貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

鶏頭・箒草で入口を隠す家

2019-03-11 09:17:42 | 日記

鶏頭・箒草で入口を隠す家

平成31年3月11日(月)

 戦後の田舎では、よく鶏頭の

花を見た。

 箒草は、家でも育て、夏から

秋の葉色の美しさに魅了され、

箒を手作りした。

 私の中では、40歳以降の好きな

花草の仲間になる。

 江戸時代の福井の話。

 福井市の左内公園を訪問。

 江戸時代、世捨て人となる等栽の

家の入口は鶏頭と箒草が家の入口を

覆っていたという。

 1689年9月24日、

芭蕉は知人の等栽に会いに行く。

「福井は三里ばかりなので、

夕飯を食べてから出たが、

黄昏時の道なので迷い迷い歩いた。

 ここには、等栽という古くから

の世捨て人がいる。

 何年前か江戸に来たとき、

私を訪ねてきた。

 もう老いぼれているか? 或は

死んでしまったか?と人に尋ねると、

まだ存命でどこそこに住んでいる

と言う。

 町の中から引っ込んだところの、

粗末な家で夕顔・糸瓜が生えかかり、

鶏頭・箒草で入口を隠している家

だった。

 たぶんこの家だろうと門を叩くと、

みすぼらしいなりの女性が出てきて

『何処から来た仏道心のあるお坊

さんでしょう。主人は今近くの

どこどこにいますので、用事が

有るのならお訪ね下さい』と言う。

 

 つづく。