ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

牛内ダム

2017-12-01 13:20:35 | 兵庫県
2017年11月24日 牛内ダム 
 
牛内ダムは兵庫県南あわじ市賀集牛内の三原川水系牛内川上流部にある兵庫県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
三原川水系では1974年(昭和49年)に三原川本流上流部の諭鶴羽川に諭鶴羽ダムが建設されましたが、1979年(昭和54年)の台風16号で三原川本支流各河川で甚大な洪水被害が発生し一段の治水対策が求められることになります。
兵庫県は、翌1980年(昭和55年)に三原川総合開発事業を採択し支流各河川に新たに2事業4基の多目的ダム建設を決定します。
三原川左支流の牛内川では本流と支流の大日川に2ダム1事業でダム建設が進められ、1997年(平成9年)に牛内ダムと大日ダムが竣工しました。
牛内ダムは大日ダムと連携して大日川および牛内川の洪水調節を行うほか、牛内川の安定した河川流量を維持するとともに慣行水利権としての流域農地への灌漑用水の補給、淡路広域水道事業団への上水道用水の供給を目的としています。
またダム建設と同時に大日川上流に分水堰を設け牛内ダムに通じる分水トンネルが開設されました。
大日川の流域面積は6.3平方キロですが、大日ダム上流に灌漑目的の大日川ダムがあるため、大日ダムでは80万立米の洪水調節容量しか確保できません。
一方牛内川の流域面積は2.1平方キロですが、牛内ダムでは100万立米の洪水調節容量が確保できます。
そこで基準流入量を越えた際には大日川の水を牛内ダムに送ることで効率的な洪水調節が可能となっています。 
 
南あわじ市の国道28号線国衙交差点から牛内川沿いに南下すると牛内ダムに到着します。
まずはダム下から
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが3門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備しています。
右手は利水放流設備。
 
左岸から
左岸に木製デッキの展望台があります。
 
左岸ダムサイトのモニュメント
淡路島の象徴であるスイセンをモチーフにしているのかな?
 
天端高覧にもスイセンの装飾。
 
減勢工は右岸側が片翼になった左右非対称
左手は放流設備です。
 
左岸の管理事務所
インクラインはなく浮桟橋が設置されています。
 
つつじ湖と命名されたダム湖は総貯水容量220万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸から下流面
牛内ダムはフーチングの階段が開放されています。
 
上流面
ゲート右手が取水設備。
 
1524 牛内ダム(1186)
兵庫県南あわじ市賀集牛内
三原川水系牛内川
FNW
59メートル
216メートル
2200千㎥/2100千㎥
兵庫県土木部
1997年


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