☆非常に面白かった。
ジャンルで言うと、ちょいハートフル・シュール・ファンタジー&コメディってとこか?
交際期間が長く、惰性で結婚、初夜にして倦怠期に突入してしまった二人が、ひょんなことから地獄を旅行することになり、そこでお互いの存在を再認識するに至る物語。
主演は竹野内豊と水川あさみ。
二人とも少々「若手」と言うには疲れが見えていて、それが役柄にあっている。
いや、私、美形の水川あさみ大好きですよ^^
ただ、芸名がちょいと演歌歌手っぽいね^^;
さて、何が面白いかと言うと、地獄の細部に渡っての描き込みだ。
ただ、ボテッと舞台だけ投げ出せば、クソつまらない作品になってしまったかも知れないが、
そこに、細やかなトピックをふんだんにぶち込んでいて、とても奥行きのある世界観となっている。
ヤマヨシデパート、一本道、メルクマル分離場、イイジマホテル、温泉、ナイトマーケット、奈落・・・、
それらを、屋上のバスタブ、背後のカーニバル、妙な赤い男達、エレベーターのない高層ホテル、ビーフシチューの湯、青い姉弟たち、運命を知る濡れ続ける男ら・・・、シュールさのギミックの数々が彩る。
クセのある役者(樹木希林・片桐はいり・荒川良々・でんでん・山里亮太・柄本明)も惜しみなく配していて、それぞれの物語に沿った熱演も笑えた。
何よりも面白いのが、そんな奇妙な世界に身を投じるのに疑問を持たない新婚倦怠夫婦であり、
その旅行の渦中でも、何やら、異性と長いつきあいを経た者ならば分かる会話の応酬が繰り広げられることである。
この会話がリアル^^
二人は憎みあっているわけではなく、ただお互いに物足りなさ・ちょっとした不満を感じている関係である。
お互いに、「何故?」「何故?」の思いがあり、自分が関係に良かれと考えるセリフを相手に言う。
それが微妙に伝わらず、見ているこちらは笑いを得る。
一番面白かったのが、青い可愛い娘・ヨシコ(橋本愛)の車に乗り、そのキャビネットに布と毛糸で編み込んで作られたコースターを見て、「可愛い~^^」と咲(水川)が手に取る。
それを見て、信良(竹野内)が「ああ、この編み込んだ部分が普通はおばさん臭いけど、これの場合はこの編み込んだ部分がいいんだよねぇ」と言う。
その「言わないでいい事を前置きにするセリフ感覚」って、日常生活でよく出くわすけど、なかなか文学(脚本)に定着させることは難しいと思う。
この作品の原作者兼脚本担当の人物(前田司郎)は劇作家だそうで、そのような「セリフ」への繊細な感覚が全編を覆っていて、非常に、見ている者の気持ちを引きつけ、優れているなぁと感じた次第。
作品内の地獄旅行が、私の経験したカンボジア旅行や、昨日一昨日の福島旅行と重なる点があったのも情緒的に加点の対象となった。
物語は終盤になって突然、「ああ!」と感嘆させられる感動展開になる。
顔を青塗りにした女の子に「美」を感じさせられるなんて、『アバター』以来だ^^
・・・美少女に胸はいらない^^v
・・・いや、主人公二人が、赤オニ軍団から逃げて、ホッと一息していたら、遠くの崖に、この青い娘が座っていて、「またなんかいるよ・・・。今度は青だよ」とか言うシュールさと言ったら、面白くてたまらないものがあるぞよ^^
(2011/05/16)
ジャンルで言うと、ちょいハートフル・シュール・ファンタジー&コメディってとこか?
交際期間が長く、惰性で結婚、初夜にして倦怠期に突入してしまった二人が、ひょんなことから地獄を旅行することになり、そこでお互いの存在を再認識するに至る物語。
主演は竹野内豊と水川あさみ。
二人とも少々「若手」と言うには疲れが見えていて、それが役柄にあっている。
いや、私、美形の水川あさみ大好きですよ^^
ただ、芸名がちょいと演歌歌手っぽいね^^;
さて、何が面白いかと言うと、地獄の細部に渡っての描き込みだ。
ただ、ボテッと舞台だけ投げ出せば、クソつまらない作品になってしまったかも知れないが、
そこに、細やかなトピックをふんだんにぶち込んでいて、とても奥行きのある世界観となっている。
ヤマヨシデパート、一本道、メルクマル分離場、イイジマホテル、温泉、ナイトマーケット、奈落・・・、
それらを、屋上のバスタブ、背後のカーニバル、妙な赤い男達、エレベーターのない高層ホテル、ビーフシチューの湯、青い姉弟たち、運命を知る濡れ続ける男ら・・・、シュールさのギミックの数々が彩る。
クセのある役者(樹木希林・片桐はいり・荒川良々・でんでん・山里亮太・柄本明)も惜しみなく配していて、それぞれの物語に沿った熱演も笑えた。
何よりも面白いのが、そんな奇妙な世界に身を投じるのに疑問を持たない新婚倦怠夫婦であり、
その旅行の渦中でも、何やら、異性と長いつきあいを経た者ならば分かる会話の応酬が繰り広げられることである。
この会話がリアル^^
二人は憎みあっているわけではなく、ただお互いに物足りなさ・ちょっとした不満を感じている関係である。
お互いに、「何故?」「何故?」の思いがあり、自分が関係に良かれと考えるセリフを相手に言う。
それが微妙に伝わらず、見ているこちらは笑いを得る。
一番面白かったのが、青い可愛い娘・ヨシコ(橋本愛)の車に乗り、そのキャビネットに布と毛糸で編み込んで作られたコースターを見て、「可愛い~^^」と咲(水川)が手に取る。
それを見て、信良(竹野内)が「ああ、この編み込んだ部分が普通はおばさん臭いけど、これの場合はこの編み込んだ部分がいいんだよねぇ」と言う。
その「言わないでいい事を前置きにするセリフ感覚」って、日常生活でよく出くわすけど、なかなか文学(脚本)に定着させることは難しいと思う。
この作品の原作者兼脚本担当の人物(前田司郎)は劇作家だそうで、そのような「セリフ」への繊細な感覚が全編を覆っていて、非常に、見ている者の気持ちを引きつけ、優れているなぁと感じた次第。
作品内の地獄旅行が、私の経験したカンボジア旅行や、昨日一昨日の福島旅行と重なる点があったのも情緒的に加点の対象となった。
物語は終盤になって突然、「ああ!」と感嘆させられる感動展開になる。
顔を青塗りにした女の子に「美」を感じさせられるなんて、『アバター』以来だ^^
・・・美少女に胸はいらない^^v
・・・いや、主人公二人が、赤オニ軍団から逃げて、ホッと一息していたら、遠くの崖に、この青い娘が座っていて、「またなんかいるよ・・・。今度は青だよ」とか言うシュールさと言ったら、面白くてたまらないものがあるぞよ^^
(2011/05/16)
こちらからTB&URLリンクができません。
コメントのみで失礼させていただきます。
夫婦のセリフがリアルでよかったですよね。
普通の会話なのにグッときました。
全体的に荒唐無稽なのに成立しているのがすごいです(笑)
濃すぎる脇キャラを2人がダラッと受け入れるので、妙な説得力がありました。
片桐はいりの腹話術がもう一度見たいです(笑)
全編これ、ゆる~い流れで、私たち自身も温泉でだら~んとしているような楽しさがありましたよね^^
私、昔、下北沢駅のドトール(今あるのかな?)で片桐はいりを見かけたことがあります。
彼女も歳を経ましたなぁと思いました^^