今年度、2012年度、名大理系数学入試問題についてのコメント。
1.昨年以上に、各問題の小問化が進展した。 (1)~(4)まである。
2.小問のレベルが、後に行くほど、次第に高くなっている。
3.選抜性を意識した出題で、実力差がはっきり現れる設問となった。
4.数学Ⅲ重視の傾向がよりはっきりした。
5.図形問題が影を潜めた。(ベクトルを含めて)
6.整数問題、二項定理、帰納法を重視するところに、「名大のミニ東大化」を感ずる。
試験時間を120分から150分に伸ばした影響につじて。
格段に問題のレベルが上がった。
以前、名大医学部に合格した受験生(T海生)に優しい頃の問題2008年度(?)を解かせたところ、約60分で満点だった。
同問題を筆者が解いたところ35分で満点だった。
今年の問題を解いたところ、完解するのに、65分かかった。つまり、30分の延長が、そのまま解答時間の延長ということになった。
現役生の諸君でかなり腕に自信のある生徒でも、90分から120分は確実に時間を要したであろう問題であった。
そういった意味では、「選抜性の高い」良質な問題であった。