『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『フェイク シティ/ある男のルール』を観た^^]

2009-02-15 15:28:21 | 物語の感想
☆予告編の印象では、もうちょいネチっこい復讐系の作品だと思って、相応の気構えで映画館に入ったのだが、現代の刑事物と言う舞台設定もあり、ハードボイルド臭も、クライムサスペンス臭も控えめで、小気味いい作品として楽しめた。

 印象として、『ダーティー・ハリー』や『マンハッタン無宿』、『ネヴァダ・スミス』のような往年の切れ味のいい作品のようだった。

 主演のキアヌ・リーブスは、キワ物とも思われそうなSF大作ばかりに出ないで、このような作品に、さりげなく出ずっぱりになって欲しいものだ。

   ◇

 物語の途中で分かることなので、書いちゃってもいいのだが、でも、書いちゃうのがためらわれるのだが書いてしまえば、この物語は、犯罪を取り締まる刑事の話のようでいて、実際は、警察内部の腐敗を描いている。

 そういった作品はえてして、組織内の犯罪が何ゆえにこれほどまでに大仕掛けになるまで露見しなかったのかという、なんか話に矛盾と言うか、解せなさがつきまとうものだが(今、パッと思いつくのが『バックドラフト』)、この作品は、犯罪事件は外部外部へと向かい、最終的に内部へと戻る構成になっており、それが順を追った捜査の結果なので、閉鎖的なイメージはなく、リアリティが感じられた。

 けして大作めいた仕掛けを施さなかったのも、完成度を高めている要因だろう。

   ◇

 キアヌは、『地球が静止する日』(クリック!)に続いて、表情に乏しい役柄だったが、その行動は激しく、また、結構、口もきく性格なので、ハードボイルド作品の主人公のような性格の固定化が避けられていて良かったと思う。

 また、彼のワンマン行動が結局は事件を全ての解決に導くのだが、それに至る流れには必然が感じられた。

 わずかな、見ている側の疑問も(ここは助けを呼ぶべきだったんじゃないか? とか)、最後に出てきた内部調査の警部との会話で胡散霧消する。

 若き刑事のアクションを身軽に描くも、なぜか深みが感じられるうまい脚本だったなあと思いつつ、エンドクレジットを眺めていると、この作品がジェームズ・エルロイの原作・脚本だと知った。

 シンプルな輪郭のキアヌが、やや疲れてたるんでいる顔に変貌していたのだが、なかなか格好良かった。

 私も、主人公のようにいつも飲んだくれているが、今夜は是非、ウォッカのポケット瓶のぐい飲みにチャレンジしたいものだ(さすがに、飲酒運転は出来ないが^^;)。

 スミノフに、ウォッカ小瓶があったよなあ。


 
        (で、でかっ・・・^^;)

   ◇

 上司役のフォレスト・ウィテカーは、安心して見られる演技で存在感あった。

 この作品の原題は、「Street King」だそうだが、ある意味、ウィテカーの当たり作『ラストキング・オブ・スコットランド』の<キング・第二章>という趣きでもありましたな^^;

                        (2009/02/15)