排水事業の農業調整池として1980年(昭和55年)に竣工、運用開始後は一ツ瀬川土地改良区が管理を受託しています。
自己集水域を持たない河道外貯留方式の農業調整池で、一ツ瀬川の杉安ダム湖にある杉安取水口及び支流の瀬江川頭首工で取水された水をいったん当調整池に貯留したのち、約3500ヘクタールの水田・畑地に灌漑用水を供給します。 
ダム建設地点は透水性の高い火山灰土壌となっており、建設に際しては透水対策として貯水池全面を難透水性材料で被覆するブランケット工法が採用されました。
 
ダム下流から
ここから見る限りは普通のアースフィルダム。

下流面は上段と下段で草刈り時期を変えているのか?緑と茶色のツートンカラー。

天端からの眺め。

右岸ダムサイトから
堤体は貯水池の南側から東側にJの字に盛り立てられ堤頂長は303メートルに及びます。


右岸ダムサイトに建つ竣工記念碑。
輪切りのダクタイル鋳鉄管が使われています。

天端
調整池の周りは舗装された周回路になっていますが天端から東部分は車両進入禁止。
周回道路は公式の自転車ロードレース会場として使われます。


貯水池は総貯水容量99万8000立米ですべて一ツ瀬川および瀬江川からの導水で賄っています。
透水性が高い地盤のため貯水池全面が難透水性材料で被覆されています。

用水管理センターを兼ねた土地改良区事務所。


土地改良区事務所入り口わきのモニュメント。
幹線水路で使用された実物のダクタイル鋳鉄管が並びます。

 
右岸にある一ツ瀬川からの杉安導水路流入口。
山の西側の中原ポンプ場から揚水して貯留されます。

 
こちらは調整池北側の瀬江川導水路流入口。

 
調整池の西850メートルにある中原ポンプ場
東原調整池と標高差が約120メートルあり、ここからポンプアップして調整池に貯留します。

河道外貯留ダムのためか?洪水吐は見当たりませんでした。

2836 東原調整池(1709)
左岸 宮崎県西都市穂北
右岸     同市茶臼原
一ツ瀬川水系一ツ瀬川
21メートル
303メートル
998千㎥/910千㎥
一ツ瀬川土地改良区
1980年


コメントを投稿