◉ 裸木 (はだかぎ)・枯枝 (かれえだ) ・枯木立 (かれこだち)・枯木道(かれきみち)・枯木宿 (かれきやど)・枯木星 (かれきぼ )
内井戸や日深き枯木二三本 ・・・・・ 渡辺水巴
枯枝に残月冴ゆる炊ぎかな ・・・・・ 杉田久女
目を細むあまり枯枝の細かさに ・・・・・ 松本たかし
冬に入り、すっかり葉を落とした落葉樹のことで、
まるで枯れたように見える状態の木のことを言います。
木の名前をつけて
「枯欅」「枯銀杏」「枯柳」などの言葉で
言うこともあります.
青空の枯木に凭りて飽かずをり ・・・・・ みなみ
↑ 2010/12/15 撮影
深大寺周辺は豊かな樹林と清水に恵まれ、
江戸期から明治の始めまでは深大寺村と呼ばれ、
1889年(明治22年)に深大寺村と近隣の村などが合併して
「神代村」が誕生しました。
1940年(昭和15年)に東京府はこの地に都市計画緑地(防空大緑地)の一つを計画し、
この地に約71万㎡の用地を買収・徴収し「神代緑地」と名付け、
造成が始まりました。
戦前は苗圃(びょうほ)として使われ、
戦中、戦後は食糧不足のため耕作地に転用されました。
戦後に多くの土地が農家に返されました。
1952年(昭和27年)に神代村が神代町に,
1955年(昭和30年)には調布町と神代町が合併して、調布市になりました。
1957年(昭和32年)に「神代緑地」の一部を開園し、
1961年(昭和36)に名称も「神代植物公園」とあらためて開園されました。
いまでは「神代」という名は、神代植物公園にのみ残っているそうです。
都立・神代植物公園
武蔵野の雑木林など豊かな面影が残る神代植物公園は、
開園面積 476,637.41m。
園内の樹木、花木はほとんどが開園に際して移植されたもので、
約4,500種類、10万本の樹木が植えられています。
植物に親しみ、楽しみながら植物の知識を得られるように、
園内の植物は、つつじ園、うめ園、はぎ園・ばら園・ぼたん園・しゃくやく園など、
種類別、形態別などに分けられて配置され、
大温室には熱帯、亜熱帯の珍しい植物も集められています。
また、日本に古くから伝わる花木の園芸品種を集め、
これを保存栽培することなどの取り組みが行われています。
四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができ、
梅や桜の名所としても知られています。
正門から入ってまず目に付いたのは、
蜜柑のような小さい実をたくさん付けた、橘でした。
温室へ向かい、
熱帯睡蓮・ベゴニア・洋蘭などを見てから、
思っていたよりも花を付けている薔薇園を横目に眺め、
生垣見本のところへまいりきした。
生垣に用いられる木の種類の多いことを改めて感じながら、
丁寧に見て回りました。
雑木林の落ち葉を踏みながら深大寺門に向かいました。
葉を落として明るくなった雑木林の中の楓紅葉は、
静かに落ち着いた美しさを湛えていました。
このような冬紅葉に出会えたことは、新鮮な喜びでした。
2010/12/15 撮影
…タチバナ
…サクラの冬芽
…キンカチャ(温室)
…良い香りのバラ
…カラスウリ
…冬のモミジ
…ゾウキバヤシ
深大寺に詣で、
冬枯れの水生植物園へと向かいました。
水生植物園
本園から深大寺を挟んで南東(国分寺崖線の直下)に位置し、
湧水のある谷戸地形を利用して、
低湿地に木道が敷いてある回遊式の水生植物の分園です。
低湿地に加えて隣接する台地上の林間散策路は、
深大寺城趾として指定された史跡となっており、
空堀や土塁を確認することができます。
2010/12/15 撮影
…冬芽
…枯野
…ハンノキの雄花穂と小さな雌花穂
◉ 蔦枯る (つたかる)
石崖の大石に蔦枯れ渡り ・・・・・ 高浜虚子
蔦枯れて一身がんじがらみなり ・・・・・ 三橋鷹女 [羊歯地獄]
蔦千条枯れなんとしてあらあらし ・・・・・ 有馬籌子
美しく紅葉したナツヅタの葉が枯れ落ちて、
蔓があらわになった状態を「枯蔦」といいます。
葉をすべて落とした蔦が
大樹や石垣・塀・壁などに、
巻きひげの先端にある吸盤で張り付いて
拡がっている光景には、
独特な趣があります。
* 冬に葉のあるキヅタは「冬蔦 (三冬)」として区別しています。
* 蔦の芽 (仲春)・蔦の若葉 (晩春)・青蔦 (三夏)・蔦 (三秋)
[ ブドウ科ツタ属の落葉蔓性木本 ]
大いなるアパートの蔦枯れ尽す ・・・・・ みなみ
ツタ (蔦)
日本では、
北海道~九州にかけて、
温帯の山林や岸壁・石垣などに自生しています。
長さ1~15m。
茎は大きいもので径約4㎝に達します。
巻ひげは葉の反対側に出て、小型で枝分かれし、
先端部の丸い吸盤で他のものに吸着して、岩や高木にも登ります。
葉は長い柄を持ち、広卵形~卵形で鋸歯があり、
表面は光沢が強く、両面ともほぼ無毛、互生します。
短枝(花の枝)葉は大型で浅く3裂し、長さ5~18㎝、葉柄は5~20㎝です。
若い枝や長枝の葉は小型で通常は不分裂、時に三出複葉、鋸歯は大きく少数です。
秋には紫~赤~橙色に美しく紅葉します。
花期は、6~7月。
短い花序を短枝の先端に出し、黄緑色の小さい両性花が集まって付きます。
花弁は5個で、雄しべは5本、雌しべは1本です。
萼は切形です。
果実は、小さい球形の液果で、黒紫色に熟します。
庭木や壁面の緑化に用いられています。
名は、「伝う」の意味から付いたと言われています。
別名 : ナツヅタ(夏蔦)
↑ 2011/11/26 撮影…勘治郎
2011/11/27 撮影…勘次郎
2010/12/05 撮影…獅子頭、銀杏落葉の皇居東御苑
[ ツバキ科ツバキ属の常緑中低木、原産地不明 ]
シシガシラ (獅子頭)
サザンカとヤブツバキとの交雑種という説や
山茶花の園芸品種という説や
国種との交雑種などという説があります。
寒椿は、古く獅子頭と呼ばれていましたが、
関東では「寒椿」と呼ぶようになり、関西では今でも「獅子頭(ししがしら)」と
呼ばれています。
樹高は、約1m。
葉は、細長い卵形で先は尖り、縁には鋸歯があり、
互生します。
花期は、12月~2月。
花は、仄かな香りのある
紅い中輪の八重咲きで、
花弁と雄しべが合着し、花弁は1枚ずつ散ります。
果実はさく果です。
矮性で枝が横に広がる性質を持っているので、「這い寒椿」とも呼ばれます。
シシガシラから生まれた園芸品種群を「カンツバキ」と呼ばれています。
カンジロウ (勘次郎)
獅子頭と山茶花の交雑種園芸品種群は、
立ち上がる性質を持っているので「立ち寒椿」と呼ばれ、
その一つに「勘次郎(かんじろう)」があります。
樹高は、約3m。
葉は、山茶花に似ています。
花期は12月~2月。
八重咲の紅い中輪の花を次つぎと付けます。
花弁と雄しべが合着し、花弁は一枚ずつ散ります。
広く庭木や鉢植えにされ、
刈り込みに強いので生垣にも用いられています。
カンツバキ群には、
雄しべが半ば花弁に変化するものがあり、
八重咲きや千重咲きのものも多くあります。
千重咲きには、
白花の富士の峰(開花11~1月)、
薄紅色の乙女山茶花(開花11~2月)。
八重咲きには、
白花の朝倉(開花10~11月)、
白花の姫白菊(開花11~12月)など
いろいろな品種があります。
草庭の勘次郎には、
目白やヒヨドリが蜜を吸いに来ます。
勘次郎 ( 立ち寒椿 )
2011/10/28 撮影
2011/11/17 撮影
2011/11/20 撮影
2011/11/23 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/27 撮影
2011/11/28 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/26 撮影
2011/11/26 撮影
2011/12/10 撮影
< 2010 年 >
2010/11/30 撮影…つぼみ
2010/12/09 撮影
2010/12/10 撮影
2010/07/02 撮影…実
2010/12/03 撮影…種の零れた後の実
↑ 2010/12/05 撮影
皇居東御苑
旧江戸城の本丸と二の丸・三の丸の地域で、
面積は約21万㎡あります。
出入り口は,大手門・平川門・北桔橋門です。
ゆったりとした空間に
芝生広場・武蔵野の雑木林・各都道府県の木などあって、
季節の花が見られ、約280本の桜も楽しめます。
二の丸庭園
徳川家光の命令で小堀遠州が作ったという庭園を復元したものです。
石垣だけが残っている天守閣跡、
同心番所・百人番所、三の丸尚蔵館などがあります。
所属する俳句会の自由吟行が
皇居東御苑で行われました。
天が寿ぐような青空に恵まれて、
朝の御苑の木々が輝いていました。
2010/12/05 撮影
…ジュウガツザクラ
…ムラサキシキブの実
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…カンツバキ
…ミヤマシキミ
…ミツマタの蕾
…ホオの落葉