学生実験で栽培試験を行っている畑です。標準量を施肥した区画と無施肥の区画でトウモロコシとダイズを育てています。播種直後に除草剤(土壌処理型)を撒いてもらったので、しばらく雑草は生えてきませんでしたが・・・・・・・
1ヶ月以上過ぎた現在は、さすがに場所によってこの有様。とくに施肥した区画の生育が旺盛です。放っておくと化学肥料を横取りされて何をやっているのか分からなくなってしまうため、応急処置的に目立つところを先週金曜日に抜きました。(とくに厄介なのがオヒシバとメヒシバ。どんどん横に拡がるばかりか節から根を出して定着するので、早めに手を打たないと後で泣きを見ることになります。)今週も(今日は大雨で出られませんが)毎日2時間ほど働いて片付けるつもりです。
ちなみに上は私が除草に使う農具。左手で草を掴み、右手に持った鋸鎌(画像下)を土中に突っ込んで根を切ってから引っこ抜きます。子供の頃からこれでやってきましたし、町内の清掃活動(神社や墓地など)でも近所のおばちゃん達が器用に鎌を扱っているのを見てきました。(なお画像上の立鎌ホーは土が乾きに乾いて鎌が入らなくなった時に有効。地面を引っ掻いて地上部のみを除去します。)以下は「ところがところが」の話。
この番組は滅多に観ないのですが、テレビ欄に「雑草を根ごと抜くマシンがバカ売れ!」とあったので予約録画しました。この商品ですね。しかしながら、実際に使っている映像(こちらに少しだけ)に脱力。何とまどろっこしい! 確かに根ごと雑草を抜いてはいましたが、そのスピートたるやカタツムリ並み、は言い過ぎとしてもカメの歩み程度。先述の鋸鎌作戦ならその間に数倍の面積を除草できてしまいます。
効率の悪さ以外にも問題が。土がビッシリ付いていたら落とすのが面倒だし、作物の根が雑草のそれと絡まっていたら巻き添えにされるリスクもあります。そもそも根全体までも抜いてしまうというやり方が私に言わせれば「邪道」ですわ。除草で肝心なのは成長点より下でカットする(上だと再生してくる)ことであり、根はできる限り残して土に返す(地力の維持に努める)べきですから。その観点からも電気を食うという理由からも私には環境に優しくない代物としか思えません。それがバカ売れしているというのは・・・・・
後にこのページを見つけましたが、あれを「早くて楽ちん」と思える人には魅力的と映るんでしょうね。以下さらにダメ押ししますが、そのリンク先にある画像で手取り除草に使われているのは鋸鎌ではなく草刈り鎌。それで地上部をササッと切って終わったつもりでいるから、しばらくして生えてくるのはあまりに当然であり、比較対象としてフェアじゃありません。(ついでながら草を掴む左手の持ち方が逆です。基本がなっていません。いつか手を切るぞ! もちろん正しくはこちらやこちらに。さらに念押しでこれも。)
追記
本文に書いた「成長点の下で切る」が除草の基本ですが、水田の畦の除草ではカメムシ対策として「現代農業」誌やこちらなどで紹介されている「高刈り」という高等戦術もあります。
亀追記(9月15日付)
昨夜のNHKローカルニュースで稲刈りの様子が紹介されましたが、大人も子供も例外なく稲株を両手で掴んでいました。しっかり指導されていたようで良かった良かった。