＊ 贈ることば・・ ＊

＊ 日々を重ねて はや一年に・・ ＊

一年前の七月一日、私たち家族はハワイ、オアフ島にいた。

シェラトン・ワイキキのベランダからダイアモンドヘッドの上に輝く月は満月であった。
統一され華やかさはないけれど、落ち着いたネオンの色の街並みを眺めながら月の光を浴びながら、寄せる波の音を心地よく聞きながら、そして冷たい風・・。
それぞれが思い思いにハワイの夜を満喫していた挙式の前日。

翌日はお店の方やお客さま、我が家とお嫁さん愛ちゃんの家族総勢１８名での挙式。
リムジンの二人、列席者の車はオアフ島南端のセント・カテリナ教会へと向かう。
車窓から見る景色はやはり違う。　海の青さも空の青さもそして風の匂いも。　それは今日と言う日が幸せな日だからいっそうのこと？

紺碧の海をバックにした教会はとても素敵であった。
愛ちゃんと、早足歩きお父さんの青いバージンロード、二人を待つ息子。　
もうそれだけで胸がいっぱいである。　式の進行とともにみんなが感激の涙、涙。　
長いお付き合いでゴールインする二人。　飾らずに素朴に真面目に頑張って来た二人の愛の勝利。

大切に育てられた娘を手放す愛ちゃんのご両親の思いは・・。
愛ちゃん、息子にはもったいないくらい美しすぎる花嫁・・、どんな思いであろう、
我が家族の中へ入って行くと言う思い・・。　

牧師さんの言葉をひと言ひと言、きちんとうなずく愛ちゃんの姿は美しく愛おしい。
愛ちゃん・・みんなであなたを守るから・きっと大切に守るから・・心の中でそうつぶやいた。
夫も、娘達もみんなそう思っていたであろう。　涙が止まらなかった。

当日は二人で式をあげたカップルばかりだったと言われ、二人を心から祝う沢山の人達の中で挙げられたと言う事はどれほど幸せであろうか。　お店の大将やおかみさんをはじめ、皆さんにいかに大切にして頂いているか、今まででもそう感じているけれど、余計にその事を感じた。　
お店で手配して下さっていた夜の祝宴の色々な企画に、細やかな愛情をいっぱい感じたから。

何よりもこれから、長いお付き合いする愛ちゃんのご家族と過ごしたハワイでの日々は、よりお互いの家族同士が心を深めるのにふさわしく楽しく有意義な日々であった。

昨夜夜中に、愛ちゃんにお祝いのメールをした。　本当ならみんなでお祝いする予定だったが、せっかくの休日記念日を二人で過ごさせてあげたかったし、この次にと言う事で。
愛ちゃんからすぐに返事が返って来た。　「ありがとうございます。　ハワイから一年・・早いですね・・、またご飯誘って下さい」

ハワイ挙式だったから親戚の方には申しわけ無かったけれど、愛ちゃんの家族とはその後も親しくお付き合いが出来ている。　愛ちゃんは三人姉妹、我が娘達は楽しく彼女達と交信しあっている。

私達は、遠くて鹿児島に帰省も中々ままならない愛ちゃんのご家族へ、せめてもと、我が子と同じく彼女を大切にして行きたいと。　その事をいつも心の中で誓っている。

息子、そして愛ちゃん・・ゆっくりと、そして一歩一歩素敵な夫婦になれるように努力して行ってね。　みんなで応援するから。　みんなで見守っているから。
いつも多くの人達の中で、今の二人があると言う事を、決して忘れないように・・。