貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

否定的・刹那的な動詞で綴る!

2022-02-05 15:18:42 | 日記
令和4年2月5日(土)

 ②では、延宝三年(1680)、
すなわち十年前に、
芭蕉が日本橋小田原町を出て、
江東深川村の草庵に移った時から
現在までの行動が回顧されている。
 その文章は、簡潔で動きに富んでいる。
 蓑虫の蓑ををウシナウ
住んでいた家をハナレル
海岸の暑い日に面をコガス
荒磯にかかとをヤブル
湖水の波にタダヨウ
という動詞尽くしの文章で、
十年の年月の旅を回顧している。
 全て否定的で、刹那的な動詞で
自分の過去を綴っていく。
 それが俳諧師としての生き方のように!
 そして、現在の時制で、
幻住庵で文章を書く芭蕉の姿が
読者にははっきりと見えるように
、文章を閉じている。