ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大日ダム

2017-12-01 15:00:04 | 兵庫県
2017年11月24日 大日ダム
 
大日ダムは左岸が兵庫県南あわじ市北阿万新田北、右岸が南あわじ市賀集生子の三原川水系牛内川左支流大日川にある兵庫県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
大日ダムは牛内ダムと連携して大日川の洪水調節を行うほか、安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
大日ダムはダム下が公園として整備されているほか、フーチングの階段が開放されており開かれたダムとなっています。
堤高36メートルに対して堤頂長は247メートルと横長のダムで、クレストの自由越流式洪水吐と減勢工が左岸側に寄った変則的な構造です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが4門、常用洪水吐と自然調節式のオリフィスゲートがあります。
訪問時はオリフィスゲートから放流していました。
 
洪水吐上部が展望スペースとして全面にせり出した独特のデザイン。
 
フーチングの階段が開放されています
堤高が36メートルなので苦もなく登れます。
 
左岸から下流面
洪水吐上のせり出しが格好いい!
 
右岸から
減勢工は左岸側が片翼になった左右非対称。
 
上流面
クレストゲートの右手にオリフィスの取水口が、左手に取水設備があります。
 
減勢工は左右非対称。
 
ダム下は公園ですが、あまり使われている様子はありません。
 
総貯水容量110万立米のダム湖はさくら湖と命名されています。
この上流約1キロ地点に1966年(昭和41年)竣工の灌漑用の大日川ダムがあります。
 
天端は車両通行可能。
 
大日川のさらに上流、美女池の先に牛内ダムへの分水堰があることを帰宅後知りました。
予習は十分にしているつもりですが、まだまだ後の祭が多いのが反省材料です。
 
1523 大日ダム(1187
左岸 兵庫県南あわじ市北阿万新田北
右岸 兵庫県南あわじ市賀集生子
三原川水系大日川
FN
36メートル
247メートル
1100千㎥/1050千㎥
兵庫県土木部
1997年


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