夏苅りの葦の玉江
平成31年3月15日(金)
弥生もど真ん中。
そろそろ桜も芽吹くかな?
午後にでも、自転車で川原へ
出向いてみよう。
今朝は、福井市の玉江跡、
玉江二の橋へ。
この附近一帯の小流は、歌枕に
とりあげられたりして、往時から
知られている玉江の跡である。
橋はその名残を伝え、
「玉江二の橋」の名で呼ばれて
いる。
元禄2年(1689)8月13日
(新暦9月26日)、
芭蕉は神戸洞哉と共に夜明け前に
福井を立つ。
あさむつ橋を渡り、玉江の蘆を
見ている。
芭蕉の句は、
「月見せよ 玉江の芦を
刈らぬ先」 。
福井県福井市の八幡山の南東麓
あたり、福井鉄道の花堂駅から
江端駅にかけての一帯は、
昔の浅水川の氾濫原であり、
中世まで湿地帯が広がっていた。
沼地には葦が群生し、様々な水鳥が
飛来している。
北国街道はこの湿地帯を南北に縦断
して通っており、旅人たちは風光明媚
な風景を楽しむことになる。
ここは玉のようなきれいな川が
流れていたのか、「玉江」という地名
である。
この地では、夏に伸びた葦を刈る
「夏苅り」が盛んに行われていたよう
で、『夏苅りの葦の玉江』として
歌枕になっている。
以下歌枕となる証の古歌。
まず、後拾遺和歌集の一首。
「夏刈の 玉江の芦を ふみしだき
むれいる鳥の 立つ空ぞなき」。
つづく。