近藤史恵の小説にはレストランで働く人やレストランを舞台にした小説が多いが、これもジビエを題材にした、ちょっとミステリー風の料理人の話だ。
山で遭難しそうになっている主人公を助けた猟師がなかなか謎の人物で、この両氏にかかわったことで、転機を迎える料理人の話といえる。
近藤史恵の料理に関する小説で、一番問題なのが、出てくる料理が想像がつかないということだが、今回は食材が特殊なので、なんとなく雰囲気だけは伝わるので、いつになくおもしろかった。
昔、仕事でかかわった人が、鉄砲が趣味で猪の肉やシカの燻製をいただくことがあって、味になじみがあったことも面白く感じた原因かもしれない。
仕事を辞める前は限界集落へ行くことがよくあり、シカやカモシカ、猪や猿などが増えすぎて畑を荒らし、昼間から集落のそばまで出てくるのを目撃することが多かった。
ジビエにでもしなければ、個体を減らせないのだろう。
酒合戦は城中で花見をする話だが、残りの鼠異聞と青田波は懐剣をめぐる物語。どの本も安定して楽しめたが、異常な強さは最近のラノベに通じるものがある。
葉室麟の青春時代もの。
あまりできの良くない若侍が、若殿に可愛がられ、藩内の陰謀に巻き込まれていく物語なのだが、まとまりがなく、登場人物もぼやけていて魅力が少なく、結末もやっぱりね、というもので残念だった。
読んでいてつらくはないので、文章はうまいのだろう。
井上尚登の小説。料理学校の話なのだが、推理小説的な部分もあり、冒頭はややかったるいが、後半に行くにしたがって楽しく読める。
主人公の理恵ちゃんは、元警察官で極度のあがり症。緊張すると、頭が真っ白になってしまうというだけでなく、そばに来た人をついつい投げてしまうという、困った癖がある。
料理学校はSWATと呼ばれる有名校で、ここを卒業すると給料がいいということで、プロの料理人も入ってくるのだ。そんなプロの料理人だった正木君と理恵ちゃんは何かというと、いがみ合っている。
理恵ちゃんは28歳まで、どんな生活を送っていたのやら、全く男の影が見えません。続編があるのかな?
近藤史恵の料理にかかわる人たちや客を描いた小説も面白かったが、これもなかなかだった。この作者のほかの小説も読んでみよう。
ノンストップ一気読み、と紹介されていたので図書館で借りてきたが本当に一気読みしてしまった。
詳しいあらすじはウィキペディアの「ジェノサイド」を読んでもらった方が早いだろう。
どうみてもSFなのだが、ミステリー枠になっているらしい。
途中途中の専門用語がいかにもそれらしく、かつ正しいのかどうかも判断できないので、雰囲気に流されてしまう。じっくり読んでも分からないものは分からないので、深く考えずに「そんなもんなのね」と字ずらだけ追いながら読んだ。
「南京大虐殺と関東大震災時の朝鮮人虐殺について書かれているが、これは「コンゴ、ルワンダ、ナチスの虐殺を書きながら、日本がしたことを書かないのは不公平だと考えた」ため」とウイキペディアにあるが、南京大虐殺はあったらしい、というあいまいなもので、読んでいて違和感を感じた。
結末は、いささかご都合主義のような気がしないではなかった。
あまり知られていない、アフリカの現状、特に現在も行われているピグミーの虐殺が物語の副旋律になっており、その点も面白かった。
昨年、仕事を辞めてから、やや引きこもりになり、図書館で本を借りてきては読んでいた。
近藤史恵の自転車シリーズや時代物などを読んでいたのだが、ネットの「小説を読もう」に投稿されている「本好きの下克上」を読んで以来、このサイトの小説にどっぷりはまって、現在に至っている。
面白かったのは「本好きの下克上」、「クロの戦記」、「おかしな転生」、「八男って、それはない」、「薬屋のひとりごと」だったが、残念ながら完結しているのは「本好きの下克上」だけだ。
こうした、WEB小説の多くが書籍化されたり、コミカライズされており、かなり売れていることから出版業界は一時期の不況を乗り越えているらしい。
全部無料で読めるので、お勧めなのだが、はまると2週間ぐらい、読み続けても終わらないので、注意が必要だ。あと、ゲーム用語とか異世界物特有の魔物が出てくるものがあり、ゲームをやらない私には最初分かりにくい作品も多かった。
前述の5作品は、「おかしな転生」にドラゴンなどが出てくるのを除いて、そういう要素がないので、ゲームをやらない人にもお勧めだ。
高津ケイタの漫画。
あらすじはwiki。
デイトレードで収入を得ながら広々とした屋敷で気ままな一人暮らしを謳歌するネオニートの新田俊郎は、ある日突然、母親からの電話で近くの高校へ進学する親戚の女の子とその母親の美人母娘に転居先として俊郎の暮らす屋敷の離れを紹介したと伝えられる。
最初は戸惑う俊郎だったが、しっかり者で頑張り屋な世話焼き女子高生の花梨を自分にできることで応援したい気持ちもあって二人の居候を受け入れ、それ以来、それまでの日常とは全く違う賑やかな3人の共同生活の日々が始まった。
4巻までしか読んでいませんが、主人公の女の子がとてもかわいくて、大好きです。妻を選びなおすなら、こういう子がいいかもと、うきうきしてしまう漫画です。
俊郎君頑張って。
板場博の連載漫画
あらすじはピッコマより
社畜が少女と暮らしたら…!? 独身リーマン×けなげ女子中学生、ひとつ屋根の下! 休日出社に徹夜、朝帰りが当たり前の激務な職場で働く東根将彦。ある日、彼を訪ねて来たのは高校の同級生の娘だという少女、優里だった。「母親が迎えに来るまで」という約束のもと、同居を始めた二人だが…!? 年の差ゆえのギャップに戸惑いつつ、時に大人の事情を交えて季節をわたる、ふたり暮らしの日常。
いきなり娘を中学の同級生に預けるとか、普通ありえないわががママに振り回されるJKと中年おっさんの話です。
そんなに劇的な話は展開しませんが、時折、家族とは何かという思い命題がのしかかります。
じぶんなら、即日押し倒していると思います(失礼)。
おしのさなえのFFです。
あらすじは角川公式ページより。
植物の刺繍をする女性・風里が越してきた古い一軒家の庭の井戸には、切ない物語が秘められていた。彼女の新しい恋と仕事を浸食するもつれた過去を、解きほぐすことはできるのか。現在と過去の愛が織りなす感動長編!
時代が近すぎて、混乱する人間関係。運命に翻弄される主人公たち。
でも、何か違う。違和感が残る読了でした。
成人してすべてを受け入れた葉の答えを聞きたかったです
WEBで公開されているライトノベルです。
以下はWIKIより。あらすじはWIKIで読んでください。
『本好きの下剋上』(ほんずきのげこくじょう)は香月美夜による日本の小説。正式名称は『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』。初出は小説投稿サイト「小説家になろう」。2013年9月から連載投稿され、2017年3月に全5部677話で完結した。
677話は長かったです。最初は、AMAZONのキンドルunlimited無料本で単行本を何巻か読んで、飛び飛びだったので、ネットで検索したら、禅話が読めることが確認できたので、読み始めましたが、長かったです。
読むのは比較的速い方ですが、一日10時間ぐらい読んで一週間以上かかりました。
感想としては、よく破綻しないでここまで長く書けたな、というものです。時代小説なども、異世界物も、要はあり得ない話で、時代小説だと、浪人などというのは、江戸にはいないはずですし、魔剣とか忍術などほとんどが、異世界物と同じレベルなのです。
すごいのは、国と国との関係や、その後起こる事件が伏線となっていて、破綻しないことです。また、人物の個性や関係性が効果的に描かれていて、わき役がいい味を出しているのも、読者が多い理由でしょう。
読み物としても面白く、ネットで無料なのに単行本が300万部売れているのもわかる気がします。
お勧めですが、体調不良にご注意ください。ブログの更新が遅れたのはこの小説のせいですから。677話は侮れません。