雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

湘南新宿ライン。

2009-11-29 15:45:53 | …and so on
親類から解放され、今しがた帰宅しました。鎌倉とはいっても、どちらかというと大船近辺に用があったらしく、JR大船駅周辺をウロウロしておりました。おかげで、人混みの小町通を歩かなくて済んだのは何よりでした。「せっかくここまで来てるのだから(自分が用足しをしている間に)鎌倉にでも行ってきたら?」というありがたいお言葉を頂戴したのですが、お気持ちだけありがたくいただき、カフェに篭って本を読んでいました。池袋から湘南新宿ライナーなるものに初めて乗りましたが、便利になったものですねぇ。昔は、いずれにしろ東京か品川で乗り換えなければならなかった記憶がありますが、池袋-大船間が乗り換えなしで普通でも1時間ぐらい、快速だと50分足らずで行けてしまいます。もっと本数が少ないのかと危惧していましたが、意外なくらい本数も多くて、東海道線・横須賀線近辺に行くのがそれほど億劫でもなくなりそうです。

電車の往復とカフェに篭っている間に村上春樹が再訳した「グレート・ギャツビー」を読了しました。昔、旧訳のは読んだ記憶があるのですが、実のところ筋も何もかもすっかり忘れておりました。訳者あとがきで、村上春樹が「自分に影響を与えた本を1冊だけ上げろといわれたら、やっぱりこの本だろう」と、作家としての彼にはあまり見られないようなアツさみたいなものが伝わってきました。確かに、とても面白かったし、ある意味悲しい小説だったんだなぁと。300ページちょっとぐらいの小説ですが、一気に読めてしまいました。もちろん、村上春樹自身が書いているように、フィッツジェラルドの言葉の持つリズムやその他を考えれば原書を読んでみるに越したことはないのかもしれません。が、村上春樹は、ただ英語が分かる程度ではこの小説の持つ揺らめきみたいなものが掴めないだろうとも書いているのです。いずれにせよ、原書を読むだけの英語力などあるわけもないワタクシは、ある意味村上春樹の翻訳家としての集大成的な「グレート・ギャツビー」を堪能した次第。それもあって、池袋-大船間を退屈せずに過ごせたわけです。気疲れはしましたが、なかなか面白い3日間でした。