貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

近江国の美しさを満喫!

2022-02-06 15:43:10 | 日記
令和4年2月6日(日)
 原文③は、他の文節より長いので、
前・後半に分けて解説することに。
 原文③前半の部
 さすがに春の名残も遠からず、
ツツジ咲き残り、山藤松にかかりて、
時鳥しばしば過ぐるほど、
宿かし鳥のたよりさへあるを、
木啄のつつくともいとはじなど、
そぞろに興じて、
魂(たましひ)、呉・楚東南に走り、
身は瀟湘・洞庭に立つ。
 山は未(ひつじ)申(さる)にそばだち、
人家よきほどに隔たり、
南(なん)薫(くん)峰よりおろし、
北風湖(うみ)を浸して涼し。
 比(ひ)叡(え)の山、比良の高根より、
辛(から)崎(さき)の松は霞こめて、
城あり、
橋あり、
釣たるる船あり、
笠(かさ)取(とり)に通う木(き)樵(こり)の声、
ふもとの小(お)田(だ)に早苗とる歌、
蛍飛びかふ夕闇の空に水鶏(くいな)のたたく音、
美景物(もの)として足らずといふことなし。
 中にも三(み)上(かみ)山(やま)は
士(し)峰(ほう)の俤に通ひて、
武蔵野の古き住みかも思ひ出でられ、
田上(たなかみ)山(やま)に古人をかぞふ。