しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

葛の花 ( くずのはな ) <季> 初秋

2013-09-29 |  秋の草木 の 俳句

◉ 葛 (くず) ・ 真葛 (まくず) ・ 葛かづら ・ 葛の葉 ・ 真葛ヶ原 (まくずがはら) ・ 葛の雨

山路に石段ありて葛の花 ・・・・・ 高浜虚子
花葛の谿より走る筧かな ・・・・・ 杉田久女
あなたなる夜雨の葛のあなたかな ・・・・・ 芝不器男

秋の七草の一つに数えられています。
葉に隠れがちな花に、
控えめな美しさがあります。
一方、繁殖力が強くはびこるので、
厄介な雑草とも見なされています。

  [ マメ科クズ属の蔓性多年草 ]

刈られたる蔓草の中葛の花 ・・・・・ みなみ

クズ (葛)
日本では、
北海道~九州にかけて
山野や道端などに自生します。
蔓の長さは、5~10m。
根は肥大し、
茎の基部は木質化します。
葉は大きく、裏面が白っぽい3出複葉で、
小葉は菱状卵形、長さ幅とも10~15cmです。
花期は、7~9月。
葉腋から花穂を出し、
香りのよい紅紫色の蝶形花を
総状に付けます。
果実は莢果(きょうか)です。
茎の皮から繊維をとって葛布(くずふ)を織り、
蔓で行李を作るなど、広く利用されています。
また根からデンプン(葛粉)をとり、
和菓子の材料として葛切・葛餅・葛湯などに利用します。
根を生薬の葛根(かっこん)として、
発汗・解熱薬などに用います。
名は、奈良県の国栖(くず)が葛粉の産地であったので
付いたそうです。
 
2010/10/29 撮影…莢果(きょうか)


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カラスビシャク ( 烏柄杓 )

2013-09-14 |  7月 の花たち

                                     ↑ 2013/09/01 撮影

 2013/09/01 撮影   

[ サトイモ科ハンゲ属多年草 ]

日本では、
北海道~九州にかけて
山地の道端や畑地に自生します。
畑で繁殖し農家を困らせる雑草で、
古くに帰化した史前帰化植物と考えられています。
草丈は、20~40cm。
地下に小型の球茎があります。
葉は、根出葉のみで1~2枚、
卵状楕円~披針形の先端が尖る3小葉からなり、
長さ8~16cmの長い葉柄を持ち、
球芽を付けます。
花期は、5~8月。
花茎の頂に、紫を帯びた緑色の仏炎苞を付け、
中に肉穂花序を立てます。
基部が背面で仏炎苞と合着し、
先は細長い付属体になります。
その下部の片側に雌花を付け、
その上の全表面に1cmほどの雄花を付けます。
雄花は無柄の葯2個から、雌花は1個の子房のみからなり、
共に花被はありません。
根茎の外皮を除いて水洗いし乾燥したものを
生薬の半夏(はんげ)といい、
鎮吐作用があって、
悪阻(おそ)・急性胃炎・神経性嘔吐などに用いられます。
名の半夏は、七十二候の一つ「半夏生」に
半夏が生ずることから付いたそうです。
別名 : ハンゲ(半夏)

毎年浦島草の花が済み少し経ってから
見かけていましたが、
今年は遅く、今ごろになって
思わぬ所にひょつこりと顔を出し、
仏炎苞を付けています。


2013/09/01 撮影

2013/09/03 撮影

2013/09/06 撮影

2013/09/08 撮影  〃 

2013/09/09 撮影

 2013/09/11 撮影  〃 


 2013/09/13 撮影 

2013/09/14 撮影  
〃 



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ヤブミョウガ ( 藪茗荷 )

2013-09-01 |  8月 の花たち

                                    ↑ 2013/07/31 撮影
  
2013/08/03 撮影…花 

2013/10/11 撮影…実

[ ツユクサ科ヤブミョウガの属多年草 ]

日本では、
本州関東以西~沖縄にかけて、
山野の林下や竹薮などのやや湿ったところに群生します。
草丈は、50~90cm。
地下茎は細長く横に這い、各節から根を出します。
地上茎は直立します。
葉の基部は円筒形の鞘となって茎を包み、
葉は、長楕円形で長さ15~30cm、幅3~6cm、
先はとがり、表面がざらつきます。
花期は、8~9月。
茎の上部に、数段に分かれた円錐状の集散花序を付け、
径約8mmの白い小花を開き、
葉腋からも細い花茎を伸ばして花を付けます。
全体に毛があります。
1株に両性花と雄花をつけ、
ともに花弁は白色卵円形で3枚・雌しべ 1本・雄しべ6本・葯黄色・萼片白色3枚と似ていますが、
両性花の方は長い花柱の先についた雌しべが目立ち、
雄花の方は花柱が短く、黄色い葯を付けた雄しべが目立ちます。
朝咲いて夕方にしぼむ一日花です。
果実は液果、径5mmのほぼ球形で、
初秋にかけ藍色に熟します。
名は、葉が茗荷に似ていること、
藪などに生えていて有用植物ではないこと、
から付いたそうです。

思わぬ所にひょっこりと顔を出しました。
花から実が熟すまでの期間が短く、
淡緑~茶~青~藍と実の色の変化が良くわかる植物です。


2013/07/28 撮影…a

〃 2013/07/31 撮影
〃…a
〃…b午前 〃…b午後
〃…葉

  
2013/08/03 撮影
〃…a 〃…b

2013/08/05 撮影
〃…a 〃…b

〃2013/08/09 撮影
〃…a 〃…b

2013/08/12 撮影 〃 
〃…a 〃…b

2013/08/15 撮影

2013/08/20 撮影…a 〃 〃…b

2013/08/26 撮影…a 〃…b

2013/08/28 撮影…a 〃…b

2013/08/31 撮影…a 〃…b

2013/05/01 撮影…a  〃…b

2013/09/03 撮影…a  〃…b

2013/09/06 撮影…a  〃…b

2013/09/09 撮影…a   〃…b

2013/09/19 撮影…a  〃…b

2013/10/11 撮影

2013/10/19 撮影

2013/11/25 撮影 


 


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