演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

一人芝居

2009年09月09日 00時00分05秒 | 演劇情報
猫会議公演
阿部達雄ひとり芝居
「茶釜狸、秋の夜長に大和屋善四郎に遭ふこと」
(第18回紫式部文化賞選考委員特別賞受賞作品)
    作  森嶋也砂子(文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作入選受賞者)
    演出 飛鳥井かゞり
    共演 中田達幸



舞台の出来自体はさすがプロ。
きちんと作りこんでいて
かなり長い時間なのに飽きさせません。

何か言えば、いちゃもんにしかならないのかもしれません。

ただ、この次再演されるという話があったときに
他の人にお勧めするかというと
ためらうかもしれません。

で、結論から言うと、なぜ一人に徹しなかったのだろう?
というのが、お勧めしない理由です。
このお芝居一人芝居なんです。
細かい話は省略しますが
一人芝居の面白さは
一人であることの潔さ、なんですよね。

分かりやすい演出にしたことで
かえって、見えないものが増えてしまったのではないのでしょうか。
ご主人様。
おっしょさん。
狐。
役人たち。
見えないから、それを見せなくてはいけないから
というのが醍醐味かなと思います。

舞台の左側が、大きく開いていて
あそこに本来は生音が入ったのかもしれませんが
なくてよかったかなと。

照明は自分の専門なんですが
基本に忠実で
アンバー(多分♯45)とブルー(多分♯76)のバランスがよく
ロスコを多用していた自分のやり方だと
こういう舞台にはにあわないでしょう。

ただ、モアレが気になったのと
エリスポに色をかけるのは好みでないな。
せっかくエリスポがあるのだから
ラストシーンで使ったほうがよかったのでは。
ただ、会場の大きさのわりに焦点距離が長そうなエリだったから
使えなかったのかもしれない。


内容はネタばれになるので省略しました。
当然再演があるのでしょうから。