『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『コンテイジョン』を観た(短信)]

2011-11-12 23:59:18 | 物語の感想
☆う~む、私は、その評価に悩んでいる。

 スティーブン・ソダーバーグ監督による「ウィルス感染症のパンデミック」ものである。

 描き方が、実に実にクールなのである。

 幾らでも、サスペンスやお涙頂戴ものに出来るのに、それをしないで、淡々と、状況を追っていく。

 「状況」が派手なので、その硬質さはキューブリック作品以上である。

 面白くしようと思えば、幾らでも出来ることをしていない。

 あえてしていないようだ。

 それは、ソダーバーグ監督の、先の『チェ』二部作で理解できていたことでもある。

 私は、映画と言うもののあり方を、「可能性」を考えさせられつつ、じっくり見た。

 シナリオにおいては、最低限の起伏は提供しつつも、作品は、そこで描かれる「人間」こそが大事なのだとばかりに、それぞれの役者の演技を引き出しているかのようだ。

 伝染病対策の最高責任者でありながら、事態の深刻さゆえに、インサイダー情報を恋人に漏らすチーヴァー博士(ローレンス・フィッシュバーン)。

 香港出張の折、第一感染者となるベス(グウィネス・パルトロウ)は不満のない家庭がありつつ、浮気をしていた。

 夫のミッチ(マット・デイモン)は、妻を亡くし、息子を亡くし、娘を守るために、近づく娘の恋人を遠ざける。

 チーヴァー博士の部下、ミアーズ医師(ケイト・ウィンスレット)は、自分自身が感染しつつ、朦朧とした意識の中、隣りのベッドで寒さに震える患者にジャンパーを渡そうとする(私は、この人、非常に演技派だと思っています^^)。

 WHOのドクター・レオノーラ(マリオン・コティヤール)は、ワクチン要求のため、香港のとある村の住人に誘拐されてしまうのだが、同僚が、偽のワクチンを渡し自分を解放したと分かるや、その村の住人に情を持ってしまっていたがゆえに茫然自失となり、失踪する。

 自称「フリー・ジャーナリスト」のアラン(ジュード・ロウ)は、政府による感染病対策への陰謀論をネット上で展開し、一躍、時の人となっていく。

 どの役者も、着実な最上の演技で、個々の役柄を魅せてくれる。

 けれんなどは全くない。

 クールに状況を追っていくことを一義とした演出スタイルだ。

   ◇

 音楽だけは、サスペンスフルで、それはそれでとても良かったし、

 マット・デイモンの娘役の子が、顔がちんまくて可愛かったぞ^^(名前が分からん)

 ・・・この作品は、福島第一原発事故による放射能ヒステリー、風評被害のパンデミックの渦中にある現在の日本人にこそ、見て欲しい作品である。

 ネット上の煽り屋・アランのような人間の言葉に、多くの人が乗せられているのが現状だ。

 アランのような人間って、自分が正しいことを言っていて、それに付随する嘘の数々は当然に許容されると信じ込んでいるので、始末に悪い・・・。

                                                      (2011/11/12)
コメント (6)
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