貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

旅と病と終焉

2022-02-17 15:54:32 | 日記
令和4年2月17日(木)
 これから、少し
「旅と病と終焉」と題し、
芭蕉の集大成を試みることに・・・!
『おくのほそ道』の旅は、
元禄二年(1689)の三月から九月、
四十六歳の時に行われたのだが、
その旅日記を完成させるための
慎重な推敲は、
芭蕉の元禄七年(1694)十月十二日、
五十一歳の終焉まで行われ、
世に発表されたのは没後。
 つまり、晩年の「かるみ」の主張と
時期が重なっている。
 そこで、過去の旅を見詰める重厚な俳諧と
現在の主張である「かるみ」の作とが
重なっている。
 こういう一見矛盾した手法を、
芭蕉は同時に見事に仕分けたようだ。
 芭蕉が晩年、健康を害したのは、
元禄六年(1693)七月中旬から
八月中旬にかけてである。
 急に体力が衰え、
持病に冒されて、
ひと月の間、
庵を閉じて人に面会するすることも避けて
いたと記録にある。
 さて、この持病とは何か?
 不明だという。
 翌元禄七年(1694)、
つまり、没年の五月十一日、
庵を出て、故郷の伊賀に向けて
江戸を発つ。
 その後、二度と江戸に戻ることは
なかった。
 つづく。