前回の東京オリンピック、陸上男子100m優勝者は米国のボブ・ヘイズ。記録は10秒00だった。

半世紀前のオリンピック優勝録をようやく抜き去った。当時の日本代表は飯島選手。手動で10秒3の日本タイ記録保持者だった。惜しくも決勝には残れなかった。10秒3は戦前の吉岡選手が記録した日本記録だ。オリンピック後、暫く飯島選手の動静は分からなかったが、次に彼の名を目にしたのは、プロ野球ロッテオリオンズの選手としてだった。足の速さを期待され代走で盗塁を期待されての入団だった。監督は金田正一さんだったと記憶する。しかし、バッテリーに徹底的にマークされ、これといった記録を残す事なく球界を去った。アスリートには厳しい時代がまだまだ続いていた。