こんにちは!ニュージーランド出身の国際交流員ズィアです。最近、新型コロナウイルスの影響で色々大変だと思いますが、みんなで頑張っていきましょう!
前回のブログではニュージーランドの面白いことについて書きました。今回は「マタリキ」というお正月のお祝いについて紹介します。ニュージーランドでは12月31日にもお正月のお祝いをしますが、マタリキは6月ごろにお祝いします!マタリキはニュージーランドの先住民族マオリ人のお祝いです。
プレアデス星団のことを知っていますか。マタリキはプレアデス星団のマオリ語の名前です。プレアデス星団は地球から約440光年に位置しています。一年中見ることはできませんが、ニュージーランドで5月の終わりごろか6月の始まりごろから肉眼で見えます。
昔からプレアデス星団は世界中で広く知られていて、様々な神話があります。大昔、プレアデス星団は日本で「六連星」と呼ばれていましたが、今の和名は「すばる」です。ギリシア、北欧、サモア、タヒチ、ウクライナ、トルコ、インドなど色々な国にプレアデス星団の神話があります。そしてオーストラリアの先住民族、北アメリカの先住民族など、色々な民族もプレアデス星団についての神話があります。大抵6~9つの星が肉眼で綺麗に見えるので、神話でよく7つの星を表している7人の人物がいます。
マタリキには2つの意味があって、「神の目」と「小さい目」と言われています。昔、マタリキが綺麗に見えたら、その年は収穫が多くなると考えられていて、9月ごろサツマイモなどを植え始めました(ニュージーランドと日本の季節は逆です!)。しかし、あまり綺麗に見えなかったら、10月まで作物を育てないことにしていたそうです。マタリキはマオリ人の旧暦に繋がっています。マタリキはお正月の合図で、見えたらお正月が始まります。そしてマタリキは土の肥沃を表します。マタリキの星は5月・6月に見えるので、作物を穫ったばかりの時期で、お祝いや祝宴ができました。
イウィ(マオリの部族)によって様々な神話があります。一般的に知られているのは母と6人の娘の話です。この神話によると、それぞれの7つの星は母と6人の娘で、母の名前はマタリキです。毎年6人の娘と一緒にマタリキの母「パパトゥアヌク」を訪ねます。簡単に言うとパパトゥアヌクは大地の神様です。マタリキの娘はそれぞれ特徴があって、パパトゥアヌクの新年の準備の手伝いをしながら、パパトゥアヌクからいろいろなことを教わります。神話によって、姉妹の数や名前、特徴などが異なります。
マタリキのお祝いは1900年代まで全国の所々でしましたが、1940年までにマタリキのお祝いは完全に消えてしまいました。2000年代以降マタリキについての関心が高まっていて、マオリとニュージーランドの文化として毎年様々なところでお祝いします。箕面市の国際協力都市、ハット市にある「The Dowse」という美術館でマタリキのイベントを行っています。
次の2つの写真はThe Dowse の2017年のマタリキイベントで、参加者がいろいろな話を聞いたり、美味しいものを食べたりしました。
写真参照:Ngā Kai o Matariki, The Dowse Art Museum 2017年6月21日
写真家: Mark Tantrum Photography
写真参照:Ngā Kai o Matariki, The Dowse Art Museum 2017年6月21日
写真家: Mark Tantrum Photography
マタリキは新年を表しますが、カウントダウンなどをしません。マタリキはとても感動的な時期で、天上を見ながら新年の備えと昨年の思い出や出来事を考える時期です。