演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

オーバーフェンス

2022年03月16日 06時50分22秒 | 映画

佐藤泰志の小説を映画化したもの。オダギリジョーが主演で、相手役が蒼井優。
職業訓練校で失業保険をもらいながら、うだうだと暮らしている男が、たまたま誘われたキャバクラで知り合った女とだんだん仲良くなるが、離婚した妻ともまだつながりがあるという話だ。
蒼井優の演じるさとしという女が、よく分からない。キャバクラで働きながら、動物園でもバイトをしている女なのだが、行動が衝動的で、現実にこういう女がいたら迷惑このうえないだろう。まあ、だから、ダメ男の白岩(オダギリジョー)と付き合えるのかもしれない。
オダギリジョーは「深夜食堂」でコミカルな役も演じるようになり、この映画でもひょうひょうとしたダメ男をうまく演じていた。
蒼井優は、こういう演技を期待されたのだろう。すこし、無理しているところが感じられた。この映画が初ヌードだそうだが、そのシーンが記憶に残っていないのはなぜだ。

 


書を捨てよ街に出よう

2022年03月15日 06時24分05秒 | U-NEXT

いや、きつかった。
できの悪い個人映画を延々と見せられているようで、ゴダールとかパゾリーニと比較することもできない。
個人的には、寺山修司の作品はいまいち理解できないところがあって、高校時代から好きではなかった。
高校時代に東京キッドブラザースの「八犬伝」を今はない駿府会館で観たときも、意味不明なモノローグが延々と続いて、なんだこれはと思ったが、舞台の「書を捨てよ街に出よう」も似たような舞台だったのだろう。


驟雨

2022年03月14日 05時48分56秒 | 観劇の感想

3月13日14時から人形町やどりぎ座にて観劇


近年、たまにビラなどで岸田國士の作品が取り上げられているのを見る。昔いくつか作品を読んだ印象としては、フランスの芝居を日本に置き換えたようなせりふの作りだった気がするが、あまりはっきりとは覚えていない。著作権が切れて、上演しやすくなったこと、もともと文学座のアトリエで上演することを意識していたのか、少人数で上演できる作品が多いことも理由かもしれない。
今回の舞台はかなり大胆な、演出で、舞台は何度も中断され、違う雰囲気の空間でセリフの続きが喋られ、再び元の形へ戻っていく。
終演後、トークセッションがあったので、残っていたら、演出意図もそこで語られたのだろうが、語られる意図は聞いてもなるほどと思うだけなので、大体パスすることにしているため、今回も聞かずに帰った。
役者はそれぞれうまいのだが、圧がすごすぎて、脚本の持つ繊細な感じが出てこなかったのが、残念だ。
背景のふすまの写真が、岸田國士だと気が付いたのは家に帰って、ウィキで岸田國士を検索して分かった。
しかし、やどりぎ座は昨日横浜で観たHIKARIホールと比較すると、たっぱの低さが残念だ。バックライトが目に痛い。横から斜め上の照明は前にはあまり使われていなかったが、LEDライトになって使われるようになったのだろうか。


かながわ演劇博覧会

2022年03月13日 07時05分17秒 | 観劇の感想

 

かながわ演劇博覧会に従兄弟が出演するというので、見に行くことにした。
青春18キップでえっちらおっちら桜木町まで。降りたら暑い。

そして、いきなりの激坂。足を痛めているのでつらい。


さて、やっと到着。しかし周りに何もない。

おしゃれなレストランはあるのだが、コンビニも何もない。仕方がないので、坂をまた下り、安そうな店に。

豚バラかつカレーを食べました。


これ、二つの企画が合同でビラを作っているので、分かりにくい。入り口にそれぞれの内容と行き先をしめす看板でも出していてくれるとよかったのだが、まあ、よく読まなかったこっちが悪いのだろう。
観たのは劇団北口改札の「残心」とMMTパントマイムの「色即是空」。
まあ、疲れました。特に1本終わると20分近い休みが入るのはしんどかった。
というわけで、3本目は観ないで街へ。桜木町といえばみなとみらいが近接しているところです。野毛山は坂がきつそうでやめにした。
とにかく、みなとみらいの周辺はすごい人であふれていて、コロナはどこへ行ったという感じだった。


 


やかんと壺算用

2022年03月07日 06時53分29秒 | その他

このところ、左足のリハビリを兼ねて清水北部交流センターへ通っている。
マッサージマシンやヘルストロンが無料。入浴が100円とリーズナブルだからだ。
昨日もマッサージマシンを使って帰ろうとしたら、イベントの落語にキャンセルした人が出たから、聞いていかないかと会館の人に声をかけられ、聞いていくことにした。生の落語を聞くのは柳家金語楼以来60年ぶりだろうか。
演目は「やかん」と「壺算用」。
どちらも初めて聞く演目だったが、素人の落語としては、まあまあ面白かった。
ただ、「やかん」はなぜ題名が「やかん」なのか、よく分からない落ちだったので、家に帰ってから調べてみたら、どうやら、やかんのからんだ下げは分かりにくいので、やかんと関係のない下げで終わらせたようだ。
「壺算用」はなぜ関西弁でやるのか謎だったが、どうやら、関東バージョンと関西バージョンで下げが異なり、関西バージョンの下げをやりたかったようだ。
個人的には、噺の中に出てくる壺の計算単位「一荷」「二荷」がよく分からず、「一貫」「二貫」かな、と勘違いしていたのだが、家に帰ってきて調べたら、一荷とは「天秤棒 てんびんぼう の両端にかけて、一人で肩に担えるだけの荷物」ということだった。
ここらへんは枕で、説明してくれた方が分かりやすかったと思う。
先月も噺をやったということなので、お得意は先月で出てしまったのかもしれない。



その未来はどうなの?

2022年03月05日 15時02分14秒 | 読書

橋本治が「桃尻娘」でデビューしたころ、自分は大学生で、単行本になってから読んだような記憶がある。
ただ、面白いなあ、という記憶しかなくて、その後は編み物で一時期騒がれた記憶しかなかったのだが、今回「その未来はどうなの?」を読んで、文明批評家としてもなかなかのものだと、思わされた。
ただ、病気のせいか後半に行くにしたがって、難解となり、「第8章 経済の未来はどうなるの」では、「景気の回復というのは、異常な好景気を生み出してしまうようなものを、元の安定した状況に戻すことなんじゃないか」「昭和が終わってバブル経済がはじけた日本は、そのはじけたことにって世界経済の先例となる、最先端を行く国だ」という、独特の世界観を展開していく。
集英社新書のシリーズは全部読んでみよう。橋本治の考え方がわかるかもしれない。


『アイネクライネナハトムジーク』

2022年03月03日 10時45分38秒 | DVD

 

U-NEXTで観て、すっかり忘れていたので、ストーリーを公式ページから引っ張ってきてみた。漠然と面白かった記憶があるのだが、男がペデストリアンデッキで歌っているシーンしか思い浮かばないのはなぜだ。それだけ全体としては印象が薄い作品だったのだろう。



あらすじ
仙台駅前。大型ビジョンを望むペデストリアンデッキでは、日本人初の世界ヘビー級王座を賭けたタイトルマッチに人々が沸いていた。そんな中、訳あって街頭アンケートに立つ会社員・佐藤(三浦春馬)の耳に、ふとギターの弾き語りが響く。歌に聴き入るリクルートスーツ姿の本間紗季(多部未華子)と目が合い、思いきって声をかけると、快くアンケートに応えてくれた。紗季の手には手書きで「シャンプー」の文字。思わず「シャンプー」と声に出す佐藤に紗季は微笑む。
元々劇的な〈出会い〉を待つだけだった佐藤に、大学時代からの友人・織田一真(矢本悠馬)は上から目線で〈出会い〉の極意を説く。彼は同級生の由美(森絵梨佳)と結婚し、2人の子供たちと幸せな家庭を築いている。変わり者ながらも分不相応な美人妻と出会えた一真には不思議な説得力がある。佐藤は職場の上司・藤間(原田泰造)にも〈出会い〉について相談してみるが、藤間は愛する妻と娘に出て行かれたばかりで、途方にくれていた。一方、佐藤と同じく〈出会い〉のない毎日を送っていた由美の友人・美奈子(貫地谷しほり)は、美容室の常連客・香澄(MEGUMI)から紹介された、声しか知らない男に恋心を抱き始めていた。
10年後―。織田家の長女・美緒(恒松祐里)は高校生になり、同級生の和人(萩原利久)や亜美子(八木優希)と共にいつもの毎日を送っている。そして佐藤は、付き合い始めて10年になる紗季に、意を決してプロポーズをするが…。 果たして佐藤と紗季の〈出会い〉は幸せな結末にたどり着けるのか。美奈子の恋は、藤間の人生は―。思いがけない絆で佐藤とつながっていく人々が、愛と勇気と幸福感に満ちた奇跡を呼び起こす。


アルキメデスの大戦

2022年03月03日 10時08分29秒 | DVD

アマゾンプライムビデオのメニューの上位にあったので、なんとなく観たが、まあまあ面白かった。
なぜ、戦艦大和が作られなければならなかったのか、を映画化したものだが、原作を大幅に省略しているらしく、かなりわかりやすい筋立てになっている。
時代考証はかなりしっかりしているのか、観ていて違和感は少ないのだが、肝心の大和を作った理由はちょっといただけなかった。
娯楽作品としては結構いい出来だと思う。


三文役者

2022年03月03日 09時54分17秒 | DVD

殿山泰司の後半生を盟友新藤兼人監督が映画化したもの。
アマゾンプライムビデオを検索していて見つけ、あまり期待しないで観たのだが、思いがけず面白かった。
自分は殿山泰司が生きていたころの印象が強いせいか、竹中直人の演じる殿山泰司がいまいちなじめなかったが、荻野目慶子のうまさにはびっくりさせられた。
特に17歳の少女時代から、30代ごろまでの変化や色気はびっくりさせられるほど素晴らしい。
途中のヘアーヌードにはびっくりだったが、その前のおっぱいがちらちら見えそうになるシーンの方が色ぽかった。
しかし、殿山泰司を知らない人が観たら面白く感じるのだろうか?
荻野目慶子の演技を見るだけでも、なかなかだとは思うのだが。