みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

御用邸能『鞍馬天狗』

2005年10月04日 | 能・狂言
 いきなりですが・・・やはり私は・・・雨女のようです・・・8月の熱海の薪能も雨。そして地元の御用邸(今は御用邸としての役目は終え、公園になっている。)での薪能も雨の予報。一応出かける前に、問い合わせたら、予定通り行うということ。私は自由席のチケットなので、早めに出かけました。画像は竹で作った特設舞台です。なかなか良い雰囲気です。下はふかふかの芝生だし。
 しかし・・・開演が近づくにつれ、ポツポツと雨が降り出してきました。やっぱり私は雨女です(苦笑)しかし、雨になることも予想し、寒さ対策(海がすぐそこなので、浜風が強いし)上着を着て、ポンチョ、カイロ、ストール、タオルなどあらゆるものを身に着け、配られた二枚のビニール風呂敷で荷物や足を守りました。こんな格好でお能を見ることになろうとは・・・・

 お能の方ですが、『鞍馬天狗』一番のみです。今年は義経ものが多いです!!でも去年も『安宅』だったなぁ・・。今、お稽古している曲だから、こういう場面か!!と思いながら見ていました。シテは毎年、御用邸能に来て下さる梅若六郎師。(何故か沼津の観光大使でもある・・・)お能一番で正面8千円はお高いです・・・(>_<)場所代かな?!
 子方は地元の子どもたち。可愛かった。(牛若は梅若六郎師のお孫さんの美和音ちゃん。)ここで、私がツボだったのは、一番小さい子(3歳くらいの女の子)を後見の晋矢さんが手を引いて、やさしーく後ろに座って見守る姿が微笑ましかったです。(見方間違ってる?!^^;晋矢師ファンなので、どうしても目がいってしまったのよ・・・)
 六郎師のお能は、やはり分かりやすいと思いました。ただ、雨が降ってきたため、客席はもちろんですが、演者もやりにくかったのかな?省略箇所がありました。ちょっと不完全燃焼だったな・・・。寒かったしね・・・^^;。

 シテ:梅若六郎 ワキ:村瀬純 子方:梅若美和音
 笛:田中義和 小鼓:鳥山直也 大鼓:柿原弘和 太鼓:桜井均

 今週8日土曜日は三保松原羽衣薪能へ行く予定。ですが・・また雨の予報です・・・(−−;。祈祷します、晴れるように・・・(笑)

「観る・聴く・触れる」能楽体験教室

2005年10月02日 | 能・狂言
 三島のゆうゆうホールの大会議室で行われた、能楽体験教室に参加してきました。来月に行われる三島能に先駆けて、先着100人くらい(?)で無料で受けることができます。講師は宝生流の辰巳満次郎師です。

 MOAのこどもサークルの時にも解説を聞きましたが、お話が面白い方でした。まずは能の歴史についてお話です。ルーツの散楽から現代までの流れをサラッと・・・。そして、時間を一番割いたと思われるのが、楽器体験です。といっても囃子方が出てきたわけでなく、所帯が小さかったので、シテ方の皆様で紹介なりいろいろとしてくださいました。プロじゃないですから。という断りつきでしたけど。でも、やっぱり一応修行していらっしゃる方ですしね、貴重な経験です。雛人形の五人囃子の並び方から、囃子方の並び方を説明。私もですが、並べ方って、鼓を習うようになって、五人囃子の並べ方を気にするようになりました。(店頭などで飾ってあるのも、すごく気になるようになる・・・^^;)
 
〜〜能楽器体験〜〜
 会議室の前に作ってある簡易の舞台の上で、それぞれの楽器に4人ずつくらいの参加者が体験しました。笛の方・・・いきなり音出てる男性がいました。私なんか、酸欠死寸前だった思い出があるので、笛は・・・向いていないと思います。小鼓は、やっぱり皆さん難しいと思います。ただ一人、一番最後のおばあちゃん・・・あれ、絶対経験者でしょ?!と思いました。構えも堂々としているし、音もかけ声も出ていたし・・・。で、やっぱりみんな「小鼓(こつづみ)」と「小包(こづつみ)」はギャグにするんだな・・・と改めて思いました(笑)きっと定番なんだと思います・・・。
 
 次は大鼓。私は前から大鼓を打ってみたかったので、立候補しました。手の力を抜いて打つ、ということだったので、小鼓と同じ感じかしら?と思い、打ちました。ちょっとは音出たかな?(^^;。一応誉められました。一回打った時は「そんなに痛くないかも」と思いましたが、何回か打っていくと、段々手が痛くなってきました。指皮も何もつけず素手だったのもあるでしょうけど・・・大鼓方は大変だなぁ・・・と思いました。あと、辰巳先生に「お尻を叩きながら、叱ったことはありますか?」と聞かれました・・・「ないです」と答えました(笑)(叱られたことは過去にございますが・笑)そんな感じ?と言われました。あと右手をサッとかっこよく出すこととか・・・。少しの間ですが、触ることができて良かったです。短時間でも右手が赤くなりました。小鼓を長時間打つと、赤くなりますが、赤くなるまでの時間は比ではありません・・^^;。で・・・これってやっぱり男性に向いている楽器だと改めて思いましたね。

〜〜能の型・所作について〜〜
 楽器の時と同じ要領で、何人か舞台に上がって体験。ヒラキとか私には懐かしい用語(笑)で・・ここで気づいたんですけど、山口祐一郎氏の動きってカクカクした仕舞だと思いました。失礼ですけれども、体験で構えやすり足をしていたおじさんのカクカク具合を見て、山口さんの固定された腕の角度を思い出してしましました。(意味不明で妖しいよね・・私・・^^;)なんかね角張った構えの手(爆)前から、ちょっと思っていたけど、そこで、勝手に小娘が提案!!山口さん、仕舞を習ったらいかがですか?!なめらかになるために!!!お忙しくて、時間ないでしょうけど・・・ジャンルも違うけど・・・(^^;。
 
〜〜能面・能装束について〜〜
 あらかじめ決めてあったお客さんの一人に装束をつけるところを見せていただきました。鬘はこうなっているのかー!!と思いました。「なるほど」って感じ。歌舞伎みたいな鬘とはまた違います。髪の毛(男性も人毛)の束みたいなのを、頭に合わせて結っていきます。写真ではこういう様子を見たことがありますが、実際に見るのは面白かったです。そして面をつけて、先ほど体験した、泣く型とか怒る型をやってましたけど、やはり素人は滑稽に見えるんですよね・・・失礼ですけど・・・。自分がやってみると、玄人の先生方ってすごいなーと思いますが、長い修行の成果なんでしょうね。軸がぶれないということとか姿勢とか・・・。

仕舞・『船弁慶』キリ
 最後に辰巳満次郎師シテで船弁慶の仕舞がありました。(やはり、今年は義経ものばかり〜、船弁慶好きだけど)今回は分かりやすくするために、義経役の方も。(子方ではありませんけど)
 やはり、格好良いです!!ただ、会場が会議室で特殊でしたし、狭いので、ちょっと動きが縮こまっている感じはしましたが、それは仕方ないです。

 2時間ちょっとでしたが、無料なのに、かなり楽しめました。(というか、しっかりと満喫してきました・・^^:)来月のお能が楽しみになりました。

茂山家 京極夏彦の妖怪大狂言

2005年09月15日 | 能・狂言
 長泉町文化会館ベルフォーレで行われた茂山家妖怪狂言へ行ってきました。隣町ですが、こぢんまりとして綺麗で良い感じのホールです。私は母と一緒に最前列ど真ん中で鑑賞。(余裕で選べました・・・)しかし、宣伝が足りないのか?ホール後方は空席ばかりでした・・・。まあ、、、能楽堂キャパに換算すると、満員になるレベルなんだけど、ちょっと残念。

 まずは茂山千之丞さんのお話。
狂言とは、何か、そして古典の『蚊相撲』について少し解説。とても面白く、そして人を惹きつけるお話でした。

『蚊相撲』
 蚊の「ぶーーー」という鳴き声と動きがアホっぽくて好きです(笑)だいたい、蚊の精という存在が笑えます。夏の夜、寝ている時に、耳元に「ぶーん」と来る嫌な存在ですからね(笑)扇に煽られて、よろよろになるところとか可愛いです。

蚊の精:茂山あきら 大名:茂山七五三 太郎冠者:茂山童司


新作『狐狗狸噺』
 京極さん作の新作です。仕事も金も未来もない太郎冠者を騙そうとするという話。
 狐、狗、狸のキャラがそれぞれぴったりです。茂さんの狐は可愛いです。丸石さんの狸はそのままです(失礼!!)あきらさんの狗は、絵本に出てきそうな風貌です。正体を明かした時の、耳やらしっぽやらが可愛いです。「しっぽを巻いて」逃げるは、文字通りしっぽを巻いて逃げていったりするのが面白いです。
それぞれの化け物キャラが特徴あって、ほのぼのして面白かったです。それぞれが騙し合いをしていたのですが、結局騙した奴は騙し甲斐のない人間。太郎冠者みたいな人は今にもいるので、化け物が人間をだませない世の中も、またちょっと寂しいなーと私も思いました・・・。

太郎冠者:茂山逸平 女:茂山茂 山犬:茂山あきら 出家:丸石やすし

新作『豆腐小僧』
 どうしても蛍原の豆腐小僧(by『妖怪大戦争』)の記憶が新しいですが、何にも悪さもせず、豆腐を持っているだけの妖怪豆腐小僧の話です。
千之丞さんの豆腐小僧可愛すぎます
千之丞さんに映画出て欲しかった!!と思ってしまいました(笑)きょとんとした目が可愛いです(^^)
 何にもしない妖怪よりも、怖い人間の上司の方が怖い・・・確かに(笑)豆腐を食べたい大名に豆腐をくれ、と言われるけど、必至で逃げる豆腐小僧!!そして、雨が降ってしまったから、笠と豆腐を取られてしまって逆転してしまい・・代わりに主になってと頼まれる豆腐小僧・・・面白かったです(^^)

豆腐小僧:茂山千之丞 大名:茂山千五郎 太郎冠者:茂山千三郎 次郎冠者:茂山茂

 『妖怪大戦争』以来、にわかに妖怪にはまっている私。その妖怪をネタにした狂言はとても楽しか ったです。年末のTSUBOMI狂言で「うーむ・・・」と思った茂山家の新作狂言でしたが、妖怪が主題だと、ほのぼの昔話のノリでとても楽しかったです(^^)今回は大満足でした!!!母も楽しんでくれて良かったです。また来てくださーい!!!と思いました。

MOA能楽サークル(午後の部)

2005年08月12日 | 能・狂言
お昼を取って、お子さまと一緒に来ていたあいらぶけろちゃんさんと合流。偶然にも、隣同士の席でした(笑)一緒に行く計画は何もしていなかったのに!!やっぱり、これも何かのご縁ですね!!お昼は、晴れたら芝生広場で食べれたんだけど、雨で室内へ。先日の薪能といい、私はやっぱり雨女のようです(苦笑)それでも素敵なお屋敷(?)でお弁当(持参)を頂くことができたのはよかった。

能楽ミニ講座・・・野村萬斎、辰巳満次郎
まず萬斎さんによる狂言の解説です。萬斎さん「みなさん、こんにちは!」「後ろの方が声が小さいな、もう一度、こんにちは!」子供「こんにちはー!!」には教育番組を思い出しました。さすが「にほんごであそぼ」出演者!(笑)
萬斎さんは『魚説教』について、子供たちに分かりやすく説明されていました。さすがにうまいなーと思いました(^^)
能の解説はシテ方宝生流辰巳満次郎師。この方もお話が面白かったです。ここでは、全員がその場で立って、シオリという左手をかざして泣く型を練習しました。なるほど、、薬指を右の眉に触るか?という位のところまで持っていくらしい。


和泉流狂言『魚説教』
 親の追善を住職の代わりに引き受けてしまった新発意(お坊さんの見習い)がお経が分からないので、魚市場の近くに住んでいた自分がよく知っている魚の名前を説教するというお話です。解説の萬斎さんがシテの新発意です。
 解説にあったように、魚の名前がどれだけあるか、と数えてみました(^^;かなりありました!!突然こんなに言える方もすごいと思うんですけど(笑)魚ばかり言っていて、魚は生臭いもの(殺生)ということで、弔いにはふさわしくない、と施主は怒ってしまいます。それで飛び魚になって飛んで逃げるのがおかしいです。


宝生流能『船弁慶』
 大河ドラマの影響か人気曲だからか上演が多いですね。でも子方も出るから、お子さまたちには向いているのかしら?(『花よりも花の如く』にもそんなエピソードあったけど)歌舞伎でも何回か見ているけど、元ネタの能の方がやっぱ面白いと思ってしまう。(歌舞伎も面白いが、メイクが生々しいのだろうか・・・?!)
 今回、脇正面に初めて座りましたが、この席なかなか良い!と思いました。やっぱり静は美しいし、悲しみが伝わってきます。中之舞を舞った後の義経との別れ、烏帽子を落として泣きながら去る場面は、とても好きなのですが、今回は、義経を背にして去るところがちょうど私の真正面に見えたので、悲しさが伝わってきて、ちょっとうるうるしました。。。
 そして、源次郎先生も辰巳満次郎師も「笑わないで!」と仰った作り物の船。ここで笑いは起きなかったものの、「これか!」というざわめきが(笑)大波がきた時のお囃子は、かなり迫力!「かっこいい!!」と身震いしました。
 知盛は能は歌舞伎に比べておどろおどろしい感じがしました。でも、全パワーを義経にぶつけてやる!という執念を激しく感じました。午前の解説での義経をとりまく人〜恨んでいる人物〜という言葉を思い出しました。やっぱり『船弁慶』はおもしろいですね!!
 前半の静御前の‘静’な部分と後半の‘動’の部分の対比はもちろん、義経を中心にとりまく、人物の気持ちを感じることができた本日の舞台でした。

シテ:佐野登 
笛:成田寛人 小鼓:大倉源次郎 大鼓:大倉慶乃助 太鼓:観世元伯

終演後の挨拶で、司会の方が子供たちに「今日は楽しかったかな?」にほぼ全員が手を挙げているのを見て、私もなんだか嬉しくなりました

MOA能楽サークル(午前の部)

2005年08月12日 | 能・狂言
 朝の10時半から午後3時半まで、どっぷり能楽に浸ってきました。朝早く(といっても普段と変わらないが)出かけて、熱海に着く。またもや雨女の本領発揮でパラパラ小雨。(帰る時は、さらに凄くどでかい雷と共に夕立が・苦笑)
 能楽サークルは子供とその保護者が主体のイベントのようですが、私のような独り者も参加してまいりました。(良い年頃の子供も周りにいないしさー・・・・)入り口から延々と続くあのエスカレーターを使わずに階段を駆け上がっていく子供達、元気だなーーー、いいねーー、と思いました(笑)
 画像は、懇切丁寧なパンフレットと、参加者に配られたステッカーです。(参加者は胸とかにステッカーを貼るのです。)

午前の部・能楽講座  講師・・・大倉源次郎
 小中学生は別のお部屋で楽器体験、保護者や一般の人は源次郎先生の講座です。この時ばかりは、自由席という案内があり、急いで正面へ。(私の席は脇正面)運良く(?)一番前の真ん中の席に座りました。(源次郎先生の真正面!!<ミーハー・笑)
 切戸口から源次郎先生が能舞台へ。後ろの女性達から「かっこいい・・」という囁きが(笑)激しく同意です(笑)
 能楽の歴史、囃子の事などユーモアを交えながら楽しく分かりやすく解説してくださいました。(質問にも応えて下さいながら、そこから発展してお話をしてくださいました。)
 今日の体験は、短い間で稽古を体験してもらうということを保護者の方に説明。挨拶をしっかりする、お道具を通して先人の知恵や苦労を学んだりすること、死ぬまで勉強、という言葉は私の心にもしっかり留めておこう!と思いました。
 能と狂言の違い・・というお話は、「大倉源次郎が恋をしたら・・・」の喩えで(笑)能は自分が恋に苦しんだり、叶わないと死んだり、、、と狂言は、片思いをからかったり、、、というような喩えでした。

 その後、小鼓について説明。
 袱紗に包んだ状態は「小包(こづつみ)」、中身は「小鼓(こつづみ)」と(笑)構え方や、雛人形の五人囃子から能のお囃子の並び方の説明がありました。
そこから能楽器解説に。小鼓はもちろん主に笛についても解説でした。能管は音階が一本一本違うとかいうことは知っていましたが、なぜこのようになったか、篠笛や龍笛といった笛は中国から伝わり雅楽などで使われている。それはちゃんと調律されていて音階も定まっている。しかし、能楽は音として統一するのをやめた、ということです。(音階が同じでは面白くない。一本一本違ってもいいじゃない、というようなこと。) 
 大陸系の乾いて一定の音階になる楽器と、南方は感覚的な音階の楽器。これが日本で出会って発展した、日本はたいへん豊かな国ということ。
これって、面白いなと思いました。鼓だってそうですよね。人によって音はもちろん違うけれど、鼓によってかなり違いますしね。


 あとは、今日の『船弁慶』の見所解説がありました。(感じ方、楽しみ方は人によって違うので、見所解説は難しいと仰ってましたが)シテ中心も良いけど、義経中心に見ると白いということ。義経(主役)、そして静は義経を思う恋人、知盛は恨みを抱く人物。弁慶と家来でお金も絡まない主従関係。船頭は雇われて いる人間、と社会の構図があるので、それぞれの見方から楽しみ方があるということです。
 あと、カットされることが多いけど、アイの船頭が義経が復権したら、自分を役につけてくださいと頼む、生々しい場面もあるそうです。

 残りの時間は質問などにこたえてくださって、私も大鼓の乾燥した音と、湿気が必要な小鼓は、先ほどの大陸の音と南方系の音と関係があるのか?と質問したかったのですが、手をあげて、(たぶん)目が合ったにも関わらず「時間ですから、そろそろ・・・」と司会者が遮断・・・・
 司会者の方が「せっかくですから、鼓の演奏を・・・・」ということでしたが、源次郎先生は「一人で打つのもなー・・・」という感じで・・・(そりゃ、そうですよね・・・・・^^;)無謡一調というのは知っていたけど、謡いながら打つ「独謡一調」もあるとのこと。これは大倉流のみにあって、『龍田川辺』(字は合っているかな?)という曲があり、この曲は、綱吉の時代に柳沢吉保の命で作ったそうです。そして襲名などの特別な時しかできなく、若い者はできない曲らしいです。
 そこで、みんなで『翁』の三番叟の部分を稽古(?)しました。
「イヤータツホーポツホーポツポポ」を繰り返し、楽しかったです。

 1時間半に渡るお話はとても面白かったです。と、最初はサラッと感想を書くつもりが、長くなってしまったので、午後の鑑賞と分けることにします。
お話を聞きながら、メモをしたものを見ながら書きました。

MOA薪能中止でモニター鑑賞

2005年08月01日 | 能・狂言
下の記事にも書きましたが、MOA薪能1日目は中止になりました。
私が熱海に着いた3時頃は雨も降っておらず、張り紙を見た時は愕然としました。
しかし、よく見ると、路面はびしょ濡れ。おみやげ屋さんの人に聞くと、
かなり土砂降りだったとか・・・・。それでは中止も仕方ありません。
スポンサーさん向けには能楽堂で。無料券の私たちはロビーや他施設でのモニター鑑賞。
モニター鑑賞も椅子ではなく、大広間の座敷に座って鑑賞です。
大画面液晶モニターでの鑑賞ですが、雰囲気は茶の間とか温泉の広間みたい。
開演中は雨は降らなかったから余計残念…。
舞台、芝生席のコンディションを考えると仕方ないですね。
だけど、やっぱり生に比べるとテンションが下がるのは確か・・・・。
私は芝生に座ることを考え、レジャーシート、虫除けスプレーなど虫除け対策、
上着、オペラグラスなど、万全の対策で臨んだだけに、、、、、
(あ、シートは畳んだ状態で座布団替わりに使いました。お尻痛かったから・笑)

観世流 能『楊貴妃』
初めて見ました。楊貴妃は世界三大美女だけあり、とても綺麗でした。
ただ、仕方ないんですが、モニターだと面はハレーションで光っているし、
お尻痛くなるし、かなり疲れました・・・。(途中ウトウト・・・)
優雅な序の舞はうっとりしました。

シテ(楊貴妃):観世芳宏、ワキ(方士):森常好、アイ(蓬莱国の者):竹山悠樹
笛:寺井宏明、小鼓:大倉源次郎、大鼓:安福光雄

和泉流狂言『入間川』
早合点した大名が、反対言葉を使って、どんどんと調子に乗るのが面白かったです。
喜んで、いろいろな者をあげて、本当はうれしいのか?と聞くところが
面白かったですねー。入間の者もそれを若手tからかうのが面白かった。
でもアホな主人公というのが憎めないなーと思います。

シテ(大名):石田幸雄、アド(太郎冠者):月崎晴夫、小アド(入間の何某):深田博治

観世流 能『車僧』
天狗が出てくるので、にぎやかだし、それまで疲れていたのが目が覚めました(笑)
車僧という僧侶を迷いの世界に引き込もうとする天狗の話です。
あの手、この手にも動じない車僧が印象的でしたが、それ以上に私は
アイの天狗が面白かったです。動きとかが・・・(^^;
くすぐって笑わせようとか・・・(笑)

前シテ(山伏)後シテ(天狗):武田尚浩、ワキ(車僧):森常好、アイ:(溝越天狗):石田幸雄
笛:寺井宏明、小鼓:大倉源次郎、大鼓:安福光雄、太鼓:助川治

モニター鑑賞はやはり生に比べるとテンション下がるし、残念でしたが、
それでもお客さんの雰囲気は悪くなかったのでよかったです。
モニター鑑賞があっただけ良かったと思わなくては・・・。
でもやっぱり生が良いけど・・・・。
ただ、ずっと座っていたのはきつかったな・・・。
来年は晴れてほしいなーと思いました。

MOA美術館定期演能会6月公演

2005年06月18日 | 能・狂言
 行って来ました。能の前に美術館で美術鑑賞。「かわいいミニチュア展」という展示会が。陶磁器など小さい作品がたくさんありました。その名の通りに可愛いものばかりでした。

能楽ミニ講座
 開演に先立って、MOAはアナウンスによる説明と、能楽師の方の説明があるんです。親切です。今日は山中が晶師(「が」の字が出てこない・・・)の解説がありました。いつもは舞台上で解説があるのですが、今日はいきなり私のすぐ横の通路を通って舞台の脇で解説しておられました。びっくり。
 山中さん、結構面白い方でお話が楽しく、15分の予定がちょっと延びました(笑)目の前のお客さんに「15分過ぎたら教えて下さい」って言ってましたからね(^^;内容は今日の演目についてや、能と狂言の違いなどでした。
 「へぇ〜」と思ったのが『殺生石』の野干ですが、語源はジャッカルらしいです。何で調べたかというと「日本妖怪事典」だそうです。とお話も面白く、素敵な方だったので、今までで一番楽しめたミニ講座でした(笑)

仕舞『小袖曽我』『龍虎』
 二つとも、二人で舞う仕舞です。珍しいですよね??『小袖曽我』は相舞ですが、『龍虎』は龍対虎という舞です。ここで『龍虎』で梅若六郎師の仕舞を見ることができました。当日になって分かったことだったので、ちょっとお得感でした(笑)この『龍虎』の仕舞はかなりかっこよかったです!!!

『小袖曽我』 小田切康陽 山崎正道  『龍虎』角当直隆 梅若六郎
地謡:井上和幸 高尾章弘 高尾維教 松山隆之

狂言 『口真似』
 久々に見る萬斎さんの狂言です。面白かったです!!主人に言うとおりにしろと、言われたら、そのまま同じ言葉を口にします。それが主人→太郎冠者→客。で太郎冠者が主人に叩かれたら、客を叩くし。アホっぽくて好きです(笑)飄々とした萬斎さんの感じも好きです。

太郎冠者:野村萬斎  主:月崎晴夫 何某:深田博治


『殺生石』替装束
 なかなか面白かったです。シテは密かにファンの梅若晋矢師。以前、一調の謡を聴いた時に素敵!!とったのです(笑)
 殺生石ですが、以前にお稽古したのですが、お能で見るのは初めてです。分かりやすい曲だと思います。人気曲というのも頷けます。前シテも狐の精らしく妖しい雰囲気です。作り物はかなり大きかった。割れる時はちょっとびっくりしました(笑)
 そして、後シテにはかなりしびれました!!出てきた瞬間、「かっこいい・・・」と思ってしまいました。もの凄い派手な動きというわけではないのですが、キビキビッとした動きに心奪われました。でも、台座に後ろ向きでジャンプする型があったと思いますが、それはびっくりしました。
 今日は梅若晋矢さんの魅力にはまった!といった感じです(笑)小鼓は、鵜澤速雄師でした。初めて聴きましたが、素敵な音色でした。音色だけでなく、かけ声も素敵だなーと思いました。前から聴いてみたかった方だけに、じっくりと打つ姿も拝見したかったのですが、、、作り物で見えませんでした・・・(^^;。

シテ:梅若晋矢 ワキ:森常好 アイ:高野和憲
笛:寺井宏明  小鼓:鵜澤速雄  大鼓:筧鉱一 太鼓:金春国和

と、本日の公演は久々に大満足し、そしてゾクゾクした公演になりました。

沼津能

2005年06月04日 | 能・狂言
私の地元、市民文化センターで行われた沼津能に行って来ました。
初の連ちゃんでのお能鑑賞です。(昨日はお囃子だけですが。)
ホール能でしたが、今回は前4列をつぶして、せり出した舞台を作ってました。
そして、気が付いたら私のすぐ後ろに中学時代の国語の先生が!!!びっくりしました!!

まずは観世芳宏師など出演者によるお話がありました。
装束付を見せてもらったのですが、薙刀が見え「今日は松風だよな・・」と思ったら
『船弁慶』の知盛の装束でした。(納得!)
この袴(大口袴)は後ろにござが入っていて、とても重いということです。
どんどん知盛になっていく課程がかっこよかったです!!
そして、装束付だけじゃ、もったいないのか、いきなり後半を演じてくださいました。
囃子はつかずに仕舞みたいに謡とシテの舞のみですが。
それでもいきなりこんなの見ることができてラッキー!!
その後、関根祥人師による『松風』の一部の謡のお稽古がありました。
「松風も村雨も袖のみ濡れてよしなやな。身にも及ばぬ恋をさえ。須磨の余りに。
罪深し跡弔いて賜び給え。」の部分です。わかりやすく五線譜みたいにして高さを表した
ものを入場した時にもらって、それを見ながら会場一斉となり謡です。
私も久々に謡いました(笑)やっぱ少しでも気持ちいいですね。謡の稽古もしたいなーー。

狂言『成上がり』
主人が太郎冠者に太刀を持たせて寺に参詣し、お堂に籠もって寝ていると、すっぱ(悪者)が来て
太刀を竹杖とすり替えてしまいます。気づいた太郎冠者は主人に物が成り上がるという話を
言い訳にして、いろいろと話ます。

初めて見ましたが、面白かったです。言い訳が変なのも狂言ならではですよね。
「嫁が姑になるのも成り上がり」とかね。
間違えて主人を縄にかけちゃうのも、面白いですね。(だいたい想像はつくけど。笑)

太郎冠者:三宅右矩  主:前田晃一 すっぱ:大塚出

『松風』
「熊野、松風に米の飯」と言われるくらいに人気の曲です。
前回は狭い空間で間近で綺麗な装束や面を観察(笑)していたのですが、
今回は遠いから、全体像を見ていました。(オペラグラスでたまに観察してましたが・・・)
松風・村雨が泣いているところなど印象的ですが、今回印象的だったのは
後半、松にぴたっと寄り添っているところです。
なんか妙な妖しさというか色気みたいのを感じてしまいました。ちょっと怖いというか・・・。
行平への執着が感じられましたね。
そういえばこの曲はあまりホールでは演じないそうです。

シテ:関根知孝 ツレ:浅見重好 ワキ:高安勝久
笛:八反田智子 小鼓:住駒匡彦 大鼓:柿原光博

静岡新聞HPより、沼津能の記事。

あぜくらの集い 鼓の魅力

2005年06月03日 | 能・狂言
 国立能楽堂に於いて生田コレクション展が開催されていますが、それに合わせて、あぜくら会限定の公演「あぜくらの集い〜鼓の魅力」が催されました。(画像は生田コレクション展のチラシです。)
 あぜくら会は国立劇場(歌舞伎・文楽)や国立能楽堂のチケットが優先で買える会です。私は入っていませんが、会員の友達が応募して当たったので、幸いな事にお誘いを受けました。葉書には「指定席のため、必ず出席してください」と命令が。お国からの召集令状なので、背くわけにはいきません(笑)
 その前に、このblogにも来て下さる方二人と銀座で待ち合わせ。歌舞伎座近くの東銀座ナイルレストランにてランチをしました。時々無性に食べたくなるんです、ここのムルギーランチというカレー。

 公演が3時からですが、早くついたので、展示室の生田コレクションを見ました。昨秋の京都の展示会の時よりもお役所関連なのか色はありませんでしたが、(京都は蒔菓子展や、小鼓体験コーナーがあった。)陳列してある小鼓は99点と京都よりも多かったし、大鼓の胴もありました。やっぱりすごいですね。カンナ目もさることながら、蒔絵も美しいです。カンナ目が青海波のものは、ほんと綺麗です!!でも、ここで早く来て正解!と思いました。白衣を着たお姉さんたちが、今日使う小鼓をどんどん持っていったので、その前に一応一通り見たので、早めに来てラッキーでした。まだ人が少ないうち、生田さんからも直接お話を伺えたりして良かったです。その後、公演のお客さんが溢れんばかりに会場を埋め尽くしましたから。でも、やはり鼓というか楽器は音を出してあげてこそ価値が出るものだと思いました。もちろん美術品としての価値もあると思いますが、絵画とは違いますからね。

 会は第一部が小島美子さんと生田さんのお話など主に鼓のお話です。
 鼓は室町・安土桃山時代は烏胴(黒無地)やニスを塗っただけのような素のものが多く、蒔絵が施されるようになったのは、大名のお抱えになった安土末期から江戸時代からだそうです。だから、古いものほど蒔絵と胴の時代が一致しないと。江戸からはほぼ同時だというそうです。
 形状、長さも室町・安土のものはバラバラでした。これも形状が平均化されたのは江戸から。蒔絵も洒落っけ(小鼓の音からタンポポなど)や能楽、万葉集からとった絵が多いということ。
 
 お話の後は、生田コレクションを使った小鼓四流派(幸・幸清・大倉・観世)による実演解説。それぞれの流派から、幸清次郎師、曽和正博師、大倉源次郎師、観世新九郎師が舞台に。大倉流を習っていて、舞台でも大倉流を見ることが多い私はこれが面白かったです!!
 音は流派というよりも人によって違うと思うので、そういう違いは置いておいて・・・調べ緒のかけ方も流派ごとによって違うし、小締に指を通す&横紐に指を通すのは大倉流のみです。幸流と持ち方が違うというのは認識していましたが、知らなかった!!あとプ(低い音、乙の小さい音)の打ち方も大倉流だけ違うのですね。長地という手も流派により全然違うし、私にとっては異文化を知ることができました(笑)
 そして、次は鼓を打ち比べ。まずは源次郎さんが同じ皮で二つの胴を打ち比べました。やっぱり全然ちがいます。その後、四人で一つの胴をご自分の皮を使って打ち比べ。なかなかこういうものは滅多にというか今後見られないであろう貴重な打ち比べでした。これも全然音が違いました。普段使っているものとクセが違うというのもあるらしいです。これも人により、そしてまた皮により左されるのでしょうね。とにかく貴重な打ち比べでした!!!(でも、ややマニアックか?!)

休憩の後は一調、素囃子という演奏です。
一調一声『小督』小鼓:幸清次郎  謡:観世銕之丞
一調『蝉丸』  小鼓:大倉源次郎 謡:辰巳満次郎
一調一声『玉葛』小鼓:曽和正博  謡:武田 孝史
一調『錦木』  小鼓:観世新九郎 謡:浅井 文義
素囃子 『神楽』笛:成田寛人 小鼓:森澤勇司 大鼓:高野彰 太鼓:三島卓

 このように、小鼓メインの会は私にとってはかなりおもしろかったです。そして、誘ってくれた友人は初めての能楽だったのですが、楽しんでもらえてよかったです!私が「源次郎さん、素敵です!」なんて言ってたせいもあると思いますが、友人は「イケメン!」「メンズ雑誌のモデルもいける!」「ピアノを弾かせたい指」と言ってました。改めてレディキラー(?!)な能楽師だなと思いました。(笑)

TSUBOMI

2004年12月25日 | 能・狂言
四条から京阪、出町柳で叡山電鉄に乗り換えて春秋座まで。
場所が全く分からなかったが、電車から降りた同じ目的地であろう若い女性群に着いていく(笑)
京都造形芸術大学の中にある劇場の春秋座が会場です。
あ〜、約2年ぶりに大学ちゅーところに足を踏み入れました。
「綺麗だな〜、いいな〜」と思いながら・・・。
茂山狂言恒例のもぎりは茂さんでした。

全体的な感想としては・・・「狂言というよりも、狂言風台詞劇」という感じでした。
『武悪』は初めて見たけど、なかなか面白かった。
ですが、『笑い茸』はよく分からなかったし、頭が「?」状態になった。
茂さんは「加藤茶かい?」というような出で立ちだった・・・。
『妙音へのへの物語』は、話の筋そのものは面白いとは思うけれども、
いかんせん、最後の照明が品がないというか、、、、、(照明だけじゃない?!)
あと、ちょっと話が長すぎて、だれるというか・・・・
もう少し、かいつまんで作ればもっと面白くなると思いました。

茂山家の狂言だけの会はこれが始めてだったので、(今年のTOPPAは能もあったし。)
いつも、どんな感じかは知らないんですが、、、、
今後、若手がどんな道を歩むのかは、この会次第と仰っていましたが、
今回のこの蕾に関しては、「引いた(退いた?)」というのが正直な感想です。
たぶん、感想はまっぷたつに割れるんだろうな〜と思っているのですが、、、、。
3つとも長かったし、私だけかもしれないけれどもだれてしまった・・・。
今後も、茂山家自体は嫌いじゃないし、好きなんだけれども、こんな会ばかりなら正直見たくないです。

そして、クリスマスならではの企画でフィナーレで抽選会もあったのですが、
カレンダー購入者のみに当たるっていう・・・。
買わなかった私が、ひがみを言っている訳じゃないんだけど、なんかこういうやり方もな〜と、、、
どうせクリスマスらしく抽選会をするなら、席番でみんな平等にすればいいのに・・・とか思ったり・・・。
と、ちょっと私は不完全燃焼でしたかな・・・・。

響の会『松風』

2004年12月18日 | 能・狂言
銕仙会能楽研修所で行われた第24回響の会研究公演第一部『松風』を見に行ってきました。
自由席だったので、なるべく早く並びに行きました。
その結果、結構良いポジションに座ることができました。(正座せずに済むところ・・・笑)
仕舞『三輪』『山姥』がまずありました。
浅見真州師が舞われた『山姥』はとても素敵でした。
凛としていて、とてもかっこよかったんです!!

さて『松風』ですが、初めて見ました。
人気曲だけあって、とても素敵な曲でした。
謡といい、装束といい、とてもきれいだし、見所もたくさんです。
汐を汲む所、姉妹が泣くところが印象的でした。
やはり、後半の烏帽子狩衣姿の松風の姿での舞が美しかったです。
お能は、これで今年見納めですが、とても良かったです
萬斎さんも久々に見ましたよ。あっという間の出番でしたが。

ただ、見終わった後、かなりお尻が痛くなりました・・・(^^;
あとちょっと寒かった・・・。コートを膝に掛けていましたが冷えて辛かったです・・・・。
そして、隣のおばあちゃんに飴を頂き、帰りの電車の中でもおばあちゃんに飴を頂いた日でした(笑)

今回の響の会の公演は、ちょっとしたご縁でチケットを入手したのですが、
また機会があれば、拝見したいな〜と思っています。
来年の道成寺など迷っています(笑)あと袴能も興味あり・・・。
ああ、、、欲望は尽きない(笑)


シテ:清水寛二  ツレ:西村高夫  ワキ:工藤和哉  アイ:野村萬斎
笛:竹市学 小鼓:古賀裕巳 大鼓:柿原弘和

web響の会 公式HP

『野宮』

2004年11月27日 | 能・狂言
27日、熱海MOA美術館能楽堂に行って来ました。
例の当選した招待席チケット(もちろん無料〜)で行って来ました。
本当は祖母と行くはずが、用事でだめになり、親戚のおばさんと行って来ました。

演目は野村万作『文山賊』、一調『山姥』、梅若六郎『野宮』
私は、久々に和泉流狂言を見たし、万作さんは初めて見たと思う・・・。
一調は太鼓の観世元伯師、謡は梅若晋矢師。
梅若晋矢師の謡は初めて、じっくり聴きましたが、けっこう素敵!!
ファンになりそうです(笑)

さて、六郎師の『野宮』は、長く、渋い曲でした。
同じく六条御息所を主人公とした『葵上』とはだいぶ違った曲です。
私は、クセと序の舞でうとうとしてしまいました・・・^^;
けど、なかなか面白かったです。
小鼓が源次郎師、大鼓が亀井忠雄師というのもまた良かったです!!
やっぱり源次郎師の鼓の音色好きだな〜
ついつい、あの美しいお手元を観察してしまいます・・・手元だけじゃないけど(笑)
(って書くと、かなり痛い人に思われそうだけどさ・・・・
亀井師の大鼓は初めてですが、かなりかっこよいですね!!!
と、やはり、好みのお囃子だとそちらも気にしてしまうのですが、
六郎師のお能は面白いな〜と改めて感じました。
芸術の秋を締めくくるものでした。

帰りは、美術館の展示を見てきました。
特別展で「日本の版画展」をやっていましたので、そちらを見てきました。
伊東深水(字合ってる?)の女性は美しいし、夢二は四点しかなかったけれど素敵でした。
あと、歌舞伎役者(近代の)の絵もありましたね。

画像は美術館広場から見た初島。
これじゃわかりにくいけど、真ん中にぽっかり浮かんでいます・・・。
さらに遠くには伊豆大島も見えました。
晴れていてよかった〜。
帰りは駅まであの坂(山道)を歩いて帰りました

せぬひま

2004年11月12日 | 能・狂言
「せぬひま」公演HPに第一回公演の写真と録音がアップされました。
「せぬひま」HP内・蔵
おもしろい企画で、私もいきたかったな~と思っていたので、様子を知ることができうれしいです。5月に第二回公演も企画されているそうです。
三番叟・三番三対決も実際に見てみたいです。
亀井さんの大鼓も相変わらず情熱的です。


それから、源次郎師のHPに生田コレクション総括が更新されていました。
公式HP「華通信」・天響地声
改めて、すごいものを見てきたんだな~と思いました。

それから、蒔菓子はかなり気になりました(笑)
先週の土曜日の京都の女性というスペシャル番組で、菓子職人さんがでてきたのですが、この展覧会に出す蒔菓子を作っていました。
私も作ってみたいです。

新作能『利休』

2004年11月04日 | 能・狂言
東静岡グランシップにて、新作能『利休』が上演されました。
利休の「朝顔の茶会」という逸話がベースです。

連歌師松露(森常好)の前に朝顔の精(観世清和)が現れ、なぜ朝顔を一輪だけ残して切り落としたのか疑念に思うということを語って消えます。
その後、利休(野村四郎)が現れ、茶について語ります。
間もなく、在りし日の美しい姿の朝顔の精が現れ、利休に問いかけます。
利休は、切り捨てられた他の朝顔も、残った一輪の朝顔によって、華やかに息づいたと諭します。


まず、お能に先だって、裏千家家元による茶湯の儀が行われました。
後方に利休の掛け軸があり、捧げます。
しかし、私の席は最前列下手側だったのですが、、、
ホール能によくある、背の低い目付柱が邪魔で、お手前が全く見えず、、、。
後ろ姿しか見えませんでした、、、

私は茶道の知識が全くないも同然だし(辛うじて、頂くことはできる程度)
新作だし、筋もほとんど分からないし、配られたパンフレット(画像)にあった
詞章を開演前に必死で読んでました
やっぱり、ちょっと難しかったかも、、、
でも、お茶とお能の共演って素敵ですね
どちらも成立は室町期ですし、余分なものがないというところも似ているかも。
う~ん、、、どちらとも奥が深いですね。
お茶も習いたくなりました。

朝顔の精は、それはとても素敵でした!!!綺麗なんです。
私も朝顔は好きな花なんで、朝顔の凛とした美しさというか、、、。
もう一回、機会があれば、見てみたいです。

それから、張り切って最前列だったものの、、、
演出の関係上、囃子は橋掛かりの後方に座っていて、、、。
柱の陰で源次郎師の顔半分しか見えませんでした。
い、、、、いえ、、、別に顔が目当てって訳ではなくて、、、
鼓を打つ手とかも見たかったな~という、、、。
その代わり、亀井広忠師は真正面でしたが
地謡も上手側後方でした。
そして、舞台正面後方から、朝顔の精が消えたり、利休が現れたりしました。
新作、そしてホールだからできることでしょう。

そして、顔ぶれも非常に豪華でした。
地頭は梅若六郎師でしたし、よかったです。

(追加)
静岡新聞HP内利休カラー記事です。
ちなみに私は、反対側のアングルから見ていました。

般若!

2004年11月04日 | 能・狂言
さて、リクエストが一つでもあれば載せます(笑)
般若の面姿です。
やっぱり怖いですね~。
だけど、悲しみの表情も含まれていて、結構好きな面です。
写真にはないけれど、あと翁<つけてくればよかった、、、)もありました。

この展示会は無料なので、お近くの方はぜひ!!
ついでにお茶まつりも!!