演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

オセロ

2016年08月02日 22時53分58秒 | 観劇の感想
お芝居を人に勧める時って難しいですよね。
水物なんでいい舞台になるかどうかわからないし、好みも別れます。
でも、技術とか演出の力はあまり好みに左右されない部分でしょう。
蜷川のシェイクスピアはあまり面白くありませんでしたが、子供のためのシェイクスピアはどの技術を見せたいのか、どの主題を見せたいのかが明確で
とても参考になります。

残念ながら、観に行くようにと言っていたにも関わらず
生徒は誰も行かなかったようです。

高さの変化を見せるのは前回の「リチャード3世」に引き続き演出の特徴でしょう。

子供の観客が少なかったこと、観客席が埋まっていなかったことが残念でした。

「夏の夜の夢」

2016年06月28日 12時40分25秒 | 観劇の感想

韮山時代劇場で「夏の夜の夢」をやるというので、8時半に出発。

天気も良く、楽しいサイクリングだ。

12時には到着。早く着きすぎました。
駅前の喫茶店で焼きそばを食べて時間つぶし。


2時から芝居が始まりました。
まずは市長挨拶。うーんあまり挨拶がうまくない。

それから、芝居が始まりましたが、いつもこの劇団の芝居を見ると思うのだが、転換が変だ。
意味のない暗転や曲を延々と流すシーンがある。

演技はかみかみでしたが、話自体はなぜか今まで見た「夏の夜の夢」の中で一番わかりやすい。
特に村人は失敗も含めて楽しめました。

ハーミヤをやったむっちゃんは退場の時の、歩幅が広すぎだね。
でも、ちょっと色っぽくなって、きれいになったかな。



「シスター・アンティゴネーの暦のない墓」 観てきました

2016年03月13日 08時54分06秒 | 観劇の感想
まあ、意図を見に行ったわけではなく、お芝居を」観に行ったわけで
トークゲストを聴き始めてすぐに意図の話が出始めたので、いるのがめんどくさくなり帰りました。
「ノイズム」のダメな舞台の劣化版かな。
こういう舞台っていつか見たぞって、既視感が半端無いんですけど。

動きがダメなんだよね。舞踏は一応所作があるんだけど、演劇人は所作を無視することを観ていて再認識した。
人形遣いで舞踏家の黒谷さんの凄さが別の意味で、改めて認識させられた舞台でした。
詩の朗読なら、それだけに特化した舞台にすれば面白いのに、
「人力飛行機ソロモン」のように。
劇場は思っていたより立派でした。

絢とひさ枝のふらり旅
『シスター・アンティゴネーの暦のない墓』

テクスト:守中高明
構成・演出:大岡淳
出演:絢、蔭山ひさ枝

日時:3月11日(金)20:00
   3月12日(土)15:00
   3月13日(日)15:00

チケット:前売 2,000円 / 当日 2,500円
取扱:CoRich 予約フォーム
   tel:054-269-5898(七間町このみる劇場)
   劇場酒場Pinspot

パソコン facebook:あやとひさ枝のふらり旅
 

トークゲスト:
終演後に、ゲストを招いてのトークセッションを予定しています。
11日(金) ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(アーティスト)
12日(土) 大澤真幸(社会学者)
13日(日) 上杉清文(富士市本國寺住職/劇作家/福神研究所所長)・佐々木治己(劇作家)

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敵国の側に立って戦った裏切者なのだから、死骸は野ざらしにせよと、国王である叔父が命ずる。いかに裏切者といえど、血の繋がった家族をこのままにはでき ないと、女は兄を埋葬する。かくして、禁令に背き、国家の反逆者として幽閉された女は、自害して果てる。これが、ソフォクレスのギリシア悲劇に描かれたア ンティゴネーである。

現代詩人・守中高明の長篇詩『シスター・アンティゴネーの暦のない墓』は、このアンティゴネーのイメージを、国家が自己正当化のために捏造する 〈歴史=物語〉から零れ落ちる、虐げられた名もなき存在—雪、灰、あるいは砂のような—へと押し広げる。すなわち、アンティゴネーとは、あなたであり、私 なのだ。

この演劇的詩篇を、ふたりの女優によって、文字通り演劇化してみよう。ただし彼女らには、特権的な名を持つ登場人物たちを演ずるのとは全く異なり、名もなき存在として、舞台の上にただ佇んでもらいたいと思っている—〈歴史=物語〉に抗するために。

大岡 淳

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プロフィール:

■守中高明 (もりなか・たかあき)
詩人。1960年東京都生まれ。学習院大学大学院博士課程修了(フランス文学専攻)。早稲田大学法学学術院教授。
詩集に『砂の日』(1991)、『未生譚』(1992)、『二人、あるいは国境の歌』(1995)、『守中高明詩集』(1999)、『シスター・アンティ ゴネ―の暦のない墓』(2001)、『系族』(2009/以上思潮社)、単著に『脱構築』(1999)、『法』(2004/以上岩波書店)、『終わりなき パッション―デリダ、ブランショ、ドゥルーズ』(2012/未来社)等がある。共著、訳書も数多く手がけている。

■大岡淳 (おおおか・じゅん)
演出家・劇作家・批評家。1970年兵庫県生まれ。SPAC-静岡県舞台芸術センター所属、静岡文化芸術大学非常勤講師、河合塾COSMO東京校 非常勤講師。
主要演出作品に、ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ~君と俺との唯物論~』(2013/江戸糸あやつり人形座)、上杉清文・内山豊三郎『此処か彼 方処か、はたまた何処か?』(2014/SPAC)、大岡淳『王国、空を飛ぶ!~アリストパネスの「鳥」~』(2015/SPAC)等、編著に、『21世 紀のマダム・エドワルダ』(2015/光文社)がある。 ウェブサイトhttp://ookajun.com/


sofaを観てきました

2015年02月22日 16時47分07秒 | 観劇の感想

ホライズンのオムニバス公演。

土曜日の2時の回に行って来ました。

高校生の観客が多くて、ほぼ満席という盛況。

作品は4本。

『SO-far』
原作:乙一「SO-far そ・ふぁー」(集英社文庫刊『ZOO  1』所収)」
脚本:冴月
演出:齋藤 萌      

『うしろから』
劇団オリジナル ホラー
脚本:望月 歳夫
演出:平野 里奈

『聴きたい、ことば。』
劇団オリジナル 夫婦愛
脚本:ねこやなぎ
演出:天野 仁美

『星屑のセレナーデ』
劇団オリジナル ファンタジー
脚本:冴月
演出:市川 実優

面白かったんですけど、脚本が全般的に説明的で、ラストの3分前ぐらいに結末が読めてしまうのが残念だったかもしれません。

海野 帆南さんは、メイクのせいか前作とは目の大きさが全然違って見えたので、別人かと思いました。

みるめは10年ぶりぐらいかな。劇工房「懐」の公演を観に行ったのが最後かもしれません。

観客が宴会をやりながら観れる芝居ってのが、自分たちの芝居の作り方だったので、最近の芝居のあり方はどこか堅苦しく感じられます。

さらに、次回作のビラが入っていたのには、びっくりです。自分たちがやるときは、キャストがどうなるかわからないから、公演の決定はだいたい2ヶ月前でした。会場確保のために、無料公演を一本入れなきゃならないような時は、2週間前だったりしたこともあります。


あ、あと、芝居と芝居の間の休憩時間が10分~15分と長いのかがよくわかりませんでした。

5分でもよかったのでは。




逆さまのコンパス

2015年02月08日 20時27分00秒 | 観劇の感想
ミュージカルシアターSTAGE21の公演を観てきました。
お目当てのつばさちゃんは、ヒロインで出ていました。
たっぷり見れてよかったです。

朝から雨が降っていて、自転車で行くのは諦めました。
しかたがないので、スクーターで10時半ごろ出動。
ヘルメットが曇って曇って、かなり神経を使います。
特に、トンネルに入ると真っ白になってシールドを上げないと何も見えません。
さて、菊川に着くと、計算が甘かったです。
開演まであと2時間半もあるではありませんか。
おまけに、SMARTランプが点滅しています。
嫌な予感がします。

12時は過ぎたので、市内を一周して
そこそこ、客が入っていそうなラーメン屋を発見。

ラーメンを頼んだら

スープがぬるい。だから塩味がきつくイマイチ。
他の他人のラーメンは、ゆげが立って熱そうなんで、なにか手違いがあったのだろうか。
そして、500円を払って店を出て、スクーターのエンジンをかけようとしたら、かかりません。
どうやら、スマートキーの電池が減っているようです。
しかたがないので、コメリに行って電池を買って交換し
まだ時間があるのでセブンイレブンでコーヒーを。


そういえば、ラーメン屋さんに飾ってあったイラストがなかなか素敵でした。


1時少し過ぎに、アエルに行くともう客が来てました。

2時に開場。
今回も盆を回すのかと思いましたが、移動式のセットでした。

2時半に開演。
5時10分終演。

途中休憩が15分。
でも、ちょっと長いかな。


差し入れは華やかですね。
うちの公演の時の差入は、みんな酒で
100人しか客が来ないのに40本一升瓶のお祝いが集まる劇団でした。

帰りは故障車に邪魔されたものの、18時半に家に到着。

まあ、細かい感想が知りたい人はメールください。
mcberry@hotmail.com


2014年08月24日 09時49分37秒 | 観劇の感想
演劇ユニット【HORIZON】の「罠」を観てきた。
当日券が少ないという情報だったので
ギリギリになってから、ネットで予約を入れてみたのだが連絡がない。
仕方が無いので少し早めに行って並ぶことにした。
なにせ、昨年菊川まで行って、「当日券はありません」という目にあっているので、つい慎重になってしまうのだ。
午後から仕事に行って、少し仕事。

それからマリナートへ。途中は曇だったのに到着してしばらくしたら、雨に。


開演する頃は大雨だった。


さて、肝心の「罠」だが、噂通りよくできた脚本だ。ただ、道具立てなどに「?」のところがしばしばあって、ついつい引っかかってしまう。1960年の作品だから仕方がないのか。

日本ではありえない話だったけど(なぜありえないのかを説明するとねたばらしになってしまう)まあ、まあ楽しめた。

ただ、もっと最近の作品のほうが劇団のカラーにあっているような印象も受けた。

ひとつ気になったのは、ダンスシーンなどでときどき観客席を明るくするのだが、あれはなんなんだろう?コンサートでは、盛り上がっている観客を浮かび上がらせることで、盛り上がりが増すという効果を狙うんだろうが、演劇だとあまり意味がないような気がする。
それともレインライトみたいな効果を狙っているのだろうか。

役者は、結構噛んでいたが、長丁場を頑張っていた。
役者で気になったのは、何人か妙に顔がテカっていたこと。汗だろうか。
袖にはけた時に、SWで抑えてあげるといいかも。


観て来ました、劇団おらんじぇ夏公演「人狼たちのうた」

2013年08月10日 19時48分42秒 | 観劇の感想
劇団おらんじぇ夏公演「人狼たちのうた」
8月10日(土)13時半開場/14時開演

観客に意外とたくさん在校生も卒業生もいました。
で、結果ですが
小説でやったほうがいいかな。
演劇と小説では表現の考え方が違うのです。

残念ながら含みを持たせようとして
肝心の説明が足りず
感情や動機を説明しすぎて
芝居にならなくなっています。

例を挙げれば
村人が殺されるときには
誰かが殺されたのではなく
固有名詞がある人間が殺されるのです。
というわけで、全編表面をなでているような
感じの脚本でした。

照明は「一から説明してやろうか」と
アンケートに書こうかと思いましたが
やめときました。

外は暑かったけど
見ているうちに冷蔵庫状態に
他の観客も言っていたので
途中から冷房を弱めにしたほうがいいかな。

観方の問題

2013年07月25日 23時03分33秒 | 観劇の感想

先日のノイズムの公演についての私の感想が、知り合いのお気に召さなかったらしい。
まあ、書いたときから想像がついていたので


>見ている最中に「自分にはこの作品のよさを認識する才能がないのかもしれないな」
>と、思わせられたからだ。

と、付け加えておいた。

ただ、スタッフワークに加わっていた経験からすると
前衛であろうと、正統派であろうと
いいものはよく、そうでないものは、何かしら問題があるのだ。

ノイズムの問題は、抽象化されなければならないものに
説明が入ってしまったところではないかと思っている。

理系でいえば理学と工学の違いだ。
理学は理論が証明できればよく、工学は理論ではなく実用に問題なければいい。
というわけで、理学を応用する工学はあっても工学を応用する理学は成立しない。

踊りとか音楽は、突き詰めていくと理学に該当し、抽象化されるものだと、私は思っている。
だから、演劇に踊りを取り込んだミュージカルは成立するけれども、踊りに演劇的要素を組み込もうと思うと
その部分を説明しなくてはならなくなり、抽象性が薄れるのではないか
と、考えている。
もちろん、バレーに物語があるのは承知しているが、それは演劇的に説明するためのものとは
少し違う気がする。

と、彼のいないところで、自分の考えを整理してみた。
特に第2部『囚われの女王』 を観ているときに
ずいぶんと説明的な踊りだなあ
と、思ったのだ。

まあ、安田理英の「だいこんさま」という踊りを観にいった友人が
どこがだいこんさまだったのか、分からない。
と、書いていたこともあり、ノイズムぐらい親切なほうが一般受けするのかもしれない。

客はほぼ満席だったもの。