貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

大驚きで、草刈りの確認

2017-08-18 13:24:01 | 日記
大驚きで、草刈りの確認

 たんぽぽの種保存繁栄の凄さ

平成29年8月18日(金)

 うちの近くの道は、まだ土道である。

 5月頃から道には、草が伸び放題になる。

 昨年の夏から、暇をみて草刈りをし始めた。

 7月半ば頃のこと、たんぽぽの草も混じり、

伸び盛りで、黄色い花も咲き乱れ、微かに

綿毛のついたものもあった。

 好きな花の一つだが、目的は歩きやすい道の

確保。草刈り機できれいにした。

 翌朝、散歩で草刈り後の清々しさと刈った

直後の草いきれを味わいながら通過した。

 ところが、所々に、たんぽぽの茎がぴんと

立っていたり、綿毛を付けていたものもあり、

ありゃりゃ、きれいにしたつもりが・・・。、

 刈り取らなかったなと、見逃しも素人の

することと慰め、次の時はきれいに刈り取ろ

うと心得ていた。

 しかし、玉村豊男さんの『草刈る人』を

夜半読んでびっくり!

玉村さんのエッセイ



 あれは、たんぽぽの予期せぬ威力だった

のだと・・・・。

「タンポポの花は、一輪が一本の茎の先に

ついて咲くのだが、はじめのうちその花茎

の多くは、葉といっしょに低く地を這う

ように横に伸びている。

 それがつぼみを膨らませると同時に茎

から離れ、真上に向かって角度を変えて

いくのである。なかには、横を向いたまま

咲く花もあるけれど、そういう花も萎れて

花弁が落ちる頃には上を向いている。・・・」

 だから、丸い綿毛を天辺につけた花茎は、

全てまっすぐ天に向かっているのだ。

 玉村さんは、綿毛の悲惨を阻止するため

には、花の咲く前に、まだ横に寝ている茎を

刈り取っていったのだそうだ。

 私のは、充電式なので比較的静音だが、

玉村さんのは、甲高い轟音を出す草刈り機、

その音に刺激もされ、タンポポ狩りに夢中

になり、夕方遅くまでかかり刈終える。

 翌朝、昨日の成果を確かめる。

 草刈りをした畑は真っ白、白いもので

覆われている。

 衝撃が走ったそうだ。

 不安と恐怖で駆け下りていったら、

死んだはずのタンポポが生き返り、

一晩のうちに花を咲かせ、

綿毛まで立ち上げていたのだという。

 植物は皆そうだが、タンポポは特に

自分の生の役目は自分のためではなく、

子孫を残すためなのだ。

 過去と未来を繋ぐ乗り物のような感じが

したそうだ。

 (ああ、そういうことだったのか。)。

 そう言えば、杉の木々が花粉を飛ばすのに

直面した時、まるで一本ずつの杉の木が

何回も爆発するように飛ばしていた。

(わっ、凄まじい。種の保存の本能は動かぬ

植物の方が凄いのだ。)という実感が蘇る。

 直後、私は花粉で目が腫れ、顔もふくれあ

がったので、目医者に行ったのだ。

 今度の草刈りでは、タンポポの本能を

確かめることにしよう。

 十数年前に、箱根で初めて玉村さんの絵に

出合う。

 鮮やかさに魅了。コーヒーカップを購入した。

ペアだ。意外と長持ちしている。





本の中の玉村さんの挿絵