演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

丸子泉ヶ谷里山芸術祭

2019年11月15日 04時19分43秒 | 観劇の感想

10月13日。前日は台風19号が上陸して、日本各地に被害をもたらし、丸子泉ヶ谷里山芸術祭も中止だったのだが、翌13日は天気に恵まれた。

展示されている作品は玉石混合だが、見事なものも結構ある。


会場は7つに分かれていて、観るのに結構時間がかかった。
第5会場で石村君に出会いしばし歓談ののち、いったん別れ、時間近くに上演場所へ入場した。

泉ヶ谷公民館で【里山おはなし会】

石村勇二
★井上ひさし作「質草」


新間好子
★藤沢周平作「桐畑に雨のふる日」

新間さんもよかったが、石村君の「質草」は本当に良かった。
一人芝居と言いながら、ほとんど落語に近い語りで、それでいて小説が素材なので、落語ともちょっと違う、ふしぎな感じだ。
落語で言うまくらの部分ではちょっと不安になったけれど、本編が始まってからは実になめらかで、途中涙が出てきたくらいだ。
話としては、黄表紙の版をする版木職人が、自分も戯作を書いてみたくなり、書いたところ出版され、書くたびに人気が上がっていったのはいいが、書く作品書く作品すべてが夢落ちで、これでいいのかと迷っていた。雪の日に姉のところへ用事があってその帰り、団子やで 団子を頼んだのはいいのだが、いざ払おうとしたら、財布がない。そこで向かいの質屋へ行って・・・。
中盤から後半にかけて、どんどん滑らかになっていった。
残念だったのは、観客の少なさ。ちょっと前に、やった公演は売り切れだったのに(だから行けませんでした)、無料の公演がガラガラとは。
お茶のサービスもあって、お得だったのに。


オクシズ演劇祭

2019年11月15日 04時02分26秒 | 観劇の感想

10月6日は浅間神社でオクシズ演劇祭と浅間通り商店街でながまさ祭りを観てきた。

昼間の上演ということもあり、照明も明るくするだけの簡単なもので、題材は静岡の地元の民話をアレンジした朗読劇で、時間にして15分程度だった。朗読は昔語り「沼のばあさん」というものだったが、音楽に頼りすぎているように感じた。

それよりも何よりも、前説が長すぎる。本番よりも前説のほうが長いのではないかと思ってしまった。もともと、SPACの芝居は中途半端で、音楽に頼る傾向が今の芸術監督になってから強くなっている気がする。「真夏の世の夢」もぶつ切りで、水戸の芸術館の同作の舞台に比べると、見た目はいいかもしれないが、舞台の面白さかとか、内容が観客に伝わる力は弱かった。
2時間半ぐらいの、きっちりした舞台を観てみたいものだ。
それと、作品と作品の上演の間が1時間ほどもあり、次の作品を観る気がうせてしまう。


ながまさ祭りはボクシングをやっていたり、屋台が出ていたりで楽しかったが、静大のよさこいのクラブが力が入っていてよかった。


失敗したのがこれ。12日からと書いてあるのに、もうやっていると思って、入場してしまった。


まつもと演劇祭

2019年10月12日 13時53分58秒 | 観劇の感想

10/5に松本まで行って、劇団イチニノの「なかなおり/やりなおし」を観劇してきた。観劇の感想は、置いておいて、まつもと演劇祭について、書いてみたい。
まつもと演劇祭のいいところは、きちんと入場料を取るところだ。フリーパスが前売りで2500円、1本だけ見る券が前売りで1500円。このフリーパスで10本のうち時間帯さえ合えば、何本か選んで観劇できるわけですから、いいシステムです。
無料の公演は、観客が無責任になるので、避けたいと思っているのですが、このところ静岡で催されるのは無料の演劇祭が多いです。無料だとお金もかけられないし、どこか無責任になる感じがします。
残念なのは1時間以内という縛りがあるらしいことかな。もう24回も続いているのだから、今後も頑張ってほしいものです。

 


6月15日は演劇部の公演へ

2019年07月12日 06時17分36秒 | 観劇の感想

静岡学園文化祭での生徒の公演。
「Beyond One.」(小栗山 作)
6月15日(土)
①11:00~(11:30)
②13:30~(14:00)
静岡学園4階の音楽室です。


というメールが来たので、行ってみたが、開場は10時45分で、開演は11時とのこと。
知り合いの中学生に間違った情報を流してしまった。


芝居は時空を超えて、ケーキ修行に耐えられなくなった若手職人を目覚めさせるためのパテシエがやってくるという話。生徒の創作作品だ。
自分が高校生だった時に比べると、うまく書いているとっは思うが、演技が単調でおまけに笑いを細かい芸で取ろうとして、滑っている。

 


午前が終わり、昼を食いに行ったら「すがい」が移転していた。



仕方がないので、松竹で餃子を。


予想外にうまかった。


よくできていた粘土細工のケーキ。

もう一つは、細かいところにこだわりすぎて、舞台の大筋を見失っているのが問題だろうか。
小劇場形式はだいぶこなれてきたが、その先が高校生だとなかなか見えないのだろう。それに上演時間が30分というのは芝居としては短すぎる気がする。

その後、新しい部長が決まったので、今後の連絡はその部長を通してくる、との前任の部長からのメールが来たが、いまだに来ないところを見ると、まあ、これで高校生の演劇の指導も終わったと考えていいのだろう。

1998年からだから、昨年までとすると20年間教えてきたことになる。あまり尊敬されないように、頼られ過ぎないように、と心掛けてきたせいか、卒業後の連絡もあまりないが、2007年前後はいい出来の舞台が多く、こちらも楽しい思いをさせてもらった。


6月30日は韮山時代劇場へ

2019年07月12日 06時02分22秒 | 観劇の感想


演劇を教えていた小原睦が主演するというので、「劇団いず夢」の「かぐや姫」を観に韮山の時代劇場へ。


風が強く、車で来てよかった。



しかし、まとまりのない舞台で、時代感覚も私よりも年上の子供時代から青春時代をオマージュしたような舞台だった。


特に、なぜその気持ちになったのか、なぜその行動をしているのか、を説明したりきっかけとなるセリフがなく、つながりもよく分からないので、単純なくすぐりに観客はよく笑うが、大きな笑いにつながらないし、最後の拍手の少なさにもそれが表れていたような気がする。




終演後はいつもなら帰りの時間があるので直ぐ帰ってしまうのだが、その日は車だったので、主演の小原と記念撮影を。ついでに、「再演するのなら、もう少しなぜその気持ちになったのかわかるような、きっかけのセリフを増やしてもらったほうがいい」とダメ出しをして帰った。

あと、終演後の藤田さんの役者紹介はもう少し短くしたほうがいい。過ぎたるは及ばざるがごとしなのだ。

 


「演劇ユニットひ・ま・た・く」の「かごの鳥」

2018年11月11日 17時01分00秒 | 観劇の感想

午後2時開演の「演劇ユニットひ・ま・た・く」が上演する「かごの鳥」を観劇。
まあ、一生のうちあと何度会えるか分からない久保庭尚子が監修で来ているということで会いに行ったようなものだ。
竹内銃一郎の作品は「あの大ガラスさえも」以来の2作目だが、どうもよく分からない。不条理劇というのは、私には日常に思えてくるからかもしれない。
役者はうまい。うまいのだが、この芝居に適しているのはこういう演技なのだろうか。閉じ込められている閉塞感と倦怠感が、いまいち感じられない。



やどりぎ座は、どうしても前の「このみる劇場」と比較してしまうのでいけない。
照明は往年の「VAN99ホール」を思い出してしまったが、あの時みた「講談松ケ浦ゴドー戒」は照明のことなど気にならないくらい面白かった。ああいう舞台を観たいものだ。

2月には生徒たちがここで「如月公演」をするのだが、実は昨日、直接指導するのでなければ、今後は指導しないとメールを送ったばかりだ。
帰りには富士山が見えたのだが、いい位置で写真を撮ろうとしたら雲の中へ。


『Kiss Kiss Bang Bang 2.0』を観た

2017年12月03日 21時25分43秒 | 観劇の感想

東京芸術劇場で『Kiss Kiss Bang Bang 2.0』を観る。教え子が出ていたので、試験で上京したついでに、観てみようと思ったのだ。
いや、出だしは又いつもがっかりさせられる、だめな実験作品かなと思ったのだが、途中からめちゃくちゃ面白くなった。近頃観た中では、最高の作品だ。
この作品は日常的な動作や、ゲームを全部キスで表現する話で、男女5人がひたすらキスしまくる。
たとえば、路上で会って握手するシーンを最初に見せて、そのあと同じシチュエーションで握手の代わりにキスするとか、キスで卓球をやるとか、同じキスシーンが音楽を変えて何度も繰り返されるのだが、同じ動作なのに意味が違って見えるとか。
最後は私も舞台に上がってキスすることに。
キス久しぶりだな。

こんな面白いのが、無料公演なんてもったいない。空席がいくつかあったけど、満席でなければ嘘でしょ。

「ななつ星の化身」を観てきました

2017年02月19日 20時04分14秒 | 観劇の感想

「ななつ星の化身」を観てきました。

自転車なので型くずれしないものを選択。

こんな感じで運びます。

富士山は今日もきれいだ。

丸子川をさかのぼり

来週は宿場祭りか

丸子の桜

丁子屋の前

朝比奈川の河津桜

人も結構出ていました

空の青さにピンクが映える。


島田にたどり着いたのが1時。菊川まで走ると開演に間に合わないかも。
ロコで輪行して菊川まで。

時間がなんとか間に合ったので、会場近くのラーメン屋まで。
野菜炒め定食なのだが、ラーメンに替えられますと、書いてあったのでラーメンにしますと頼んだら、どうやらおかわりをラーメンに替えられるという意味だったらしく、この分量が来た。
これで650円は安いのだが、あまり美味しくない。
原因はラーメンはスープにコクがなく、ぬるくて、麺が太い。
野菜炒めは、味がほぼ塩味で油が多く、唐辛子の輪切りが大量に入っている。


さて肝心のミュージカルだが、STAGE21の作品で今まで観た中では一番面白かったかもしれない。
過去にあった意味のない転換や、妙な間がなくて見やすくなっていたことと、役者がうまくなってきていて、舞台が安定してきているためだろう。
まあ、物語的には気になるところがままあったのだが(伏線の作り方など)、周りの人はそれなりに面白く観ていたようだ。
ただ、自分で「狼は日本にいない」ということを題材にしたギャグを書いたことがあるので、狐が狼に襲われた、という挿話はいただけなかった。
ビラだと主役だとは思わなかったのだが、今回も主役は九里つばさちゃん。圧巻の歌唱力でいい演技でした。しかし、今回は赤い服で途中出てきた、多分中学生の女の子が2009年の「ジュウシチネンゼミ」で観た九里つばさちゃんを彷彿とさせました。
自分の見せ方が上手いのです。
富士宮にいたら「3776(みななろ)」のメンバーになれたかも。

関係ないけど、題材が狐だったので「ベビーメタル」を連想してしまいました。
そうそう、「迷惑DVD」を差し入れしときました。
ラベルを印刷できるプリンターを会社でもらったので、調子に乗って作りすぎたのがあったので。人の舞台ってDVDで観ても面白くないんですけど、まあ、雰囲気だけでも味わえるかなと。

終わったのが5時15分過ぎ。
5時41分の電車で家路に。

個人的な細かい感想聞きたい人はコメントください。メールアドレスを教えます。


2/4はこのみる劇場で「如月公演」観劇

2017年02月05日 13時13分28秒 | 観劇の感想

生徒たちが今年は自分たちでやります。ということなので、指導にはいかなくなったのだが、観に来てくださいというメールが来たので、ついでに他校のほうも観てみた。

平成28年度 如月公演~静岡県中部高校演劇協議会・静岡地区発表会~

2月4日(土)

 13:00~14:00 駿河総合高校 「童話裁判」森本ゆかり作
 16:30~17:30 静岡学園高校 「ハンバーガーショップの野望」橋口 征司(若頭ぐっち)作

「童話裁判」は高校演劇脚本集に収録されていて、よく上演される作品らしいが、話がどうもとっちらかっているようで、観ていて辛い。あらすじはこちらから引用。

 幕が開くと、シンデレラ・白雪姫・グレ‐テルの三人がはたきやほうきを手にして踊っている。音楽がやむと三人掃除を始める。それぞれの物語の内容に関したことを話して、ひとり、またひとりと退場する。

 舞台明るくなると、大きなひまわりを華やかに描いた装置に、いろいろなぬいぐるみが沢山置いてある新婚家庭の部屋の場面になる。もうすぐ赤ちやんが産まれそうな、大きなおなかをしたお母さんが編物をしている。そこヘ、父親がお土産のぬいぐるみを持って帰ってくる。ふたりの楽しい会話の場面に、絵本販売人が登場する。絵本販売人は「数日後にまた参りますから」と言って、絵本と三枚のポスターを置いていく。
ニ人はポスターを部屋に貼る。

 突然、シンデレラ・白雪姫・グレ‐テルの三人がポスターから飛び出し、部屋の中をとぴまわり、騷ぐ。二人は驚くが、やがてこの三人の名前が分かる。三人はそれぞれの物語の裏話を始める。「シンデレラは、いかにわざとらしくなく靴を置いたか」「グレ‐テルは、魔女を殺したとき笑っちやった」というようなことを、面白おかしくわいわい話している。その話を聞いていた父親は、「そんな童話は子供に聞かせたくない」と言って絵本を破いてしまう。子供にとって童話は必要ないという父親と、必要だという母親が口論しているところへ、絵本販売人がやってくる。

 絵本の持つ裏を暴き出そうという父親が検事になり、童話を擁護しようとする母親が弁護士になり、絵本販売人が裁判長になって、童話の裁判が開かれる。「物的証拠不十分」ということで父親の訴えは却下されるが、三つの物語の裏の部分を父親は夢で体験することになる。

 夢から覚めた父親は、子供と童話の関係を理解し、読ませることに同意する。絵本販売人と童話の主人公たちが帰った後、母親は編物をし、父親は新聞を読んでいる。静かに子守唄がながれているなかで、幕。

セリフが観念的すぎて、観ていて辛い。
キャストはグレーテルの子が、憎々しくて可愛い。

「ハンバーガーショップの野望」は生徒が自分達だけでやると良くなる時と、悪くなる時があるのだが、今回はいい方へ転んだようだ。
セリフをまともに喋れなかった生徒がきちんと喋れるようになるのを見るのは嬉しい。

問題は音響だろうか。音が小さすぎる。小さくてもいい音と、大きくなければいけない音があるのだ。
演技は比較的安心して観られた。そこそこ笑い声も出ていたようだから、まあ、いいだろう。

作者の口 征司さんの上演は2作目だが、脚本がよくかけている。

さて、これで当分は生徒との付き合いもなくなることになる。少し寂しくもあるが、時間にゆとりができるのは気が楽だ。





風煉ダンスの「スカラベ」観てきました

2016年09月25日 11時23分40秒 | 観劇の感想

一番の感想は、「遠かった」「寒かった」「疲れた」ですが、これは辿り着くまでと、帰り着くまでの感想で観劇の感想ではありません。

走り出したら、雨が降り始め、そのうち雷まで。渋滞もひどく、路面はスリップしそうな状態でした。屋根付きの駐車場のある店を見かけたので、ここで昼食。

たどり着いたら、もう開場していました。8時間かかった。

装置があまりうまく映っていない。

 

さて、肝心のお芝居の感想ですが、風煉ダンスはやっぱり野外が似合うな、と思いました。
ディズニーの城のような装置を背景に、いつも以上に、派手でポップな大道具が、これでもかと登場。

物語は、一見とっちらかっていますが、太陽に恋した男の話です。
今まで観た中で、話としては一番の収束力がありました。
それと、音楽とのバランスがよかった。過去の作品だと、音楽が主張し過ぎるトコロがあったのだが、今回はそれを感じませんでした。


観客は満席で、特にバッタ君の話では大きく盛り上がっていました。

好みで分ければ、感情の表現が記号化されているので、自分が好きなジャンルかというと、必ずしもそうではないかと思いますが、いつも同じ好みのものを観ていても仕方がないので、刺激になります。
記号化されたファンタジーを宝箱をぶちまけるように作られた舞台に、ストリートプレイの評価は無意味でしょうから。

こうしたお芝居は、中高年の女性の受けが意外とよく、会場には妙齢のお姉様たちの姿が結構見られました。

帰りには「面白かった」という声がアチラコチラで聞かれていたので、次の公演はもっと観客が増えるのではないだろうか。