『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『マイ・バック・ページ』を観た(短信)]

2011-06-02 23:50:23 | 物語の感想
☆この映画、面白い!

 二時間半の長尺だが、夢中になってみた。

 内容は、東大安田講堂事件以後の、輝きを失いつつある全共闘運動を背景にした、とある、運動家か、運動家に憧れる者か、正体判別つからざる「革命家」と、遅れてきた運動同調派・新米左翼ジャーナリストの奇妙な友情を描いている。

 時代の描き方が秀逸である。

 もちろん、私は、舞台となる時代に生まれた者なので、狭義で言うところの「体験」をしているわけではないが、舞台美術・撮り方・役者の演技と、ほぼ完璧に、この時代を描けているのではないかと感じた。

 おそらく、今年の、電力不足となる日本でも感じられるであろう、彼の時代の「熱帯夜」がムンムンと伝わってくる

 何度も生まれ変わった日本の、一番最近の青春の時代を、青臭く、ダサく、胡散臭く、見事に描いていた。

 何よりも、「中二病」的な思考回路で時代を乗り切ろうとした梅谷を演じる松山ケンイチの演技が最高だった。

 この時代では、ある種の典型である「新左翼人」の、一般の社会との不調和が、徹底的に描写されていた。

 うぜー、うぜー・・・、と思いつつ、しかし、自分にも梅谷と似た部分を見つけ、非常に不愉快になりつつ、そのリアルに画面から目が離せなくなってしまうのだ。

 この、普遍的な個性のキャラクターの存在が、この作品で描かれた時代を現在において語る意義だと思うのだ。

 松山ケンイチがものを食うシーンは、梅谷の「俗」が出過ぎていて凄くイヤで、だからこそ、見事だ。

 他の役者たちも、ことごとくいいね。

 特に、朝日新聞社の記者たちの面々が、それぞれいかにも「昭和」で実にいい。

 二人のヒロインも出てくるが、それぞれが、あの時代の陰と陽を代表しているようでいて、どちらも闇に溶け込んでいくかのようで・・・。

 主人公を演じる妻夫木聡だが、妻夫木自身の個性はそぎ落とされ、役柄の個性が出てて良かった。

 特に、エピローグの、作中現在の主人公の疲れた雰囲気がうまく、

 また、あたかも伏線のように語られていた「男の涙」が、メインの終幕である、朝日新聞社退社日の「週刊朝日」カバーガールとの会話のときに為されるのではなく、数年後の、カッコ悪い焼き鳥屋の片隅で為されるのが、物語的な計算の行き届きが感じられた。

   ◇

 実は、客席には、私と彼女しかいなかった^^;

 でも、もっともっと多くの人々が見るべき作品だ。

                                                    (2011/06/02)
コメント (4)
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[東日本大震災 (東京での私の思い・51 「与党民主党考・125 地獄継続」)]

2011-06-02 18:35:33 | 保守の一考
☆とりいそぎ。

 内閣不信任案が衆院に提出され、可決されても否決されても、「いい傾向」になるだろうと考えていた。

 ただ、「衆院解散」されると、時間を食うなぁ、とは思っていた。

 多くの人は、自民党主導による内閣不信任案と、その結果による「政治空白」を憂慮しているが、

 想像力を限界まで張り巡らせて欲しい。

 震災が起こってからの、この三ヶ月間、民主党は何をやったか?

 いわんや、民主党政権が誕生してからの、このニ年間、民主党は何をやってきたのか?

 ゾッとするような政治空白が延々と続いていたのである。

 だったら、最悪、解散総選挙もやむなしか・・・。

 でも、菅であっても、いくらなんでも、そんなにもあからさまな「政治空白」の演出だけは出来まい。

 私が考えた不信任案提出の結果は、可決されても、僅差で否決されても、菅の次に選ばれる民主党の総理が、多少はまともな動きを見せてくれるだろう、ということだ。

   ◇

 私は、震災の初期・・・、民主党は大嫌いで、そもそも根本的に「政治」が間違っていると思っていたが、それでも、「状況が人を変える」と信じて、菅直人への批判を、極力、抑えていた。

 だが、菅直人は、全く変わらず、震災を拡大させていった。

 民主党は、この三ヶ月間、何もやっていない。

 ひたすらに現場の、末端の人々が遮二無二動き続けているだけだ。

 自民党は、野に下りて報道されなくなったが、個々の議員が、凄まじい救援・復興・支援活動を繰り広げていた。

 民主党議員は、何をしたらいいか分からず、国会をうろうろしていた。

   ◇

 ・・・今回、内閣不信任案は、否決された。

 そもそもが、情けなくも、民主党内の造反頼みの不信任案提出であった。

 結果として、造反はほとんど出なかった。

 最悪の、屈辱の結果だ。

 自民党の谷垣総裁は踊らされた形だ。

 しかし! 誰も、谷垣さんを責められないだろう。

 あの人は、安易な不信任案提出をずっと躊躇していて、回りの勢いを汲んだに過ぎない。

 ・・・この人は、真の保守人とは言い難いが、保守たる自民党の流れに添うことは出来る人だ。

 昨日の党首討論で、谷垣さんは、「倒閣後のビジョン」を問われ、明確に答えられなかった。

 当たり前である。

 自民党は与党ではないのである。

 菅以後の、「多少はマトモな民主党党首」に働きかけることしか、今は出来ないのである。

 自民党は在野の政党としては、充分、破格な活動を繰り広げている。

 小さな声で言うが、自民党が求めているのは、「大連立」後の、政権乗っ取りである。

 だが、そんな秘策までは吐露できない。

 にもかかわらず、谷垣さんを安易に批判しているヤカラは、やはり、想像力がないとしか言えない・・・。

   ◇

 踊らした形になっているのは小沢一郎だが、小沢一郎とて、苦渋の中であろう。

 この人も、悔しかろう。

 菅を下ろした後のビジョンが全くないことには変わらないのだ。

 何度も何度も、党を分裂させて、・・・でも、今回は先行きが見えない。

 とにかく、今は、「無能無策に右往左往する菅直人」だけは有害と考えたのだろうが、民主党の大立者としての自分も大事だ。

 かくして、小沢自身も、屈辱の中で、この結果に落ち着いた。

   ◇

 鳩山由紀夫は、バカであるから、何も考えていないだろう・・・。

 大震災の中で、友愛を掲げつつ、コイツほど、人としての情を持ち合わせていない男はいないだろう・・・。

   ◇

 ともあれ、地獄の悪夢はまだまだ続く。

 小沢が、菅居座り黙認の「落としどころ」と看做した言葉に「震災対応に目途がついた段階での退陣」があるが、

 はぁ、その「目途」とはいつまでなのでしょう。

 「目途」などつけられない「無能有為」の国政リーダーの、国家破壊行為の「目途」はいつまで続くのか?

 この人が満足しなきゃ、「目途」には至れないのだぞ・・・。

 被災者の、地獄の悪夢はまだまだ続く。

 被災者の、地獄の悪夢はまだまだ、続く。

                                                      (2011/06/02)
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