橋本治が「桃尻娘」でデビューしたころ、自分は大学生で、単行本になってから読んだような記憶がある。
ただ、面白いなあ、という記憶しかなくて、その後は編み物で一時期騒がれた記憶しかなかったのだが、今回「その未来はどうなの?」を読んで、文明批評家としてもなかなかのものだと、思わされた。
ただ、病気のせいか後半に行くにしたがって、難解となり、「第8章 経済の未来はどうなるの」では、「景気の回復というのは、異常な好景気を生み出してしまうようなものを、元の安定した状況に戻すことなんじゃないか」「昭和が終わってバブル経済がはじけた日本は、そのはじけたことにって世界経済の先例となる、最先端を行く国だ」という、独特の世界観を展開していく。
集英社新書のシリーズは全部読んでみよう。橋本治の考え方がわかるかもしれない。