しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

犬蓼 ( いぬたで ) ・・・ [ 東京都 ] < 9月 >

2010-09-23 |  雀の足あと ・・ 秋

                           ↑ 2010/09/15 撮影

住宅地の道端に咲いていました。
思わずパチリ。
小さな赤い花や実をお赤飯に見立てて、
アカマンマと呼んで、ままごとなどに使い、

親しまれて来ました。

[ タデ科イヌタデ属の一年草 ]

イヌタデ (犬蓼)
日本では、
北海道~沖縄にかけて、
道端や畑、荒れ地などに普通に自生します。
草丈は、20~50cm。
茎はやや赤みをおび、
基部は地を這って、枝分かれして立ちます。
葉は、短い柄を持ち、広披針形〜披針形で長さ3~8㎝、
先は尖り、基部はくさび形、互生します。
托葉鞘は長さ7〜8㎜の筒形で、縁に長い毛があります。
花期は、6~10月。
茎や枝の先に長さ1〜5㎝の花穂を出し、
紅色の小花を多数付けます。まれに白色の花もあります。
花被(萼片)は長さ1.5〜2㎜で5深裂し、花のあとも残ってそう果を包むます。
雄しべは8本、花柱は3本です。
果実は、痩果で3稜形で光沢のある黒色です。
名は、ヤナギタデに対して、葉に辛味がなく食用にならないタデの意味から付いたそうです。
別名 : アカマンマ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤブラン ( 藪蘭 )

2010-09-21 |  9月 の花たち

                                 ↑ 2010/09/21 撮影

2011/09/27 撮影…斑入り

[ ユリ科ヤブラン属の常緑多年草 ]

本州~沖縄にかけて、
山野の樹林の陰などに自生します。
草丈は、30~50cm。
根茎は太く短く、かたい木質です。
ひげ根は細長く、時おりふくれた部分があります。
地下に匍匐枝は出しません。
葉は、線形または線状披針形で長さ30~60㎝、幅0.8~1.2㎝、 
先は鈍頭、基部は細くなっ不明瞭な柄になり、
多数の葉が重なつて根生します。
表面にはに光沢があって深緑色、上部が垂れ下がります。
花期は、8~10月。
花茎は高さ30~50㎝になり、
淡紫色の小花が3~5個集まって多数総状に付きます。
花被片は6個で長さ4㎜です。
雄しべは6個、花糸は屈曲していて太く、葯は長いです。
果実は、蒴果で未熟のうちに破れ、
裸出した種子は径6~7㎜の球形で緑黒色に稔り、光沢があります。
斑入葉などの園芸品種もあります。
根は薬用に使用します。
名は、藪に生え、葉が蘭に似ていることから付いたそうです。

日向から日陰まで適応力が強く丈夫で、
根張りがよく確りした株になるので、

石組みなど土が流れないように植えています。


2011/08/20 撮影
2011/09/16 撮影
2011/09/18 撮影


< 2010 年 >
2010/09/21 撮影…つぼみ

2010/12/03 撮影…熟した実


2010/10/02 撮影…斑入りヤブラン(別名・ノシメラン)

2019/09/12 撮影…斑入りヤブラン
2022/11/13 撮影…斑入りヤブランの実


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石榴 ( ざくろ ) <季> 仲秋

2010-09-20 |  秋の草木 の 俳句

◉ 柘榴 (ざくろ)・実柘榴 (みざくろ)

柘榴くふ女かしこうほどきけり ・・・・・ 大 祗
石榴赤しふるさとびとの心はも ・・・・・ 高浜虚子
柘榴割る鍵屋が辻の古き碑に ・・・・・ 長谷川かな女

シルクロードを伝わって
平安時代に渡来したと言われます。
独特の風情があり、
庭木や盆栽などにして珍重されてきました。
果実は大きく、
熟すと橙赤色になって果皮が割れ、
深紅の外種皮がのぞきます。
果肉は多汁で甘く酸味があり、
生で食べたりまたは果実酒などにします。
果汁はグレナディンシロップに利用されます。
仏が鬼子母(きしも)を諭し
「人の子を食べようとする時には、かわりにこれを食べよ」
と石榴の実を与えたという説話は
広く知られています。
* 石榴の花 (仲夏)

  [ ザクロ科ザクロ属の落葉高木、ペルシア・インド原産 ]

石榴の実愚痴を言ふてもはじまらぬ ・・・・・ みなみ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タマスダレ ( 玉簾 )‥‥‥「ゼフィランサス・カンディダ」

2010-09-19 |  9月 の花たち

                                 ↑ 2010/09/18 撮影



[ ヒガンバナ科タマスダレ属の常緑多年草、南米ペルー原産 : 毒 ]

明治初年に渡来し、観賞用に栽培されています。
人家の周辺などにしばしば野生化しています。
草丈は、15~30cm。
ラッキョウ型の鱗茎は円形で、よく分球して殖えます。
葉は群がって根生し、丸みを帯びて細長く、質は厚く深緑色です。
花期は、7月~10月
葉の間から花茎を出し、その先に白い花を上向きに付けます。
花被片は6枚で長さ約2㎝の長楕円形、
基部は互いに合着して、短い筒部となります。
雄しべは6本、花柱は白色で柱頭は3個に分かれています。
苞葉は膜質で2裂し、紅色を帯びています。
花は陰地では半開し、陽地では平開して、夜に閉じ、
2・3日咲き続けます。
果実は、蒴果でつぶれた球形です。
名は、純白の花を玉に、棒状の葉が集まっている様子を簾に
見立てたことから付いたそうです。

以前は露地植えにしていましたが、
丈夫で増えすぎますので、

今は鉢植えにしています。


2010/09/15 撮影

2010/09/15 撮影…つぼみ


<  2018 年  >
2018/09/07 撮影

2018/09/10 撮影

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茸 ( きのこ )

2010-09-18 |  9月 の花たち

                          ↑ 2010/09/15 撮影

こんな茸が突然生えました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シソ ( 紫蘇 )‥‥‥「アカジソ(赤紫蘇)」

2010-09-15 |  9月 の花たち

                             ↑ 2010/09/14 撮影…アオジソ

2010/09/14 撮影…アオジソの花と若い実

[ シソ科シソ属 の一年草・中国南部原産 ]

牧野博士はアカジソの品種を標準型に分類しています。
古くに渡来し、畑に栽培されて多くの栽培品種があります。
草丈は、50~100cm。
全体に芳香があります。
茎は四角形で直立し、分枝します。
葉は、長い柄を持ち、広卵形で長さ6~10㎝、先は尖り、基部は広いくさび形または円形、
質はうすく軟らかく紫色となり、縁には粗い鋸歯があって、対生します。
花期は、7月~9月。
花は、枝先と上部の葉腋に総状花序を出し、
淡紫色の小さな唇形花を多数密に付けます。
花冠は筒部が短く5裂し長さ6㎜、下唇は上唇よりやや長めです。
雄しべは4本です。
花の下には小形の苞葉があります。
萼は5裂し唇形で、筒部には立った長い毛があり、上唇は3裂、下唇は2裂します。
果実は、4個の分果(種子)で球形~短卵形、宿存性の萼の底にあります。
葉は梅漬に用いられ、果実は塩漬けにして食用にします。
また香辛料・薬用とします。
アオジソ(青紫蘇)は葉が緑色で花が白色の品種です。
アントシアン系の色素の有無によって、赤ジソ系と青ジソ系に分けられ、
利用の形によって、芽ジソ・葉ジソ・穂ジソ・実ジソに区別されます。
梅干しや芽ジソには赤ジソ系が、葉ジソには主に青ジソ系が用いられます。
名は、漢名を蘇または紫蘇と言ったことから付いたそうです。
古名は、イヌエ(以奴衣)・ノラエ(乃良衣)

毎年、アオジソが零れ落ちた種から自然と生えてきます。
若葉を摘んで薬味や天ぷらに
重宝しています。
友人から手作りの美味しいゆかりを戴きます。



2010/10/05 撮影…実


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荻の声 ( おぎのこえ ) <季> 初秋

2010-09-10 |  秋の草木 の 俳句

◉ 荻の風 (おぎのかぜ)・荻吹く (おぎふく)・ささら荻

荻吹くや燃ゆる浅間の荒れ残り ・・・・・ 太 祗
荻吹くや提灯人を待つ久し ・・・・・ 高浜虚子
風の音や汐に流るる荻の声 ・・・・・ 幸田露伴

「荻の声」は秋の初風が荻の葉に吹いて立てる音を言います。
荻はススキ属で芒(すすき)に似ていますが
株立ちにならず、
長く伸びた地下茎の節々から
茎を1本ずつ出して大きな群落を作ります。
その茎から線形の葉が出て
茎頂に淡紫色の花穂を付け、
やがて銀白色の毛をなびかせます。
葉は柔らかく芒のように手を切ることはありません。
荻は昔から秋を知らせる草として、
細い葉の風にそよぐ音が
和歌や俳句に詠まれています。
* 荻 (三秋)
  
  [ イネ科ススキ属の多年草 ]

一徹の男と暮らす荻の風 ・・・・・ みなみ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藪枯らし ( やぶからし ) <季> 初秋

2010-09-08 |  秋の草木 の 俳句

                           ↑ ヤブカラシの花
◉ 貧乏蔓 (びんぼうかずら)


学荒ぶヒマラヤシーダへ藪からし ・・・・・ 中村草田男 [銀河依然]
月の出て蔓先潤ふ藪からし ・・・・・ 岸田稚魚 [負け犬]
青虫の肥えて露吸ふやぶからし ・・・・・ 稲葉松影女 (雲母)

繁殖力が強く
至るところに生え、
巻き鬚を絡ませて木などを登り
覆ってしまいます。
茎や葉には独特のにおいがあり、
抜いてもなかなか根絶できない
厄介なものです。

  [ ブドウ科ヤブガラシ属の蔓性多年草 ]

藪からし北へ北へと雲とびて ・・・・・ みなみ

ヤブガラシ (藪枯らし )
日本では、
各地の平地や丘などの藪や生垣などに
見られます。
長く伸びた地下茎の
ところどころから出た芽が
蔓性の茎となって成長します。
草丈は、2~4m。
巻きひげは葉に対生して付き、2分します。
葉は柄をもち、
鳥足状複葉で5個の小葉に分かれ、互生します。
花期は、6~8月。
葉腋から出た上が平らな散状の集散花序に
淡緑色の小花を多数つけます。
短い柄のある花径5㎜位の4花弁です。
花弁が落ちると
白い雌蕊と淡朱色の花盤が残ります。
果実は液果です。
夏から秋の間の全草を天日に干し、
生薬の烏瀲苺(うれんぼ)として
利尿・鎮痛・神経痛・解毒・虫刺されなどに用います。
葉になる前の芽先の軟らかいところを
塩を入れた湯でゆで、
何度も水をかえアクを抜き、
含め煮や三杯酢にして食べるそうです。
名は、繁茂して藪さえも枯らしてしまうことから
付いたそうです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

含羞草 ( おじぎそう ) <季> 晩夏

2010-09-05 |  夏の草木・その他 の 俳句

◉ 知羞草 (おじぎそう)・眠草 (ねむりぐさ)

含羞草いつも触れゆく看護婦あり ・・・・・ 石田波郷 
含羞草夜は文机にやすまする ・・・・・ 石川桂郎
ねむり草眠らせてゐてやるせなし ・・・・・ 三橋鷹女 [白骨]

夏から秋にかけ、
可愛い淡紅色の美しい花を次々と咲かせます。
刺激に対して敏感に反応し、
葉に触れるとたちまち小葉が閉じ
葉柄がおじぎするように垂れて、
しばらくすると元の姿に戻ります。
また夜になると葉を閉じ眠ったように見えます。

  [ マメ科ミモザ属の多年草、ブラジル原産 ]
    ( 元来は多年草ですが、日本では一年草となります。)

おじぎ草ふざけん坊の子とふたり ・・・・・ みなみ


子供がつい触れてみたくなるような
楽しい草花ですが、茎にとげがあります。

オジギソウ (含羞草)
江戸時代後期に渡来し、観賞用に栽培されています。
草丈は、20~30cm。
茎は褐色の細毛と鋭い刺があり、よく分枝します。
葉は、長い柄を持ち、
柄の先に2対の羽片を掌状に付けて、互生します。
それぞれの羽片に多数の広線形の小葉を対生して並べます。
夜間や刺激を受けたときには速やかに閉じる性質があり、敏感に開閉運動します。
花期は、7~9月。
葉腋から長い柄のある花序を数本出し、
淡紅色の小花を1㎝ほどの球状に密集して付けます。
花弁は4裂し、長い雄しべは4本、雌しべは1本です。
萼はほとんど不明です。
果実は莢果(きょうか)で、表面に毛があります。
名は、葉に触れると葉柄がおじぎするように垂れ、
小葉が閉じるところから付いたそうです。
別名 : ネムリグサ(眠り草)

2010/08/14 撮影…触れられて葉が閉じ、葉柄の垂れたところ





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オジギソウ ( 含羞草 )

2010-09-05 |  9月 の花たち

                                      ↑ 2010/09/03 撮影

2010/08/14 撮影

[ マメ科ミモザ属の一年草、南アメリカ原産 ]
 ( 元来は多年草ですが、日本では一年草となります。)

江戸時代後期に渡来し、観賞用に栽培されています。
草丈は、20~30cm。
茎は褐色の細毛と鋭い刺があり、よく分枝します。
葉は、長い柄を持ち、
柄の先に2対の羽片を掌状に付けて、互生します。
それぞれの羽片に多数の広線形の小葉を対生して並べます。
夜間や刺激を受けたときには速やかに閉じる性質があり、敏感に開閉運動します。
花期は、7~9月
葉腋から長い柄のある花序を数本出し、
淡紅色の小花を1㎝ほどの球状に密集して付けます。
花弁は4裂し、長い雄しべは4本、雌しべは1本です。
萼はほとんど不明です。
果実は莢果(きょうか)で、表面に毛があります。
名は、葉に触れると葉柄がおじぎするように垂れ、
小葉が閉じるところから付いたそうです。
別名 : ネムリグサ(眠り草)

孫の小さい頃、
オジギソウの葉に触ってとても喜びましたので、
大きくなった今でも
見かけるとつい買ってしまいます。


2010/08/14 撮影…昨日咲いていた花
〃…触れられて葉が閉じ、葉柄の垂れたところ


2010/09/02 撮影

2010/09/03 撮影


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この芋虫の名は?

2010-09-05 |  9月 の花たち

                         ↑ 2010/09/04 撮影

早朝、大きな芋虫が
藪枯らしの茎にいるのを見つけました。
もしかするとセスジスズメかもしれないと思いました。
そうならば、図鑑によるとスズメガ科の蛾の幼虫で、
食草はヤブガラシやノブドウその他の草とのことです。

2010/09/04 撮影…ヤブガラシの花



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする