☆いやはや、ずーっとドキドキしっ放しで、今もまだドキドキしてますよ^^
愛する妻と子と幸せに暮らしていたジョンだったが、ある朝、突然、妻が殺人容疑で逮捕される。
妻は否認しているのだが、あまりにも状況証拠が揃い過ぎており、有罪は避けられない状態へ。
有能な弁護士、実の両親にまで「事実を見つめて」などと言われ、
そして、精神が不安定になった妻にまで不満をぶつけられ、三年の月日が流れる中で、ジョンは、妻を脱獄させる決意をするに至る。
長い時間をかけて、脱獄の作戦と準備を進めていく様に、私は次第にドキドキ感を募らせられる。
激しいアクションをしてなんぼのラッセル・クロウが、大学教授ゆえに頭は切れるのだが、等身大の男を演じていて、
その脱獄の作戦推考と準備進行が、「こんなにも一進一退でいいんかい」と思えるほどにリアルな描写で長~く描かれる。
だからこそ、この作品が、私たちが考えるような都合のいいアクションでないことと、ラッセル・クロウのジョンが、スタローンみたいな活躍をするわけでないことがよーく実感できる。
その、作戦推考と準備進行の長さは、それ自体がメインであるかのように長く、最後まで見終えると抜群なれど、その時点では、初期のキャスリン・ビグローの演出のようなバランスの悪さが感じられるほどに、過剰にドキドキさせられる。
だが、後半には、これでもかと脱獄作戦が描かれる。
前半とは異なった、直なドキドキに、私は画面から目が離せなかった。
ちょっとした間に深呼吸を余儀なくさせられた。
脱獄作戦の途中、大きなミスが生じ、息子を海外逃亡に連れて行けないという展開になったとき、妻は走行中の車から身を投げようとする。
どうにか無事に済むが、夫婦はハイウェイの脇に車を停めてへたり込む。
私は、この作品は、ここで終わりなのかと思った。
そういう結末なのかと思った。
しかし、それまでの展開で楽しんだので、これもありかと思った。
だが、違った。
ジョンは家族三人で、脱獄の完遂に挑むのだった。
この後も話は何度も起伏があるのだが、
ハッピーエンドの終局において、刑務所暮らしの母親を避けるようになっていた息子が、母親にキスをするシーンで、私はかなり感動した。
ジョンが主軸のようでいて、同じように、母と子の関係も作品中の折々で丁寧に語られており、だからこそ、この最後のキスシーンでグッときたのだ。
(2011/09/23)