** 蓬餅(よもぎもち)・草の餅(くさのもち)・母子餅(ははこもち)・草団子(くさだんご)
両の手に桃と桜や草の餅 ・・・・・ 芭蕉
草餅や片手は犬を撫でながら ・・・・・ 一茶
大仏に草餅あげて戻りけり ・・・・・ 正岡子規
餅菓子の一種で、
口に入れると蓬の香りがふわっと広がります。
草餅の作り方には餡を用いるもの、用いないもの、
の2通りがあります。
まず薬草とされる香りのよい蓬の若葉を摘みます。
一つは、蒸した糯米(もちごめ)と蓬を搗き混ぜて延ばして、四角く切ったもので、
主に切り餅や菱餅にします。
もう一つは、蓬を茹でて灰汁を抜き、細かく刻み、
餅(上新粉や白玉粉をこねて蒸したもの)に搗き込んだもので、
美しい緑色の餅で餡を包んだり、
餡なしできな粉や糖蜜、黒蜜をかけて食べるもの、
あんが別添えになったものなど、供されます。
草餅に使う「草」は、
平安初期、上巳の節供には母子草が用いられ、
母子餅とよばれていましが、
江戸時代には雛祭りとして広まってゆき、
母子草に代わって蓬が用いられるようになったとみられます。
現在では草餅といえば蓬餅を指します。
* 「蓬と傍題に蓬生・蓬萌ゆ」は 植物の部に、
「草餅」「摘草の傍題に蓬摘む・蓬籠」は生活の部に記載されています。
* 蓬(三春)・蓬摘む(三春)・
縁側に猫深眠るよもぎ餅 ・・・・・ みなみ
ヨモギ (蓬)
[キク科ヨモギ属の多年草]
2022/04/18 撮影