演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

ハヤブチノヌシ、帰るとき

2009年01月26日 12時47分48秒 | 観劇の感想

知り合いのかめおかゆみこさんが脚本を書いた『ハヤブチノヌシ、帰るとき』の公演を観に横浜青葉区まで行ってきました。
さて、肝心のミュージカルですが
いまいちでした。
2004年に観た「こどもの国物語」と比較しても
出来がよくありません。
理由は多分こんなところにあります。

・演技
音は聞こえるのですが、台詞として聞こえないのです。
発声はできているけれど、発音と滑舌が悪いのです。
だから、何を言っているかわからないので
芝居に入り込めません。

姿勢からも肩に力が入りすぎているのがよくわかります。

・脚本
一番の問題は脚本のテーマでしょう。
人間は悪い、でも、それを認めると
自分を否定することになってしまうわけですね。
それをどう解決するのか。
単なる手段の問題ではなくて、心の中をもっとすっきりさせる未来を見せないと
いけないと思います。

台詞がみんな説明なんです。
だから、役者に共感できません。

説明的な台詞しかないから登場人物が区分できません。
みんながその他大勢になってしまっています。

せっかくの設定が生かされていない。
せっかく夢で予言ができるのに
テーマに縛られすぎて
エンターティメントになっていません。

・演出
役者同士が安全な距離でしか台詞を言っていない気がするのですが。