皆さん、お元気ですか?寒さもあと一息です、元気な春を迎えましょう!春が待ち遠しい!メキシコ出身の国際交流員クラウディアです。前回のブログではメキシコについて「8件の興味深い事実」を読んでくれましたか?読んでないなら、是非読んでみてください!
日本で3月5日(金曜日)は啓蟄でしたね。(冬ごもりをしていた虫たちが土の中から出てくる頃)なので、今月のブログでは、モナルカ蝶を紹介します。世界中に何種類の蝶が生息しているか知っていますか?1000種?2000種?正解は約1万8000~2万種類と言われています。
蝶種
メキシコには約1800種類の蝶が生息していると言われており、世界の全蝶種の14%はメキシコの固有種です。一方、日本で確認されている蝶は約360種類です。南極大陸のみ蝶を見つけることが出来ません。
南極大陸
モナルカ蝶を聞いたことがありますか?メキシコのミチョアカン州で標高約3000メートルに「モナルカ蝶の聖地」という場所があり、美しさに心が奪われます。北米ではモナルカ蝶が一番知られていると言われています。モナルカ蝶は、カナダや北米の寒い冬を避けるため、メキシコの森林にやって来ます。秋から移動の準備を始め、約4000キロ以上の旅をし、暖かい場所を探します。モナルカ蝶は、羽を動かして体温を16度に出来るため、長距離を旅することが可能と言われています!
北米の蝶しか長距離が移動をしません。モナルカ蝶は道に迷うことなく往復の旅をします!すごい蝶(長)距離を移動するですねー(笑)!
モナルカ蝶
10月末頃に到着し、翌3月までメキシコの針葉樹林(パインツリー、杉、オヤメル)に滞在します。この期間が終わってから、再び北米やカナダへと迷わず帰っていきます。モナルカ蝶は移動する時に祖先と同じ道を通って、また同じ木に戻ると言われています。年々、モナルカ蝶はメキシコの森林地帯に滞在しながら、休息し、寒さをしのぎ、繁殖します。モナルカ蝶の聖域エリアは約5万ヘクタールを占めます。メキシコのモナルカ蝶の聖地やモナルカ蝶のルートは、メキシコ人が大切にしているので、メキシコ政府が保護し、自然保護区に指定されていて、冬眠や繁殖の過程等を見守ることが出来ます。
モナルカ蝶の羽の色(オレンジや、真っ黒、白い斑紋)はよく目立つので、捕食者に対する警告色となっています。警告色とは、捕食者に食べることを避けるように警告し、攻撃をそらすためのものです。自らの命を守る意味があると考えられています。
警告色の動物
蝶は何を食べているか、考えたことがありますか?モナルカ蝶は特に唐綿「トウワタ属」という花を主に食べます。トウワタは毒物アルカロイドを含んでいるため、食べることで毒を取り込み、捕食者から身を守ります。この強い毒物アルカロイドは体に影響を及ぼす劇薬なので、捕食者の鳥やアリ等がモナルカ蝶を食べたとたんに心臓麻痺を起こして倒れます。
唐綿とモナルカ蝶
この小さな蝶(長さ12センチ、重さ0.5グラム)は花の受粉を助け、生態系全体の役に立っています。他の蝶は24日間程生きると言われますが、モナルカ蝶は9ヵ月程生きるので、他の蝶類より12倍長生きします。
2月頃、何百万匹ものモナルカ蝶が大木を埋め尽くし、モナルカ蝶たちが冬眠場所から針葉樹林へ降りて来て、森林をオレンジ色に染めていくので、一番綺麗に見られる期間だと言われています。モナルカ蝶の移動は、世界最大の自然移動です。モナルカ蝶の聖地が絶対におすすめです!
日本の蝶
<モナルカ蝶の素晴らしい自然現象を満喫したい!